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選挙運動について。
_1 先日某県で行われた選挙のあと、ある候補の運動員が公選法違反(金を渡して投票を依頼)容疑で逮捕された。
こういうとき、その運動員の人物評価は、彼が勾留期間の20日間がんばり通せるか、すなわち、他の運動員やもちろん候補者自身に累が及ばないように黙り通せるか(自分のやったことは否定できない状況だったら、それは自分の金で勝手にやったことと言い通す)、で決まるのだそうだ。
がんばり通せば「男があがり」、仮に有罪になっても彼の属する社会で以後堂々と生きていける。反対に、警察・検察の追求に屈して色々しゃべってしまうと、仮に無罪放免になっても、彼の社会では相手にされなくなる。のだそうだ。選挙に詳しい人の話。
一方で、逮捕された運動員の面倒をどれだけ見るかで候補者の人物評価がされる、のだそうだ。これは、別の人の話。
ま、そうかなとは思う。ある種の組織と同じだな。
_2 『エコノミスト』99.1.5によれば、台湾では、選挙の遊説のときにバイアグラを配った候補者がいるそうだ。なるほどねえ。現金より喜ぶ人もいるんだろうな。
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昨日、久しぶりにマリア・カラスの「椿姫」を途中まで聞いた。
1955年5月28日、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団。カラス32歳、CDの解説にある通り、絶頂期だ。
お目当ては、第2幕のヴィオレッタ「神よ、力を与え下さい!」。恋人の父親に説得され、恋を捨てる決心をする場面。
1分ちょっとの短いアリアだがこの劇的昂揚は尋常のものではない。カラスはただただ圧倒的。世紀のでも、比類なきでも、絶世のでも、どんな形容詞を与えてもいい。
オーケストラがまたすごい。弦は唸り打楽器は地響きをたてる。
とても座ってなど聞いておれず、いつも立ち上がって頭と腕を振りながら聞く。
家のオーディオ装置は大したことのないものなのだが、ふだんはさほど気にしていない。でも、椿姫を聞くといつも、お金があったら、ここでのカラスと地響きを聞く、それだけのため買い替えてもいいなと思う。
というわけで、ここまでで十分に満足してしまうものだから、「椿姫」のここから先はあまり聞いたことがない。
ライブ録音なので、アリアが終わるか否かで劇場中が「ブラーヴァ!」「ブラーヴォ!」の嵐。
そのどよめきを聞きながらヴォリュームをしぼり、CDをとめる。
タイムマシンがあったら行ってみたい時・所ベスト10の一つは、1955年5月28日のミラノ・スカラ座だ。
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