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美智子皇后が読書の楽しみ、価値を語るテレビ番組があった。国際的な会議にビデオ出演した際の映像らしい。

このような形で個人の考えを述べるのは、日本の皇室として画期的なことだ。
語られた内容自体も優れていたが、誰が語るのかということに大きな意味がある。

今日のような番組を見ると、皇室に対する敬愛の念の国民平均値は確実に高まるだろう。
ぼく自身は、皇室が存続すべきなのか否か自分の考えを整理できていないのだが、日本が様々な面で危機的な状況下で、このような形で皇族が登場することに、皇室の生命力を見る思いがする。
なるほどこれで千三百年以上続いてきたわけだ、と。

これで、雅子皇太子妃も出やすくなったろう。実際、あれだけ有能な女性に手だけ振らせておくのはもったいないとも思う。
ストレートに外交についての意見も述べられないだろうが、基本精神をさりげなく語りかけることはできる。
その影響はプラスばかりではないのだろうが。

それにしても、この番組を仕掛けたプロデューサー、恐れ入った腕だ。

 

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今日の日経のコラム「職員室」には少しショックを受けた。

中学校の生徒たちが、修学旅行の体験学習の行き先を話し合っているとき、「みんなに悪いんだけれど、家の都合で、あまりお金をつかえないんだ。できるだけお金のかからないところにしてくれないかな」と言った生徒がいたとのこと。
コラム子は、不景気が子供たちにも影を落としている、とまとめている。

ぼくが驚いたのは、この生徒がこのようなことをはっきり発言したこと。まだ救いがある。この子は生きていける。

あるいは、苦しいとはいってもまだ人に話せる範囲だからなのだろうか。