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「稲盛和夫の実学 経営と会計」を読む。

・すべてのことを原理原則に照らし判断していこう、直面した一つ一つの問題について「そうだ、こうでなければならない」と心から納得できるやり方で道を切り開いていこう、と決心をした。(p.17)

・商売というのは、値段を安くすれば誰でも売れる。それでは経営はできない。お客さまが納得し、喜んで買ってくれる最大限の値段。それよりも低かったらいくらでも注文は取れるが、それ以上高ければ注文が逃げるという、このギリギリの一点で注文を取るようにしなければならない。(p.33)

・........経理部長に対して、「儲かったお金はどこにあるのか」と尋ねたことがある。彼は、「利益は売掛金や在庫、また設備など、さまざまなものに姿を変えているので、簡単明瞭にどこにあると言えるものではない」と答えた。........「配当をするお金がなくて、わざわざ銀行から借りてくるというのでは、儲かったと言えるのだろうか?」と尋ねた。経理部長は、「はい、それでも儲かったと言うのです」と答えた。(p.46)

・お金を貸して取りはぐれたのでは銀行の経営が成り立たないので、雨が降ったら借りた傘は取り上げられるというのは当たり前と考え、どんなときでも自分の力で雨に濡れないようにしておかねばならない。(p.56)

・こんなに高価な機械だが、一分間で一体何個つくっているのだろう。京セラで動いている自作の機械でもこの半分は生産をしている。........何十分の一の値段の機械の生産性が半分あるなら、設備投資の効率から言えば、自作の機械の方が勝っているのではないか(p.82)

・わずか十円の公衆電話だからと、その現金の回収にはとくに注意を払っていない場合がある。........一回に取り扱うお金は微々たるものかもしれないが、それもたまれば大きな金額になる。........このように些細に見えることであっても、お互いにチェックできるよう必ず二人で金額を確認すべきである。(p.118)

常識を頭からは信じない。自分で納得するまで考える。決まったら徹底的に行う。
書けば簡単なことだが、それを実践できる人は極めて少ないのだろう。
だから、京セラがエクセレント・カンパニーになれたわけだ。