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東急不動産らの「湘南袖ヶ浜レジデンス」に住民反対運動東急不動産らの巨大マンション「湘南袖ヶ浜レジデンス」(ピースピースピースプロジェクト、神奈川県平塚市)に対し、地元住民による反対運動が展開されている。湘南袖ヶ浜レジデンスは旧杏雲堂平塚病院(現ふれあい平塚ホスピタル)の敷地内に建設される。事業主は東京建物株式会社(東京都中央区、畑中誠社長)、東急不動産株式会社、三菱地所株式会社である。旧称は「(仮称)平塚袖ヶ浜計画」であった。旧杏雲堂平塚病院跡地計画とも呼ばれる。設計施工は浅沼組東京本店。ふれあい平塚ホスピタルの敷地内に3棟(333戸)が建設され、このうち東側道路に面するA棟の一部は、地上16階建て高さ49.13メートルとなる予定である。
海へのシンボル軸建設計画地周辺は平塚を代表する街並みが形成されている。計画地の東側道路は、平塚駅から海岸へと伸びる海へのシンボル軸(湘南なぎさプロムナード)で、「湘南ひらつか都市景観基本計画」に基づき景観モデル地区に位置づけられている。南口の顔となるメインストリートである。戦災復興で道路幅が広く、閑静な住宅街が広がる地域である。統一感があり、目に優しくてホッとする町並みである。ゆとりを感じさせる街である。広い歩道、広い空、広い海、明るい幸せな気持ちになれるところである。 計画地周辺図 (「Yahoo!地図情報」より)
住民反対運動突如持ち上がった「巨大マンション」計画に住民はすぐさま反応した。景観を無視し、地域住民をないがしろにする高層計画が住民の怒りを買った。「広々とした空や松林といった市民の貴重な財産である住環境が失われる」と周辺住民は反発する。松の緑と調和する高さの建物、広がる空、この景観を壊してしまう。湘南袖ヶ浜レジデンスの高さは周りの環境とあまりに違い過ぎる。湘南袖ヶ浜レジデンスが建てられたなら、今の街並みは失われてしまう。一度建てられてしまうと、業者による開発の歯止めがなくなる恐れが高い。 巨大マンション建設により、日影の問題も深刻になる。道路を挟んで東側の湘南高浜台ハイツの1号と5号棟、さらに計画地の北側と西側も日影になる。周辺住民のプライバシー被害も甚大である。この計画により、平塚に住む魅力が失われかねない。
袖ヶ浜自治会袖ヶ浜自治会は1月29日、役員会において同計画に反対することを全員一致で決定。2月8日、地元老人会、子供会、花水地区自治会連絡協議会などと連名で、計画の撤回を求める要望書を業者側に送付した。10日には同会の田中三朗会長が平塚市役所を訪れ、マンション業者に対し指導を徹底するよう求める嘆願書を、大蔵律子市長あてに提出した。田中会長「今の計画ではマンション北側の住宅における日照権の侵害は深刻なものになる。また近隣住宅まで3・5メートルしかない場所もあり、周辺住民の精神的な圧迫感は計り知れない。敷地内の松林などが伐採されることは地域にとって大きな損失になる」(「巨大マンション計画に「ノー」」タウンニュース平塚版2005年2月17日号)。
湘南なぎさプロムナードの環境を守る会現在は袖ヶ浜を中心に署名活動が展開されており、こうした動きはマンション予定地と道を挟んで向かい合う場所にある高浜台ハイツ自治会など、近隣地域へも広がった。湘南高浜台ハイツ居住者有志は1月に「湘南なぎさプロムナードの環境を守る会」を結成(菊川一彦会長)、アクションプランを作成し活動を始めた。会は2005年3月3日に周囲の環境にふさわしい計画への変更を平塚市が事業者へ指導するよう求める請願を市議会に提出した。請願には11770人分の署名も添えた。同様の要望書と署名を大蔵市長にも提出。大蔵市長は「皆さんの思いは十分理解しました」と話す(「高層マンション計画「周辺と合う計画に」住民団体が市議会に請願提出」タウンニュース平塚版2005年3月10日号)。 建設地周辺では建設反対の幟旗が掲げる。幟旗は赤字に白字で「緑と空を守ろう」「緑を奪うな」と記述されている。
住民向け説明会高層マンション計画事業者による周辺住民への初の説明会が2005年1月28日に開催された。会場に充てられた平塚商工会議所大ホールは参加者で埋め尽くされた。一方、三菱地所、東急不動産は一人も顔を出さなかった。マンション事業者らは、概要書に沿って説明したが、怒号が飛び交うなど、会場は一時、騒然とした。ある参加者が「我々にできるのは抵抗しかない。工事を妨害するしかない」と呼びかける一幕もあった。事業者らは「市の開発指導要綱に沿って説明している」など法的に何ら問題ないことを繰り返し強調したが、両者の言い分は接点が見出せず、物別れの状態で終わった。説明会は時間切れとなり、次回に持ち越す。 第2回説明会は2月6日に開催された。松本とし子・平塚市議は以下のように述べる。「計画にあたり1月28日と、2月6日の2回地域住民への説明会が開かれました。これで明らかになったことは、事業者側はいかに建蔽率を有効に利用するか、いかに多くの入居者を確保できるか・・つまりはいかに儲かるということしか考えていなかったということでした」(松本とし子「「(仮称)平塚袖が浜計画」とは」活動ファイル2005年2月7日)。金のことしか考えていない。環境についての責任放棄と言える。 第4回説明会は4月24日18時から平塚商工会議所3階で開催される。入場自由。同説明会は、計画変更を求める市民有志の集まり「湘南なぎさプロムナードの環境を守る会」と、「袖が浜自治会」(田中三朗会長)が、過去3回の説明会では不十分として再度の開催を事業者に求めていたもの。 「業者は高層マンション計画を押し通そうとしている。大勢の参加により景観・環境・生活を守る決意を示し、計画の変更を実現させたい」と関係者は話す(「袖ヶ浜高層マンション建設問題=市の指導つづくも高さ見直しに事業者難色=」湘南ジャーナル2005年4月15日)。
株式会社メイズ・プラン事業主は株式会社メイズ・プラン(代表取締役平野直樹、宅建番号[神奈川知事]3-20379、平成14年1月現在)に近隣折衝業務を委託している。事業者は直接住民と向き合わず、住民運動側はメイズ・プランの担当者と折衝することが多い。該社は他でも紛争が起きた分譲マンション建設にかかわっている。事業主は自らが正面に出ない限り、自分の手が汚れてないとでも思っているのだろうか。
平塚市の対応市は「周辺と調和するような建物にしてほしい」とマンション業者に要請しているが、「聞き入れてもらえるかどうか」は不明。市都市政策課でも「周辺の街並みに合ったふさわしいところまで下げてほしい、とお願いしている」「この地域は周りに高い建物がないので、突出するだろう。市の重要な景観地区なので、粘り強くお願いしていく」(「杏雲堂病院跡 高層マンション建設」湘南新聞2005年2月5日号)。3月29日は事業者との間で通算7回目となる景観協議が持たれた。市側は再度、高さ22.5メートル(ガイドラインから導いた景観を損なわない基準値)への計画変更を指導。樹木の保全と生活環境の保持も求めた。 対して事業者側は譲歩案を提示した。主な内容は「(1)高さは16階から15階建てで検討、(2)保存樹を当初計画より増やす、(3)南側の住居専用庭を廃し自主管理緑地にする」等である。住民側からの「焼け石に水」「小手先の変更」との反発は必至で、平塚市は今後も粘り強く指導・要望していく姿勢である。
平塚市議会平塚市議会では3月定例会において、平成17年請願第4号「「(仮称)平塚袖ヶ浜計画」についての請願」及び平成17年請願第5号「「(仮称)平塚袖ヶ浜計画」に伴い損なわれる地域の景観の保存、生活環境の保持を求める請願」が趣旨採択された。請願は景観や松の緑を保ち、当地域の街並みに合った高さへの変更を求めるものである。マンション問題で全会一致で趣旨採択されることは全国的にみても珍しく、この結果は事業者も重く受け止めるべきである。後藤輝彦議員(無所属)より、「(仮称)平塚袖ヶ浜計画」についての質問がなされた(2005年3月8日)。答弁は「この地区は、湘南ひらつか都市景観形成モデル地区の1つである海へのシンボル軸に指定している。良好な松林の中に屋根が見え隠れするようなイメージを形成する地区に該当。クロマツの樹高は20メートルから25メートルと言われており、ガイドラインからの基準値である。大幅制限ということで協議拒否にならぬようねばり強く助言、指導に努める」である。
10階建てへの計画変更を提示大蔵市長は、6月1日と2日に、マンション計画事業者の東京建物と医療法人社団康心会を訪問した。その際、事業者から6階分の住戸を減らす計画変更の提示を受けた。計画変更によりマンションは10階建ての高さ約31mにし、マンション北側に建設予定の病院は高さ32.29mを約31mになる。これは6月3日に市議会会派代表者会議で発表された。過去の住民向け説明会では事業者から「事業採算性から高さ、形状に関してはこれ以上は応じかねる」という発言がなされていた。計画変更の提示により、この事業者発言がいかにいい加減で無根拠なものであるか明らかになった。プロジェクトには含み部分というものがある。市長の訪問で提示された10階31mは最初からシミュレーション済み、折込済みの高さであった可能性が高い。 10階建て31メートルは依然として高層である。低層の緑豊かな住宅地が形づくる景観を壊すことに変わりはない。駅周辺を除き、なぎさプロムナードには5階以上の建物は存在しない。市が指定した景観モデル地区である。2006年告示予定の高度地区指定、2007年6月議決予定の景観条例に反する高さである。この地に5階以上の建物を建てようとするマンション業者は東京建物・三菱地所・東急不動産が初めてである。 計画変更について江口友子市議は以下のようにコメントする。「今後、この事業者側が提示した計画修正をどう捉えるかは、慎重に考えないといけないと、私は思っています。病院の方はほとんど高さを下げてきていませんし、住民からの要望に何も答えていないのです」(「江口友子のまちある記」2005年6月3日)。
袖ヶ浜の価値袖ヶ浜(袖が浜)は明治百年の歴史のある地であり、保存林のクロマツと人間の知恵と労力とで守られてきた市民の自慢の景観の地である。落ち着いた町並みや景観は、建物が低層であることが最も中核的な要素である。超高層の建築物は駅南口エリアにはほとんどない。南口の良さは開放感なのに、メインストリートにドドーンと高層マンションが建てられることになる。建設されたら、空のない、緑のないグロテスクなマンションを見て過ごさなければならなくなる。休日に少し遠くまで浜辺を散歩すると、防砂林の植栽の上ににょっきりと顔を出す湘南袖ヶ浜レジデンスが目障りなものになる。湘南の海からの景観さえ悪くしてしまう計画である。高村智恵子は「東京には空がない」との言葉を残した。一生灰色の世界というものを想像してもらいたい。壁のような圧迫感を和らげて欲しい。空を奪わないで欲しい。手に届きそうなくらい大きな星、静かで暗い夜を奪わないで欲しい。
黒松マンション建設工事により、黒松をはじめとする緑豊かな樹木はすっかり伐採された。陽光に照り映え、天へと真っ直ぐに伸びゆく樹木の群はとても幻想的であった。いつまでも眺めていたいほどの美しさであった。伐採後の風景はあまりに殺伐としている。モデルルームの看板に使ってある松のシルエットが「緑を残して欲しい」とお願いした市民の心をいたぶる。悪趣味としか言いようがない。湘南袖ヶ浜レジデンスの事業主(東京建物、三菱地所、東急不動産)は、旧杏雲堂の敷地内にある桜の木、黒松の木、クスノキ、エノキをばっさばっさ、なぎ倒していった。まるでパレスチナの地で民の歴史が刻まれた地形を根こそぎなぎ倒して世界史から抹消してしまおうとしたイスラエルのブルドーザーのようであった。ウンザリするほど存在するマンションを建てるために袖ヶ浜の歴史を潰していった。 黒松は防風林として機能していた。袖が浜は海岸地帯であり、びっくりするほどの強風が吹き抜ける。それをこれまでは黒松の樹林が受け止めていた。「住民の方々は、木を切られた瞬間から家に当たる風の強さがすごいことを知ったといいます」(松本とし子「あの旧杏雲堂病院跡地が・・・。」活動ファイル2005年5月25日)。
魚つき林黒松の林は「魚つき林」としての役割も果たしている。昔から漁師は「海に魚が多いのは近くの森が豊かだから」ということを知っていた。「森林の魚つき機能としては、(1)土砂の流出を防止して、河川水の汚濁化を防ぐ。(2)清澄な淡水を供給する。(3)栄養物質、餌料を河川・海洋の生物に提供する等がある」(吉武孝「沿岸生態系:森林の魚つき機能」森林総合研究所所報No.22、2003年)。生態系では様々な生命が、考えられる以上に複雑に緻密にかかわり合いつながって、循環している。黒松がなくなることにより魚が来なくなる。生態系のサイクルを絶つ行為になる。漁業組合の方が「魚が寄りつかなくなる」として、湘南袖ヶ浜レジデンスの建設に反対していた。漁業関係者には死活問題であり、マンション建設反対運動の先頭に立っていても不思議でない。
湘南袖ヶ浜レジデンスのビル風2006年7月末入居予定のガーデンヴィラ棟(B棟)がヴェールを脱ぎ、その姿を明らかにしている。信じられないほど醜悪な建物である。タイル貼りが「まるで団地のような安っぽさ」と顰蹙を買っている。メイン通りのプロムナード側からは建設中のホスピタルの影に隠れて見えにくい。病院の存在は想像以上に大きい。マンション入居者にとっても影響は大きい筈である。ガーデンヴィラ棟は道路より一段下がったところに建っている。そのため、通行人から見下ろされる上、暗く、ゴミや雨水が溜まりやすい。 ガーデンヴィラ棟のためにビル風が生じることも明らかになった。マンション西側道路を挟みA棟B棟と向かいの社宅との谷間に生じるビル風は危険を感じさせるものである。建物が建つ前にはこのような風は吹かなかった。マンションと向かい合う社宅ビルを通り過ぎると、ぱたっと風がなくなる。 住宅地や市街地等で、周囲の建物より目立って高い建物や大きい建物が建設されると、その建物に遮られた風は、壁面に沿って上下、左右に流れる。この流れは、周辺の状況などにより、さらに複雑な流れとなり、局所的に強い風や乱れた風が吹くことになる。このような風がビル風と呼ばれる。ビル風の発生状況は建物の形状、配置や周辺の状況によって異なり、比較的低層の建物でもビル風は発生し得る。 より深刻な懸念は、湘南袖ヶ浜レジデンスの内側でどのような風が吹くかという点である。高さ31メートルのマンションの隣に34メートル以上の病院、その後ろに15メートルのマンションが平行に2棟並ぶ。更に、その北側にもC棟マンションが建つ。壁と壁にぶつかって一体どれほど乱れた風が吹くことになるか予測もつかない。 事業者がビル風の詳しいデータを近隣住民に出さなかったことが今になって理解できた。予想もつかないことは「大丈夫」にしてしまい、予期せぬ出来事ととして処理するのに慣れ過ぎている。汚い金儲け優先で近隣に及ぼす災禍は知ったことではないとの態度である。
楽園イメージの虚偽海の近くに住むことには苦労がある。販売パンフレットの謳う「海から五分の生活楽園」に騙されてはならない。南風が強い日は、あたり一面に海の匂いが漂っている。窓ガラスにも潮が付く。台風などの日は潮風ではなく塩水が直接飛んで来る可能性もある。建物は潮風に晒される。自転車や自動車も場所によってはすぐに錆びる。車の車体、ガラスが塩で真っ白・ベトベトになる。早めに洗車しておかなければ車は長く持たない。当然、車の下取りも安くなる。自転車も同じで新規購入するならばステンレス車が良い。エアコンの室外機も故障しやすい。 洗濯物の乾きも悪く、ベトベトする。南風の日、高層部では洗濯物は外に干さない方がいい。布団の日光浴も厳しい。物干し竿はステンレス製でなければ錆びてしまう。それでも、これまでは黒松の林が潮風を緩和していた。しかし、湘南袖ヶ浜レジデンス建設により、黒松の多くは切り倒されてしまった。 楽園イメージによる購入者ばかりでは、数年などの短期間にて、潮風が酷くて嫌になり、売却して次の住人が入る、というような形態となりそうである。その結果、隣人が誰であるか知らない、挨拶もしない、というような住民の出入りの激しい落ち着かない街になってしまう危険が高い。 「およそ全ての人工物は潮風に弱い。クルマはすぐ錆びるし、建物も傷むのが早い。防水の寿命も海から離れたマンションとは比べ物にならない。当然、修繕費もかさむわけで、単なる憧れだけで海のそばにマンションなど買うと、結果的にものすごく高いものになる」(河北義則『3年間、家を買うのはやめなさい!』ダイヤモンド社、1999年、215頁)。
土壌汚染湘南袖ヶ浜レジデンス建設地は湘南海岸のサナトリウム(結核病棟)の一つであった病院跡地であるため、医療廃棄物による土壌汚染も懸念される。購入者にも、かつて何に使われていた土地なのかを調べ、汚染の有無を確かめる慎重さが必要である。将来、辛い思いをしないためにもしっかりとした調査が望まれる。事業者には土壌汚染を隠蔽してマンションを販売した三菱地所と土壌汚染発覚でマンション建設中止に追い込まれた東急不動産が含まれている。得体の知れない怪しいものが出てきたら怖い。死体置き場として使われた箇所もあり、死者の怨念が染み付いているかもしれない。 マンションを建てる際にはまず土を掘る。建設地は100年以上も続いた病院跡地であるから土壌洗浄や試掘調査が欠かせない。静かに眠っていた医療廃棄物(ex.医薬品の小ビン)が土を掘り起こす際に傷つけられて土壌に漏れ出し汚染される可能性がある。 建設中のB棟西側から水が出たとの報告が施行主の現場責任者からなされた。この水を地下水系に吸収させ(リチャージ)、水質検査を行っていると説明した。リチャージすることで怖いのは土壌と地下水の汚染である。近隣には井戸水を生活用水に使っている家がある。生活用水とまではいかなくても、この井戸水をいろいろに活用している家はたくさんある。池のコイやペットの犬、ネコにも与えている。
湘南袖ヶ浜レジデンスの欺瞞湘南袖ヶ浜レジデンスは欺瞞的にも景観・眺望をセールスポイントとしている。地域住民が慣れ親しんできた景観・眺望を奪っておきながら、販売コピーで景観・眺望を売りにするのは被害者感情を逆なでする。事業者は景観をチラシとセールストークにだけ利用して終わりにし、景観を破壊する高層棟を建てて利益を上げようとしている。パンフレットは作り込み、洗練された都会的なイメージを先行させるが、実態を伴っていない。途方もないイメージの改竄作業に汲々としている。湘南袖ヶ浜レジデンスの宣伝チラシは建設地周辺を「低層な住宅地が広がる落ち着いた環境」「大きな空の美しい環境」とアピールする。しかし、湘南袖ヶ浜レジデンス自身が、「低層な住宅地が広がる落ち着いた環境」「大きな空の美しい環境」を破壊する。 宣伝チラシにある「なぎさプロムナード」の写真は、もう永遠に消失してしまった風景である。パンフレットやチラシのイメージ写真に写っている広い空の大部分は湘南袖ヶ浜レジデンス自身や病院兼老人ホームで埋まってしまうのが現実である。ゆるやかな時の流れが心地よい、と感じられる住空間は販売している物件には存在しない。 湘南袖ヶ浜レジデンスは反対運動する人達が「守って下さい」と訴えている景観・環境を頼りに売っている。自分達が創った物ではない物、まして自分たちが破壊している物の中に辛うじて残っている物をマンションのセールスポイントにするのは筋違いである。宣伝文句に謳われている、豊かな環境を形成している既存樹木は、奪われた人々の努力と熱意とによって辛うじて残された樹木である。
ピースピースピースの欺瞞湘南袖ヶ浜レジデンスは計画名をピースピースピースプロジェクトとする。環境を破壊しておいてよくピースと書けたものである。町並みや景観は高層マンションの引き立て役ではない。ブラックユーモアのつもりだろうか。呆れて開いた口がふさがらない。広告チラシ「「正式価格&販売住戸」発表会開催!!」では「資料請求はホームページでも受け付けております。「ピースピースピース」を検索してください」と記述する。「湘南袖ヶ浜レジデンス」で検索して建設反対Webサイトが検索結果に表示されることを回避させるための姑息な手法である。 実際、「ピースピースピース」をgoogleで検索しても、スポンサー広告以外の通常の検索結果では湘南袖ヶ浜レジデンスに無関係なページばかりである。この点からも湘南袖ヶ浜レジデンスの事業主(東京建物、三菱地所、東急不動産)の隠蔽体質を看取できる。消費者が多くの情報から判断することを妨げようとする企業である。
眺望の幻想湘南袖ヶ浜レジデンスは景観・眺望を最大のセールスポイントとするが、それは保障されたものでないことに注意しなければならない。湘南袖ヶ浜レジデンスの日照、眺望は大丈夫だろうか。湘南袖ヶ浜レジデンスの隣にはマンション高層棟より高い病院・老人ホームができる。宣伝広告では見渡す限りグリーンのイメージを謳っているが、高層棟のオーシャンフロントでさえ、駅方向を見渡すともっと高い病院が立ち塞がる。病院の上の三層が有料老人ホームとなる予定である。病院や老人ホームから見下ろされる可能性もある。中庭側にあるガーデンヴィラから見ると最短17メートルの隣棟間隔からは絶えず向かいの廊下を通る人から覗かれるので、落ち着いて生活出来るか疑問である。 老人ホームを嫌悪施設と考える人は少なくない。病院や老人ホームが近くにあると、夜中の救急車の出入りに驚かされることがある。閑静な住宅街であるなら、なおさら音が響いてしまう。病院には小児科はない。他にも儲からない診療科目は消えていく運命にある経営方針の病院である。この病院の建築主の茅ヶ崎にあるメイン病院と同様、老人病院になる可能性がある。
南側空き地を東京建物が購入道路を挟み南側の空地の所有者は湘南袖ヶ浜レジデンス幹事会社の東京建物である。湘南袖ヶ浜レジデンスは南向きをアピールしているが、将来南側にマンションが建ち、セールスポイントである日照・眺望が喪失する可能性がある。その場合、資産価値も激減する。不動産販売にあたり宅建業者には宅建法で説明義務が定められている。重要な内容を購入検討者に伝えない営業担当者がいるならば、良いマンションとは言えない。売買契約の重要事項説明では、「高度地区指定」告示が決まれば、説明義務がある。隣に建つ病院の高さがマンションの高層棟より高くなる。 マンションに向き合う形の南側空地が何になる可能性があるか(販売サイドが全てを把握してるわけではないが、知っていることを隠してはならない)。知っていて何も言わないなら、不誠実な業者である。知らないならば、さらに不動産業者として問題になる。
半地下室マンション湘南袖ヶ浜レジデンスのB棟1階は地元住民からは「半地下室マンション」と呼ばれている。西側道路から見ると、まさに地下である。ここは売れないだろう。じめじめしてるのわかるし、目の前は黒の剣先フェンスにレッドロビン、舗道から見下ろされる。陽光の射す舗道の「明」と、マンション1階の「暗」との対称ぶりが明確である。投入した資金を回収するだけの設計であることが見え見えである。 購入する住民のことなは考えていない。まして周囲の住民の生活を考えていないことは言うまでもない。
購入者の心構え購入者も町並みにあった高さ、建物がバランスよく並び、落ち着いた景観を維持してるマンションということなら、たとえ少々割高でも選ぶ時代である。湘南袖ヶ浜レジデンス高層階居住者が眺望を楽しむ31メートルの高層棟を建ててしまうことは、それ以外の平塚市民にとって大いなる損失になる。安心と愛着のある生活を奪われて暮らさなければならない人々がいることを忘れてはならない。そのようなマンションが購入者に安らぎがもたらすか疑わしい。周辺住民に優しくないマンションが購入者にとって住み心地のよいマンションであるか疑問である。近隣住民の反対を押し切って強制着工する事業者が消費者にとって信頼に足る業者であるか疑問である。信頼できない企業の物件には問題がある可能性が高いと考えることは消費者にとって合理的である。 周囲から歓迎されないマンションは避けたほうがいい。周辺住民との関係をはじめ、建物自体もいろいろ問題が発生しそうな物件である。マンションの価値は、周りの人からどう見られているかで左右される。他人から「いい所に住んでいるね」と言われれば誰しも嬉しいであろう。平塚市内の全員とは言わないまでも、良識派のほとんどが非常識と考えるマンションに大金を払って住むのは馬鹿げている。 マンションを買うならば、近所の人達と気持ちよく関われる場所がいい。非難されてまで住むのは辛いし、肩身もせまい。反対運動の起きたマンションでは近所付き合いも厄介である。平塚は宿場町であり、昔からの有力者も多い。購入する場合は四千万円も五千万円も出すことになるから、周辺を廻って近所の人に声を掛けて確認した方がいい。建設地周辺に建設反対の幟旗が立っていたら、「何が問題か」と訊ねるのが自然である。 フラットで余裕ある造形にすれば、値段が少々高くなってもロケーションがいいため、見る目のある客はいくらでもいる筈である。もったいないと言わざるを得ない。景観を活かさないのは罪深い企業である。景観を破壊して迷惑をかけるだけである。 三菱地所は「安心、安全、快適で魅力あふれるまちづくり」「真に価値ある社会の実現」を謳い、東急不動産は「未来においても住み続けたいと思える住まいをお届けしたい」と謳う。湘南袖ヶ浜レジデンスの計画の有り様を見る限り、どちらも誇大広告、欺瞞、ウソっぱちにしか思えない。
全戸南向きの注意点湘南袖ヶ浜レジデンスは全戸南向きをアピールするが、全ての居室が南向きの恩恵を受けるわけではないことに注意しなければならない。南向きという言葉だけで、採光良好と早合点すると大変なことになる。居住してから後悔することになる。知らない人が損をする構図である。湘南袖ヶ浜レジデンスでは全戸南向きにするために住戸は南北に細長い形になっている。マンション版ウナギの寝床である。南東及び南西の角部屋以外のほとんどの住戸では採光は南側と北側のみである。南北に細長くなっているため、南北よりも東西の方がはるかに長い。ここは壁であり、窓はない。 住戸北側の居室は北側からの採光しか得られない。3LDKならば二部屋が北側になる。南側は壁である。北側は共用外廊下に面することになると推測されるが、その場合、通行人の目が気になり窓を開け放しておくわけにもいかない。しかも窓には面格子が付けられている。「見方によっては居住者が勝手に牢獄の窓から脱出しないようにガードしているようでもある(実際に地震が原因で火災が発生し、窓格子によって逃げ遅れ、焼死した事例がある)」(小菊豊久、マンションは大丈夫か、文藝春秋、2000年、36頁)。 湘南袖ヶ浜レジデンスCONCEPT BOOKは「窓からは湘南の太陽の恵みがたっぷり注ぎ込み、陽光と海を身近に感じられる、健やかな暮らしをお約束します」(7頁)とする。これは南側バルコニーに面した居室には当てはまるかもしれないが、全ての居室で当てはまるとは限らないことを忘れてはならない。
急激な人口増加の問題大規模マンション建設による急激な人口増加が交通渋滞、駅乗降の混雑を誘発し、それに伴う安全面の不安を増幅させる。湘南袖ヶ浜レジデンスは総計画戸数301戸に対し、駐車場100%設置を謳う。もし全ての住戸が駐車場を利用したら、新たに301台の自動車が出入りすることになる。周辺住民にとっては排気ガスによる大気汚染や交通渋滞で迷惑を被る可能性が高い。「マンションでは何をやるにも居住者の合意が必要だから規模が大きくなればなるほど管理運営の舵取りが難しくなる。分譲マンションはデカければいいってものではない」(河北義則『3年間、家を買うのはやめなさい!』ダイヤモンド社、1999年、223頁)。
駐輪場不足の懸念湘南袖ヶ浜レジデンスは総計画戸数301戸に対し、駐輪場200%設置を謳う。自転車は一家に二台ということになる。湘南袖ヶ浜レジデンスではファミリータイプの住戸(2LDK, 3LDK)が中心を占めるが、三人家族や四人家族で一家に二台では足りないことが多い。溢れた自転車はマンション敷地内や敷地周辺に勝手に駐輪されることになる。「敷地内にあふれた放置自転車は、マンション全体の美観を損なうだけではない。放置自転車が歩道を占拠し、子どもが車道を歩くようになってしまい危険でしかたがない」(稲葉なおと『誤解だらけのマンション選び2000-2001年版』講談社、1999年、50頁)。
広告地図に学区外の小学校のみを記載湘南袖ヶ浜レジデンスの年賀広告葉書(「東京建物+東急不動産+三菱地所」)の現地周辺地図には市立港小学校は掲載されている。一方、袖ヶ浜を通学区とする市立花水小学校は全く掲載されていない。湘南袖ヶ浜レジデンスからは港小学校の方がやや近いが、学区は異なる。広告に掲載するならば花水小学校を掲載すべきである。営業担当者が「近くの港小学校に通えます」と説明するほど愚かではないと信じたいが、不用意かつ誤解を招く広告である。この点からしても湘南袖ヶ浜レジデンス担当者の地元理解の程度が看取できる。このような広告を出す業者が提供するマンションが消費者にとって住みやすいものかは大いに疑わしい。
事業者の神頼み湘南袖ヶ浜レジデンス事業者は風水個別相談会(2005年11月3日)を開催する。売り主は占術家にも頼りたいのだろうか。それほど追い込まれているのだろうか。案内葉書持参の来場者への商品券500円分プレゼントも実施している。何が何でも集客したい事業者の焦りが感じられる。逆に言えば購入検討者は慎重に構えた方がいい。海に近いという立地特性からは潮風水相談や風水害相談会の方が購入検討者には切実である。風水相談会では「風水でいい」という名目で高価なオプションも買わせようという魂胆が明白である。イベントのあり方一つでも購入者の生活は考えていない企業体質を改めて確認できる。
販売住戸の少なさ湘南袖ヶ浜レジデンスの第一期販売戸数が100戸程度、第二期販売戸数10戸程度である。たった10戸ということで、等価交換や不動産ファンドの懸念が生じる。非販売住戸が多かったり、販売住戸が少なかったりする分譲マンションは等価交換や不動産ファンドへの纏め売りの可能性がある。等価交換方式の場合、多数の住戸が最初から地主所有に決まっている。不動産ファンドに纏め売りされた場合も、不動産ファンドが多数の住戸のオーナーになる。不動産ファンドへのホールセールは都市型マンションではよく聞く話である。等価交換方式で建てられたマンションも不動産ファンドに纏め売りされた物件も一般の分譲購入者にとってはデメリットが大きい。元地主や不動産ファンドが管理組合議決権の大半を掌握し、民主的な管理組合運営が出来なくなる。また、賃借人が多くなり、住民構成も一般の分譲マンションとは変わってしまう。どちらかといえば避けたい物件になる。一般に等価交換方式はイメージが悪いため、販売業者は説明しようとはしない。 湘南袖ヶ浜レジデンスの場合にも事業主三社がキャッシュで土地を購入したのではなく、たとえば、等価交換方式(土地代を建物の一部で交換する)として元の病院所有の住戸ができるという可能性が考えられる。湘南袖ヶ浜レジデンス建設地は広大であり、三社共同であっても購入代金をキャッシュで支払った上で、高層マンションの建設費や宣伝広告費・販売経費を支出していくのは厳しいだろう。 建設地の売買契約が等価交換的な形でなされた場合、病院が多数の住戸の所有者になるが、病院が賃貸マンション経営を直接行うことには障りがあるかもしれない。その場合、信託銀行に信託して運用してもらうという可能性が考えられる。あるいは病院がメインでファンドを設立するということも考えられる。事業主三社の一社三菱地所が属する三菱グループには三菱UFJ信託銀行が存在する。三菱UFJ信託銀行には不動産販売子会社として三菱UFJ不動産販売がある。
既存不適格建物平塚市では2006年12月に高度地区指定告示、2007年6月には景観条例公布を予定する。建物の高さは22.5mに制限されると見込まれている。湘南袖ヶ浜レジデンスの10階は景観条例違反となる可能性が高い。逆に湘南袖ヶ浜レジデンスのような高層建築を規制できなければ景観条例の意味はないと言える。景観条例に違反すれば、湘南袖ヶ浜レジデンスは完成時には不適格建物になる。資産価値は激減し、将来の建替え時に制約を受ける。建替えをする際は建替え時点の法規制に適合させなくてはならない。既存不適格となれば、当然建替えになった場合には従前の規模での建替えは不可能となる。容積率は今より抑えられてしまい、現状より小さい建物になる。出て行かなければならない世帯も発生しうる。 マンションの建替えは数十年後の話と問題先送りとする向きもあるかもしれないが、予期せぬ大震災等があって、建替えなければならない事態が起こる可能性もある。阪神・淡路大震災の時も、この既存不適格建物の建替えが問題になった。 将来買い換えなどで自宅売却をする際に、次の購入者や抵当権を設定する銀行は再建築できるかどうかを検討する。再建築が困難または不可能な場合は、新しい買い手が付きにくくなる。買い手が見つかってたとしても、新しい買い手に対して、物件的な理由で住宅ローンの融資をしない場合が多い。
景観条例違反の件で問い合わせ景観条例違反の問題について直接問い合わせた方から、内容を伺った。以下にやり取りを記述する。2005年11月10日17時50分頃、湘南袖ヶ浜レジデンスマンションギャラリーに電話(0120-151-225)で問い合わせをした。応対した担当者は坂田と名乗ったという。
「景観条例に違反するというのは本当でしょうか」
イーホームズに建築確認申請湘南袖が浜レジデンスはイーホームズから建築確認申請をした。イーホームズは杜撰な審査で姉歯建築設計事務所による耐震データ偽装構造設計書を承認した民間検査機関である。「湘南袖が浜レジデンスも大丈夫だろうか」と思うのは自然な心理である。購入検討者はもとより、これまで平穏に暮らしてきた近隣住民にとっても、当然の心配事である。少なくとも購入検討者は業者の説明を鵜呑みにするのではなく、平塚市の建築指導課に問い合わせて、不審点や不足がなかったか自主的に確認した方がいい。 平塚市は神奈川県の中央部、相模湾沿いに位置する。昨今、南関東や東海地域を震源とする大地震の発生が懸念されている地域である。もし大地震が現実になれば、甚大な被害は避けられない。姉歯秀次元建築士が構造計算したような耐震強度偽装物件ならば大変である。
湘南袖ヶ浜レジデンスマンションギャラリーに電話(0120-151-225)で問い合わせした人によると、以下のやりとりがあった(2005年11月22日)。販売担当者の「テレビで騒がれておりますので、私どもも現在確認中でございます」との発言は注目に発言する。消費者の安全第一からではなく、マスメディアが騒ぐから確認するという姿勢である。
イーホームズだけを抹消建築現場の看板では「建築確認済証」表の「確認済証交付者」欄からイーホームズの名前が抹消されている(2006年1月22日)。イーホームズの代わりに株式会社国際確認検査センターと表記されている。しかし、交付年月日と建築確認番号は相変わらずイーホームズのものである。建築確認番号は「eHo」で始まる値である。国際確認検査センターで再確認したならば、新しい建築確認番号と日付が入る筈である。イーホームズの名前はまずいということで、とりあえず差し替えたとの安易な姿勢がうかがえる。周辺住民を対象にした構造計算書についてと安全性確認の説明会は一切行われていない。問題事は先送りにし、とにかく早く売ってしまいたいとの事業者の姿勢が見える。
建築業界の手抜き体質構造計算書耐震強度偽造事件後も業界の手抜き体質は何も変わっていない。設計図とは異なる工法で施工される例もある。現場写真を重視するようになったとはいえ、「写真がないからよく似た他の現場をそれらしく撮って」ということもある。「中部地方の建設会社に勤める40代の男性は今年1月、旧知の同業者から連絡を受け、訪れた現場をみてあきれた。「面白いものが見られる」と言われ、倉庫の建設現場を遠巻きに眺めると、その意味が分かった。設計図は、安定性の高いコンクリート杭(くい)を使う「拡大根固め工法」だったが、目の前では、簡素な工法がとられていた」(「(偽りの安全)抜けない?手抜き体質」朝日新聞2006年5月7日)。 「安心求め旧財閥系大手不動産志向」とは言うものの、その旧財閥系大手不動産会社も消費者が価格を重視している以上、見えない値上げ部分に価値を見いだすかどうかは疑問である。三菱地所、東急不動産、東京建物と大手企業の名前を全面に押し出したとしても、価格を抑えている以上、耐震・耐久性等の安全面に金をかけてると盲信する根拠はない。
反対運動への妨害匿名掲示板での殺人予告インターネット掲示板「平塚ちゃんねる」では反対者を脅迫する内容の匿名投稿がなされた(2005年6月18日)。殺人予告と受け取ることもできる。「幹事不動産会社の担当者のお父様が行政や市議会にも強い影響力を持つ某団体のお偉いさんだからねえ。あんまり強く反対すると駅のホームで電車に乗るときに後ろが気になって電車に乗れなくなってしまうといけないから、このへんでやめておいた方が身のためだよ」(適宜、句点を付加した)。
湘南袖ヶ浜レジデンス建設反対運動の幟旗に破壊工作2005年9月28日未明、湘南袖ヶ浜レジデンス建設反対運動の幟旗が何者かに破壊された。破壊されたのは幟旗六本である(「美しい街並み自分たちで守る」湘南ジャーナル2005年11月4日)。ポールは折られ、旗は破かれたり、外して結ばれたりと現場は惨い状態になっていた。10月4日、警察に器物損壊の被害届けを提出することを伝え、10月8日に受理された。警察からは周辺のパトロール強化を伝えられた。反対運動に対する明確な挑戦である。このような陰湿な破壊工作は工作者の意図とは逆に、かえって反対運動を結束させ、より強硬にすることになるだろう。
事業者の勧誘電話湘南袖ヶ浜レジデンスマンションギャラリーから資料請求者に対し、勧誘電話がかけられる(2月3日19時半、2月4日11時)。販売担当者は中野と名乗る。後日、送付資料より東急リバブルの中野博之と判明する。「まだ考えていない」と言っても「今、考えてみませんか」と強引に勧めてきた。早く売り抜けたいという印象を強化させる口ぶりであった。反対運動についての説明は追及すると内容が変わった。最初は「反対運動はおさまりました。平塚市も自治会も認めています」と述べる。しかし、湘南なぎさプロムナードの環境を守る会については言及しなかった。資料請求者が「本当に反対している人はいなくなったのですか」と確認すると、答えが変わった。「近隣の方で反対している人はいます。しかし反対の対象は北側の病院の建物に移っています」。
東急リバブル、裁判相手にもDM送付湘南袖ヶ浜レジデンスマンションギャラリーは不利益事実不告知(消費者契約法4条)で東急不動産を提訴したマンション購入者にも湘南袖ヶ浜レジデンスのDMを送付した(2006年2月6日)。マンション購入者は東急不動産(販売代理:東急リバブル)から新築マンションを購入したが、不利益事実不告知があったとして売買契約取消しを求め提訴した。訴訟はDM送付当時、東京地裁に係属中である。湘南袖ヶ浜レジデンスのDMを送付したは東急リバブルの中野博之(湘南袖ヶ浜レジデンスマンションギャラリー)である。DM資料中には「東京都町丁目別地震液状化による建物倒壊危険度ランキング」が同封されていた。「東陽一丁目は5076町丁目中 ワースト318番目です。お住換えをお勧めします」と記述されてある。 原告は東急リバブルが販売したマンションに居住している。販売時には倒壊の危険性について一言も説明していない。ところが新しいマンションを宣伝する際は居住者の不安を煽り立てる。多くの消費者にとって不動産購入者一生に一度あるかないかの買物である。一体、どのような神経をしているのであろうか。東急リバブルは筋金入りの悪徳不動産営業の巣窟のようである。
販売価格(2006年2月6日現在)
湘南袖ヶ浜レジデンス掲示板投稿
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どうして ここに 16 階
SAVE THE GREEN IN HIRATSUKA 私たちの景観を守ってくれますか!!!
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江口友子のまちある記
平塚市議会議員(無所属)「周辺の住宅を見下ろすかのように立ちそびえる高層マンションは、都市計画と住民の手によって慎重に築きあげてきた環境や景観を一気に壊してしまいます」(2005年1月31日)。5月18日はマンション建設で景観が破壊される状態を示した写真を掲載した。「スカイラインは、みごとに分断されてしまいます」。 建築基準法は最低基準建築基準法は最低基準に過ぎない。「建築基準法には、建築物の敷地、構造、設備および用途についての最低基準が定められている」(井上国博他、わかりやすい建築法規の知識、オーム社、1995年、7頁)。法律に触れなければ何をしても構わない訳ではない。建築基準法を遵守することは当たり前のことであり、それだけでは社会的責任を果たす必要条件になっても十分条件ではない。建築確認を錦の御旗にして、合法的であれば何をしてもいいという商売のやり方は社会的な道義を忘れたものと評価せざるを得ない。 「形式的な法令順守さえしていればいいという消極姿勢が不祥事再発の根本原因」となっている(「三菱グループ大半、総会非公開 閉鎖性が生む硬直化 不祥事防止決意に残る疑念」産経新聞2005年6月30日)。2005年6月以来、社会を大きく揺さぶっているアスベスト問題のように、法令に抵触しているわけではなくとも被害を出すケースは少なくない。法令順守だけでは企業の社会的責任は果たせない。 建築基準法をクリアしていても「住民に与える影響が著しく大きく、受忍限度を超えている」と裁判所が認定し、事業者側に賠償を求めるケースは全国で出始めている。「建築基準法に定める日影規制の違反がなく建築確認を得たときは日照権侵害はないと思いがちだが、建築基準法をクリアーしていても日照権侵害となる場合があるので注意が必要である」(法常格「建設工事と日照権」建設総合サービス事務局、もぎたてレポ、VOL.26、1998年8月26日)。 建築基準法は根本において「国民が安心して安全に暮らせる住まいをつくる」「永住性のある次の世代に渡せるような確かなものを建てる」という理念が欠落している(橋本一郎、サラリーマンでもできるマンション投資・家賃収入で儲ける極意、明日香出版社、2004年、63頁)。
三菱地所トラブル三菱地所、土壌汚染を隠して販売「湘南袖ヶ浜レジデンス」(ピースピースピースプロジェクト)の事業主である三菱地所(東京都千代田区)は、複合施設「大阪アメニティパークOAP」敷地内のマンション「OAPレジデンスタワー」の土壌や地下水から環境基準を超えるセレンやヒ素、カドミウムなどが検出されたとの重要事項を隠してマンションを販売した(粟野仁雄 「不動産業界の王者「三菱地所」が客を騙してマンション販売」財界展望2005年1月号)。OAPの事業主は三菱地所と三菱マテリアル(東京都千代田区)である。販売代理は三菱地所の100%子会社である三菱地所住宅販売(東京、大山智社長)。三菱地所と三菱マテリアルの両社役員らが行った会議で「土壌汚染を公表するべきだ」との意見が出ていたにもかかわらず、「公表すれば資産価値が下落する」などの理由で非公表にしていた。 三菱地所、三菱マテリアル、三菱地所住宅販売は1997年2月から土壌汚染の事実を告げずにマンションを販売していた。既に1997年1月には土壌調査で湧き水から基準を超える重金属が検出されたことを承知していた。2001年1月、皮膚障害の恐れのあるセレンを下水道法の排出基準の160倍、発ガン性のある砒素は基準の6.5倍を検出した。販売開始から5年半後の2002年9月に漸く土壌汚染の事実を公表し、販売を中止した(青山三千子・上原章「土壌汚染被害」イミダス2006、集英社、664頁)。 大阪府警生活経済課は、50代の男性へのマンション販売について宅地建物取引業法違反(告知義務)容疑で、法人としての三菱地所住宅販売を書類送検した(2004年12月16日)。容疑となった違法なマンション販売は、今月21日午前零時に公訴時効(3年)が成立する。同課はこれまで、同社のほか、開発主体の三菱地所、三菱マテリアル両本社を家宅捜索するなどしてきたが、容疑者を特定できなかったため、時効成立回避のため法人だけを書類送検した。今後、2002年の販売分について、同法違反容疑で捜査を続ける。 大阪府警生活経済課は両社上層部が汚染隠しを決めた疑いもあるとみて、今後も関係者の事情聴取などを続け、全容解明を目指す(「三菱地所住販を書類送検へ 重金属土壌汚染隠し事件」共同通信2004年12月14日、「土壌汚染隠しマンション販売、三菱地所住宅販売を送検」読売新聞2004年12月15日)。生活経済課は会議のメモなどを押収し、役員らの汚染に対する認識について解明を進めている。 2001年夏頃、敷地内から基準値を超える有害物質が出ていることが両社幹部に報告された。これを受け、両社役員らが出席した会議は2002年中に数回開かれ、汚染対策が話し合われた。その中では「汚染公表すべきだ」という意見や「公表すれば売れなくなる」といった消極的な意見も出された。 三菱地所の高木茂社長(65)は大阪府警生活経済課の調べに「マテリアル社などと歩調が合わず公表を含めた具体策を打ち出せなかった」などと供述している。同課は両社経営陣が汚染の事実を把握しながら公表を見送った可能性が高いとみている(江畑佳明「OAP土壌汚染:「三菱」2社、役員会で「公表すれば価値下落」−−押収メモで判明」毎日新聞大阪夕刊2005年3月28日)。 木村惠司・三菱地所社長は土壌汚染の可能性について認識があったことを認める。「もともとOAPの土地には、旧三菱金属(現三菱マテリアル)の大阪精錬所がありました。ですから開発の時には当然、何らかの形で土壌汚染のようなことがあるんじゃないかと思っていました」(木村惠司「社会に遅れた土壌汚染対応」日経ビジネス2005年8月1日号132頁)。 「三菱側にとっての落とし穴は、法令に違反しているかどうかに固執するあまり、法令以上の高度な企業倫理を求める社会の要請に応えようとする意識が欠けていたことにある」(「今日の白が明日は黒になる」日経ビジネス2005年8月22日号29頁)。
三菱地所らに宅建業法上の行政処分大阪市北区の大阪アメニティパーク(OAP)の土壌汚染問題で、国土交通省と東京都は三菱マテリアル、大林組、三菱地所など5社に対して宅地建物取引業法による行政処分を下した(国土交通省「宅地建物取引業法第65条第1項及び第2項に基づく監督処分について」2006年6月13日)。処分を受けた5社はOAPのマンションを販売する際、敷地内でヒ素などの重金属による汚染が見つかり、対策工事を行っていたにもかかわらず、これを購入者に説明していなかった(「三菱マテリアルと大林組に業務停止」読売新聞2006年6月14日)。 行政処分を受けたのは、三菱マテリアル、大林組、三菱地所、三菱地所住宅販売、三菱マテリアル不動産。三菱マテリアルには6月20日から2週間、大林組には6月20日から7日間にわたって、土地の売買や仲介など宅地建物取引業に関するすべての業務を停止するように命じた。他の3社には、法令順守のための社内研修や業務管理体制の強化といった措置を講じることを指示した。
日赤医療センター敷地でマンション建設紛争「湘南袖ヶ浜レジデンス」(ピースピースピースプロジェクト)の事業主である三菱地所は東京都でも病院敷地でのマンション建設事業を行い、反対運動に直面している。日本赤十字社医療センター(東京都渋谷区)の敷地内にマンションなどを建設する計画は、都市計画法に基づく開発許可を得ていないなどの違法行為があるとして、隣接地で小、中、高校を運営する学校法人東京女学館が2005年5月9日、東京都を相手取り、東京地裁に提訴した。都に工事中止命令を出すことなどを求める。 訴状によると、日本赤十字社と学校法人日本赤十字学園は、建物の老朽化が進んだことから医療センターの建て替えや特別養護老人ホームの新設などを計画。約7万3000m2の敷地の南側に医療センターなどを集中して建設するとともに、再建整備の財源を確保するため敷地北側に定期借地権を設定して三菱地所と三井不動産に提供した。定期借地権を設定した敷地の面積は約3万m2で、地上6階から19階建ての分譲マンション8棟を建設する工事が2004年から進んでいる。 一連の計画について、日本赤十字社らは都市計画法29条の開発許可は不要であるとの見解に基づいて再建整備計画を進めてきた。道路の廃止、付け替え、新設といった土地の区画形質の変更がないので、都市計画法で定義されている開発行為に該当しないというのが根拠だ。 しかし原告側は、「新たに建設される建物は多数でかつ大規模であり、周辺環境に与える影響が極めて大きい。それを考えると、開発許可が不要という考えはあまりにも形式的で不合理。都市計画法の目的や基本理念を達成できないことは明らか」として、都の開発許可を得ないまま工事を進めるのは違法と訴える。 また、分譲マンションの総戸数は約780戸だが、マンション以外に600床の医療センターや156室の職員宿舎なども計画されており、戸数1000戸以上の計画に必要とされる環境影響評価手続きも必要となるはずだと主張している。 さらに再建整備計画の敷地は建築基準法86条における一団地の認定を都から得ているが、すべての建物を取り壊して従来とまったく異なる空間を形成する計画は、既存建物への追加建物という86条の規定の範囲を超えていると主張。敷地北側は定期借地権を設定して建物管理も三菱地所らに任せることから、一体的な管理ができず一団地の認定は違法とする。 行政が第三者に対して一定の処分をするように求める「義務付け訴訟」は、行政事件訴訟法の改正(2005年4月1日施行)で可能になった。今回の訴訟は、この制度を活用して、許可や認定を行う都に、工事の中止と禁止命令を出すよう求めた(「隣地の学校法人がマンションなどの工事中止を求めて東京都を提訴」日経アーキテクチュア2005年5月16日号46頁)。
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学校法人 東京女学館 『日本赤十字社広尾地区再建整備計画に関する訴訟について』
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