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ビデオで"BOUND"を見る。
レズビアンの女(男のわけないか)2人がマフィアの金を奪う話。
絵がやけに決まる。スタイリッシュ。
あのペンキの上のシーンを撮りたくて、この映画を作ったんじゃないか、という気さえする。
たいしていい映画とは思わないが、そこそこ面白かった。
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雑誌『太陽』をもう何年も購読している。
1、2年読んでやめた雑誌が多いなかで、『太陽』はなんとなく続いている。やめようという気には全くならない。特に目的もないのだが。
今なぜこの特集なのかどうもよく分からない、でも読んでみると面白い、そんなことがよくある。
最近では、「天皇の料理番 秋山徳蔵」。フランス料理の大権威なのだが、昭和天皇に揚げたての天ぷら、握りたての寿司を食べさせたくて、60過ぎて天ぷら屋、寿司屋で特訓を受けた、なんて話とか。妻を早くに亡くした際、皇太后(大正天皇の后)から贈られた人形の写真とか(この人形は、ありそうで、まずない。皇室はやはり別世界であることが分かる)。引き付けられる所が多い。
少し前には「白州次郎」の特集もあった。こういうかっこいい男がいたのかと驚いた。話に聞くイギリス貴族と同質の人物、生き方だろうか。(正子さん、亡くなりましたね。彼女の書いたものは少し読んだことがある。なるほど、この組み合わせはすごい、というしかない夫婦。)
このところの連載では、淀川長治の「ぼくの映画百物語」もよかった。テレビの時とは全然違って、聞いたこともないような映画、俳優の話があふれんばかりに出てくる。細部にわたる恐るべき記憶。惜しくも19回で終わってしまった。
お茶、やきもの関連の特集も多く、そういう時は、いやはやどういう金持ちの世界だ、とてもついていけないと思うのだが、それでも写真を眺めるのは楽しい。
3年前のトスカーナの特集の中に、シエナのレストランの紹介がちょこっとあり、ちょうどその方面への旅行を計画していたので寄って見たら実にいい雰囲気の店だった、なんてこともある。
なんだか不思議な雑誌。続いているんだから売れてるのだろうが、どういう読者層を設定しているのだろう。
サライとかのいわゆる熟年向け雑誌とはだいぶ違う。読者年令層はある程度高いのだろうが、35歳の時も楽しめた。
GQとかESQUIREともまた違う。はっきり違うのだが、図書館で分類するとたぶん同じコーナーに並ぶだろう。
BRUTUSも内容で分類すれば同じコーナーかな。これになるとたくさんの情報を駆け抜けるスピード感はあるが、裏返せばじっくり型ではない。(書き手で見れば、軽いライターがだいぶはいっているのだろう。)
出版社の入社試験に「太陽とBRUTUSの特徴を比較せよ」なんてのを出すのもいいかも。
こうして考えると、ぼくが『太陽』になんとなく引かれるのは、「今風」に特別こだわらない、いいものはいつでもいいという姿勢、価値の分かる人にじっくり掘り下げて書かせる編集方針、この辺が要因のようですね。
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