<光の国から来た男>第二回           作:闇の車掌長
>>>>>UH−1緊急発進!>>>>>Uh−1緊急発進!>>>>>ムーンサイトからのコントロールを解除する>>>>オートコントロールシステムは我に従え>>>>>

ムーンサイトのメインコントロールルームは、これまでに経験した事のない、不思議なパワーによって、表面上はあくまで静寂を保ちながらも、その指揮系統の機能を何かに占領されつつあった。


<反物質抵抗エネルギー発動、推進力、発進パワーまで94%..95..97..98..99..100%オーバー!>

事情を知らぬ者にとっては取りたてて何と言う事のない、あえて言うならば、あまり見慣れない機体の発進準備にしか過ぎない。だが、当事者、特に離発着の管制業務に精通する者にとって、それはまぎれもなく異常事態だった。

コントロールルームに居合わせたスタッフ達は、一応にして自分達『人間』の無力を痛烈に感じ取っていた。

原因とは言うまでもない。つい先程ムーンサイトへの避難の際において、サイトからのすべての通信管制を跳ね返して無理矢理、過去から飛来してきた傷だらけの機体・・・・・

登録抹消時の機番<UH−1>通称<ウルトラホーク1号>。
今、その黄泉の国からの使者は来た時と同じ・・・いや、今ではムーンサイトのコンピューターシステムを自己の支配下に納めて発進しようとしている。

>>オールライッ、UH−1 >>>>>でぃすいずオートコントロールシステム>>>>
UH−1にインコンタクト完了>>>>>>ランディングシステム スタート,>>>≫


そう!すでに その機体はコントロールルームからのすべての指示を受け入れないばかりではなく、すべての指揮系統の頂点に立ってしまっていた・・・・・

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
<テレライトパネルON.PC(パワコン)−システムチエック001>

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

>・・・・アピオニクスRPM.(出力メーター)OK


>>・・・・・・・・・・・・・・アピオニクスEGT(排気温度)ON


>>>・・・・・・・・・・・・アピオニクスCSD(回転速度調節機器)ON


>>>>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アピオニクスRAT(補助動力)ON
・・・・・・・・・・・・アピオニクス(航空電子系統)トータルチェックON

・・・・BIT(ビルドインテスト自動故障チェック機能)OK


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
<テレライトパネルON.PC(パワコン)−システムチエック002>>>

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

>>>>α・β・γオンラインシステムチェック>>>>α号に一元化>>>>>

≪>>>>System、フルコンタクト.Now!テイク、OK!>>>>≫

≪>System オールグリーン>>>>>Systemオールグリーン>≫

≪>>>No.4コロニーサイト、リフティングゲイト、リアルオープン>>>≫

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>>>コレヨリ<UH−1>発進・・・さいとすたっふハ「りふてぃんぐろーど」カラ退避セヨ。>>>>コレヨリ<UH−1>発進・・・・>>>

VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV

≪>>>UH−1.タキシング アプローチ ・HUDモニター、チェック>>>>≫
(HUD・・・ヘッドアップディスプレイ)


<ディスイズ UH−1 ランディング アプローチスタート・・・ブロックタイム0−0−0−03&03−0>
(ブロックタイム=出撃時、及び戦闘時において一時的に通信が遮断される時間)

≪>>>UH−1.ランディングGO!>>>>≫

<オールライト、サンキューでばちゅあ こんとろーる!ディスイズUH−1。タキシングGO!ういぁASAPタキシング・・・・ディスイズUH−1>>

Kin.KinkinnnnnnCocowaouuuuuuUUUUUuuunnnn,,,,,


震撼・・畏怖・・・・恐怖・・・まさに神秘的
その機体が{ステーションV333}への救助支援の為、自らの意志で飛翔を開始した瞬間、ムーンサイトのすべての航行管制機器は、誰の命令も受けていないのにもかかわらず<UH−1>発進の為にのみ、最優先のプログラムインストールを完璧に発動していた。しかも皮肉な事にムーンサイト設立以来、初めての最短スピードで・・・・・

飛来した時には喧騒がそれを覆い隠し、スタッフの大半が見落としていた不思議な現象があった。だが、、、今、覆い隠すべき喧騒に代わり、逆に衆人の好奇に満ちた注視があった。

手の空いているすべてのスタッフの見守る中で、その機体は音もなく、まさに音も衝撃もなく、さながら黄泉の国からの使者の様に、静かに、だが信じられない程の速度でステーションV333に向かって、飛び立っていく。

機体各所から後方に向いて、推進力を噴出する筈のジェットノズルからは、ジェットの咆哮どころか線香一本ほどの白煙すら見えない。それ以前に、スタッフ達の理解をはるかに超越していたのは、この真空の宇宙空間では燃焼エネルギーによるジェット推進など、ゴム紐で飛ばす紙飛行機に等しい無意味な動力である。だが現実に<UH−1>は、ここに来た!そして又、飛翔していったのだ。

Kin.KinkinnnnnnCocowaouuuuuuUUUUUuuunnnn,,


ポッカリと開いたゲイトの向こうには凹凸のある銀盤のような月面上を覆い尽くす濃紺のビロードに、それを覆うような宝石をぶちまけたような宇宙(そら)だけがあった。

UH−1がゲートから発信した一瞬、同乗した医療研修中の女性スタッフは、その星々にぶち当たるような錯覚を起こし思わず両目を閉じた事を周囲に目撃されなかった事を神に感謝していた。

神?・・・それがまだ存在していてくれたならの話なのだが・・・


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ムーンサイトから発信したUH−1の機内では、解放を味わう間もなく計器とインディケーターのチェックを行なう2人と、それをなす術もなく見守る2人と言う二つのグループに自然に分かれていた。

<サイノ班長?ステーションV333>TOT(到達時間)まで17133秒・推力を通信光力に変換します。出精出力は「7」でよろしいですか?>

<キリヤマ隊員 出精出力「7」では遅い!最大戦速「10」に再調整だ。>

<「10」!...サイノ班長、「10」で良いんですか?そんな事をしたら・・・・>

<かまわない、サラ。計算では、維持装置は1人分ならば充分に余裕がある筈だ。霧山准尉、しっかり腰掛けていて下さい。貴方が初めて体験する移動方式でしょうから。ドクターも!>

{わ、わかった、その前にステーションV333にコンタクトして置きたいんだが。}

<そうですね、彼らの眼の前に、突然この<UH−1>が現れてもパニックになるでしょうからね。サラ!送信してくれ。>

チチチチ、、

乾いたノイズ音の後、通新装置の赤とオレンジのランプが明滅を開始した。すぐに超小型の冷却ファンが虫の羽音のような軽いうなりをあげ、ブロックタイムが終了した事を知らせた。

<ステーションV333!こちら・・・こちら、、、、、ユキオ?こちらのコードネームは?そして、、、なんて説明を?>

何時の間にか、「サイノ班長」から呼び方が「ユキオ」に変ったのも霧山明実一等准尉は気にも留めていなかった。異常としか言う事の出来ない長期間、こんな狭い空間の中で歳若き男女が2人きりだったのだ。それを不謹慎と咎める資格などは、誰にもない。
霧山明実一等准尉は、運命のイタズラで、再会した自分の祖母(しかも自分の娘よりも年下の・・・・)にジョークを交えて言った。

{グランママ、私が出ましょう。孫の仕事場をよく見てて下さいよ。さっレシーバーを貸して下さい!}

{ステーションV333!・・・ステーションV333!こちらムーンサイトの霧山だ。『掘っ建て小屋!』のステーションV333!聞こえるか?どうぞ!}

<<...こちらザザザッ、こちらステーションV333、霧山、良く聞こえるぞ、ザザヂヂッなんだ、ドライブにでも来たのか?ザザッ、、どうぞ>>

{強がる元気があってホッとしたぞ。我らは現在『試験運用中の新鋭機』でステーションV333に、お節介に向かっている。識別コードUH−2000に設定。どうぞ!}

<<ステーションV333、了解、識別コードUH−2000に設定した。貴様のお節介に感・・・・ブッ>>

<変よ?通信が一方的にきれたわ。ユキオ!急いで!>

<わかった!最大戦速「10」! 霧山准尉、詳しいご説明はこの移動中に感じる事が出来ると思います。何があっても、どうか落ち着いて下さい。加速します!>

{感じる?}

キリヤマがその言葉の意味に悩む暇は時の彼方に流れ去って行った。

GUOUuaUNnnnQrrrRUwwwwnnnnnnn,,,,,

全身がバラバラ、、、いや粉々になると言った方が適切だろうか、まさに爪先から、そして頭の先から薄紙一枚ほどの薄さでスライスされ、さらにフリーズドライされていくような感覚、、、痛みではない痛み、、、だが<それも一瞬にして過去に置き去りになると、今度は入れ替わりにおびただしい意識がキリヤマの頭の中に流れ込んできた。

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・・・・・・辞令を交付する!・・・・彩野行雄、貴官を<国際連合>平和維持部隊派遣隊、UG極東航空団:・・・・・・第一中隊・第二飛行小隊の隊長に任命する・・・・・・・・・

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痛みと入れ替わりに脳内に進入してくる・・・・それは・・・・・・・・未体験の記憶????経験の記憶・・・それは1人の人間だけのものではない・・・
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・・・・・・サラ・キリヤマ・・・・・・・UG.Japan2等航空士研修生徒、サラ・霧山。研修配属地・・・・・・・<国際連合>平和維持部隊派遣隊:・・・・・UG極東航空団・・・・・・・


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・・・・西暦※※※※年、12月17日、日本時間19:07、・・・・・・研修フライト中、北大西洋上200海里上の公海上を飛行中、・・・・・・スペル星人の宇宙船に接触・・・・・


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{あぐおうおぉぉぉぉぉ、ぎゃあぁぁぁぁぁ}

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次々に霧山明実一等准尉の精神に流れ込んでくるおびただしい経験の記憶・・・・なかでもスペル星人の宇宙船との激突の記憶・・・それは同時に、鋭敏な五感を持つ健常者にとって発狂しそうなほどの激痛の記憶でもあった。
それが通過していくと、次には霧山の全身に、不思議な感触が襲った。
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・・・・・・・放射特性のある・・・・・・・電子素粒子の影響を受けて、・・・・・・個体構成細胞はすべて原子化・・・・・直後・・・・光電子生命体による原子操作・・・・・により「原姿」融合の特性を持って・・・・・・機体・人員ともに一体融合・・・・・機体・・・・・・人員・・・・・・・ともに・・・・・・・一体融合・・・・・


・・・・・・・機体・人員ともに一体融合・・・・・


・・・・・・・・・・・・・機体・人員ともに一体融合・・・・・


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・・・・・・ユキオ・サイノ・・・・生命反応・・・・一時的消去・・・・・光電子生命により蘇生・・・・・・・サラ・キリヤマ・・・・・・機体・・・・・との原子融合の後・・・・・個体原子結成・・・・・・・


・・・・・・サラ・キリヤマ・・・・生命反応・・・・一時的消去・・・・・光電子生命により蘇生・・・・・・・・ユキオ・キリヤマ・・・・・・機体との原子融合の後・・・・・個体原子結成・・・・

・・・・・・UH−1飛行体・・・・個体反応・・・・一時的消去・・・・・光電子生命により蘇生・・・・・・・サラ・キリヤマ・・・・・ユキオ・サイノ・・・との原子融合の後・・・・・個体原子結成・・・・


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光電子生命体・・・・・発進星雲・・・・・コード・・・・・M−78・・・・・「※※※※観測員3240号」・・・・・レッドファイター・・・・・


太陽系星座内での変質後、生体呼称・・・・・・サラ・キリヤマ・・・・・・・・・・・・・・ユキオ・サイノ・・・・・と融合合体・・・・・・・無機質個体UH−1・・・・・と電子的融合・・・・合体・・・・

?????????????・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・現在、悪質電子生命体「ウィルバグ」を追って、・・・・太陽系惑星エリアに到達・・・・・「ウィルバク」による第3惑星周辺の汚染度・・・・・・37%・・・・・最新コンピューターとの接続によって制御される・・・・・・・すべての機器に進入・・・・・誤作動させた上で、指揮系統に進入、指揮系統の占拠、、、、

ただし「ウィルバグ」の発生には、次の外部要因によっ・・・・・・

XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX

<「ステーションV333」TOTポイントまで4秒3、、2、、1、、、到達、、、、>

彼らを、幻惑の迷宮から一気に現実へと呼び戻したのは、レシーバーから飛び込んでくる無機質なコンピューターの音声だった。

{う、ううううん、なんて事だ、、、実体のない怪獣だって言うのか、俺達が戦わなくてはならない奴は・・・・・}

{それじゃ、さっきまでの、レーダーに投影されたあの戦闘も、意識的な誤作動に、、、、あの、、、、}

<その通りです。すでにS.S.Rのコントロールシステムに使用されているコンピューターは、ほぼ60%は汚染されていると考えて下さい。その点、この機体に使用されているコンピューターは、現在の物とはまったくシステムが異なりますので。>

{そうか!それでムーンサイトからの誘導電波が・・・・}

<ユキオ!見て!>

サラの叫び声にアルファー号の正面キャノピーの防護ガラスのHUDに写し出されたステーションV333とその周辺宙域を覗き込んだクルーは、傍受した彼らの通信内容と合せ聞きながら、愕然としていた。


nnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn

{リーダー、こちらストライクホーク02、スターズTACANサイトより0−1−07方向、ALICE19ベース・プラス4に敵ステーションを補足した。攻撃許可を!}

{ストライクホーク02、こちらリーダー01、こちらのHUDレーダーで、貴機を補足、追尾している。貴機の周囲に2機の僚機あり。波導アスロックは使用を禁止する。}

{こちらストライクホーク03、電信柱(ミサイル)でやれっていうのか?どうぞ}

{スカウトホークより、全機へ。所属不明のステーションはミサイルベイのオープンが確認された。すでに攻撃態勢に入った模様。注意してくれ!どうぞー}

{こちらストライクリーダー、了解した。全ストライクイーグル、火器管制のセーフティロック解除を許可する。}


nnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn

<いかん、この分じゃBAR CAP(空中防衛戦闘哨戒)の管制機器も汚染されてるぞ。このままでは同士討ちになっちまう。サラ!管制送信標準値をチェックだ。照準誤差、0,03ミル以内で照射。>

<了解しました。標準値チェック、0,03ミル以内で照射します。>

<霧山さん、ステーションV333に対してコンタクトをお願いします。>

{わかった、ステーションV333!ステーションV333!!こちら霧山だ。応答せよ!ステーションV333!!!}

<・・・?こちらステーションV333・・・UH−2000を傍受した霧山か?本当に、霧山明実一等准尉か?生きているんだな?>

{そうだ!俺だ。仮にもステーションV333のリーダーが、なにを素っ頓狂な声を出している?第一、生きてるのか、とはなんだ。待っていろ、今すぐにその『掘っ建て小屋』を蹴っ飛ばしてやるからな。}

<すまんUH−2000、こちらのクリスタルレーダーでは、UH−2000撃墜された旨、シグナルが発光したんだ。>

{解った。時間がない。いいか!どんな事があっても、これからこちらの指示に従ってくれ。よく聞いてくれよ。まず、現在作動中の火器管制システムを含めたコンピューターシステムをホストコンピューターから切り離す。0,1秒で充分だ。ラインカットしてくれ。}

<なんだって?気でも狂ったのか?こちらは、現在、複数の所属不明機から攻撃されているんだぞ。UH−2000、そんな指示に従えると・・・・第一、そんな指示を出すそちらが敵でないと言う証拠は・・・・>

{ 疑うなら、個別シェルのウインドを開けて宇宙空間をその眼で直接見てみろ。今、ステーションV333の周囲にいるのは燃料切れ寸前のうちの「悪ガキ」どもだけだって事を、その眼で良く見てみるんだ。良いか!ディスプレイのコンピューターはすでに汚染されている。すべての戦闘はウイルスによるバグなんだ。}

{各ホークも良く聞くんだ!俺の声が聞こえていたなら応答してくれ。キャノピーのUVスクリーンシールドを解除しろ。次にHUDも解除して、自分の眼で確かめるんだ。貴様ら、同士討ちがしたいのか!}


{・・・・・・・・・・・}

{、、、、、、、、、、、、}

{。。。。。。。。。。。。。。。。}

{−−−−−−−−}

<しかし、貴官が、、、その、、、本当に・・・・>

{しゃらくさい!おい!ステーションリーダー!貴様、奥さんのあいこ。さんにプロポーズした時の事、忘れたのか?え?あれは、まだおれ達が1等航宙士研修中だったよな。たしか研修所の3階のラウンジで、『君の笑顔は白鳥座のようだ。一生、俺専属のナースになってくれ』・・・とかなんとか、、あのセリフを考えて何日、徹夜に付き合ってやったんだったかな?}

<わ、わかった!俺が悪かったぁ。間違いない!キリヤマ、貴様は「糞ったれ」研修生の!>

{そうだ!航宙第3期研修生の「糞ったれ」研修生、霧山だ!そして貴様は[航宙第3期生]の「爆弾:研修生」違うか?}

<了解した。それを聞いて安心した。ステーションV333は、これより現在作動中の火器管制システムを含めたコンピューターシステムをホストコンピューターから切り離す。>

<カットタイム0,1秒。ラインカット秒読み開始!>

{アクセス連動まで、10,,9,,,8,,,}

<ホークも連動準備に入ります,,,10,,,9,,,8,,,>

<10...9...8...>

{......7}
<..6...5...>
{...4...3}
<..2...1...>

<ラインカット>>>>>ON>>>>>>

>>>>ラインカット確認・・・・BAR CAP(空中防衛戦闘哨戒)・・・・・及び管制送信システム調整ワクチン波、照準誤差、0,03ミル以内。>

<標準値チェック、0,03ミル以内でワクチン照射完了。>

{ラインカット解除}

{こちら、スカウトホーク、こちら、スカウトホーク、現在HUDモニターを解除。肉眼視覚による周囲の状況を報告します。ステーションV333を中心とした周辺には、我々以外に機影を確認は出来ません。くりかえします周囲に敵影なし!}

{よし、燃料の残りが少ない機体から『巣』に戻れ。ステーションアプローチ、こちらムーンサイト航宙隊、IFF(敵味方識別機器)チャンネルをロックした時点で、至急着陸許可を!うちの腕白坊主どもは腹ペコなんだ。}

<了解、ムーンサイト航宙隊、諸君の訪問を歓迎する。SIF(選択識別機器)スコーク(機体別識別番号)は0−0−1から0−0−5、およびUH−1ミニマムフェル限界の機体からGCAシグナル(着陸誘導管制)にくっ付いて、飛び込んでこい。うまい飯を用意してあるぞ。>

{ステーションリーダーへ、こちら0−0−4スカウトホーク、進入位置7−3−4より減速してグライドパスへの進入を開始する。}

<了解した、0−0−4。貴機の軸線は進入路のやや右にグライドスロープに寄っている出力を82%までダウンし、5−4−3に修正せよ。誘導指示は復唱の必要なし。>

{了解<感謝する、グライドスロープの直線より進入する。降下速度調整、、、アプローチイン}

<0−0−4、ステーションベイまで1.2宇宙キロ。コントロールは0−0−4の姿をホールドしている。上手いぞ、そのままだ。>

おびただしい数の星を脇役にして、たのもしそうに輝くステーションV333の姿がレーダーではなく肉眼でも、ただの粒から、すぐに次第に陰影を輪郭を帯びたカタチに変化していく。
ポツンと黒い点のように見えていたそれが、自分を受け入れてくれる為に解放されたゲイトだと知った時には、機体はすでにハンガーへのエスコートラインに飛び込んでいた。

滑走路までの距離をなんなく慣性飛行で通過すると、進入灯が・・・・進入角表示ランプが・・・次々と、後ろへと飛び去った。軽い衝撃とともに、滑走路にあたらしいタイヤ跡が刻まれて、スカウトホークは完璧な三点姿勢で無事、ステーションV333の居候になっていた。


続いて飛び込んで来る、獰猛な鷲にも似た3機のストライクホーク。そして彼らの、けして下手ではない操縦技術が まるで幼児の遊びにしか見えなくなってしまうような見事な着陸を見せたのは、搭乗員「ユキオ・サイノ1等航空士」ならびに「サラ・キリヤマ2等研修生」の駆るUH−1だった。

それは発進した時と同様、ステーションV333からのいかなるアドバイスコールも跳ね返しながら悠々と、だが、どこかに暗い影を帯びた怪鳥の無音の着陸行動であった。

霧山明実一等准尉のとっさの機転で『試験運用中の新鋭機』、識別コードUH−2000との、嘘の報告を聞いていなかったなら、それは黄泉の世界から飛来した怪鳥の亡霊にしか見えなかったかもしれない・・・・・・

各ホークのパイロットをねぎらいながら、ステーションV333の司令官室に消えた霧山明実一等准尉は休息する間も惜しんでこれまでのいきさつを説明し始めていた。
霧山明実一等准尉と、怪鳥の乗組員達からの説明に、ステーションV333の司令官は、一瞬は躊躇したものの、現実に起きた創造も出来ない「電子怪獣」の出現を体験していた為か、すぐに姿勢を改め事体は一刻の猶予もない事を把握した。すでに地球上でも、この「電子怪獣」の被害が発生している可能性は否定できないのだから。数時間の協議の後、S.S.R国際本部との連絡を行ない、臨時会議が召集された。


つづく、、、





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