何で最後に会ったのが雨の日だったんだろう
そういうものなんだろうか
そういうものなんだろうか

ましてや日陰では
本当にあなたの顔が見えなかった
あなたの顔が見えなかった

僕は一人で帰った

だってそれは
一人で帰る他無いでしょう
他に誰が居るというのでしょう

列車のなかでは
僕は雨を見ていました
ただ雨を見ていました

夏が来ると思うけれど
僕にもあなたにも夏が来ると思うけれど

わからないんです
どういう夏になるのかが

どうでも良い夏を迎えることほど
やりきれないことは有りません

しかたがないから
僕は音楽を聴くことにして
だけれども
音楽のなかには
ただただあなたを思い出す言葉ばかり拾うのです

しかたがないから
音楽を聴きながらお酒を飲むことにして
あなたが煙草を吸い過ぎない様に
僕がお酒を飲み過ぎない様に

そうやって夜は更けていくんです


2001

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