日本国沖縄県。 それは、かつて琉球王国と呼ばれる独立国だった。 民族的にも、言語的にも、沖縄は日本人と共通の祖先を持つ。しかし、有史以降、日本(ヤマト)と沖縄は独自の歴史をたどってきた。 中国からは琉球と呼ばれ、日本からは沖縄と呼ばれたこの島国。アジアの海の交易路として、沖縄は独自の歴史を刻んできた。 ところが、彼らがやってきた。日本の一領主、薩摩を支配する島津一族が。 沖縄は体面上は独立国とされながらも、島津領として苛酷な統治を受けてきた。 明治になり、琉球王国が琉球藩とされ、次いで沖縄県となった。この時点で、沖縄/琉球は完全に日本(ヤマト)の占領下に置かれることになる。この虐げられた歴史の帰結が、あの凄惨な沖縄戦だった。 攻め寄せる米軍。それを迎え撃つ日本軍は、沖縄の民間人を楯にした。本土決戦を避けるためなら沖縄はどうなってもいい。それが、軍国日本政府の方針だった。 戦争は終わり、沖縄は米軍統治下に置かれた。そして、日本でありながら日本でない、奇妙な島々として存在することになる。だが、米軍は日本政府より慈悲深いというようなことは一切なかった。アジアを共産主義勢力から守るための前進基地以上の扱いをするつもりはまったくなかったのである。 沖縄は日本に「返還」されたが、米軍はいまだに居座り続けている。「日本の国益」やらという「日米安保条約」の軛(くびき)のもと、沖縄は日本政府と米軍という二つの圧制者によって締め付けられているのである。
ここに沖縄は宣言する。
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