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失われた楽園 Silky's adventure B:B:C:B
silky'sはゲーム作りが実に手慣れれててうまい.
そこそこ手の込んだシナリオを丁寧に仕上げた絵で見せる.
ただ安定してるせいか,極端に面白いというものは少ないようだ.

生態調査に行く船にバイトとして乗っていたのだが,船が難破したうえで, 目的の島に流れ着く.そこにはよくわからない生き物がうぞうぞ. さて主人公たちの運命はっていう話.
かなり陳腐なオチだし,sex描写が少ない&薄いんで, ちょっと食い足りない.
(見た目)無人島ならではのイベントとかがもっと欲しかったところだ.

なおsilky'sお得意のマルチエンドなせいで,難度はかなり高い.
エンディング総数15個中まともなのは3個ほどではなかったか.


禁断の血族 C's ware adventure C:A:C:B
きわめて正当な館ものだ.
住んでる人間はギスギスしてゆがんでるし,最後はもちろん炎上する.
. ひたすらやりまくれ,なシナリオのため,特にコメントする必要は無し.
描写をもっと粘着的にするとよかったと思うが,主人公の性格があれでは無理か.

なお,一応これにも剣乃さんが関わっていたという話も聞くがはっきりしたことは わからない.


なる麻雀 リビドー table -:A:C:C
麻雀ゲーは数あれど,エロゲできちんと遊べる4人打ちのものは これぐらいしか知らない.
インチキもしないから,いきなり天和などというふざけたこともない.
操作性も悪くなく,気楽に遊べるいいゲームである.
むろんLibido7シリーズの妖しい連中が相手なのだが.

teen custom adventure C:A:B:C
徹底したおかず仕様.全編やりっぱなしと半端ではない.
属性はズーレでエンドレスで汁というところだろうか.
custumには柳ひろひこさんの癖の強い絵や,すごく分かりやすい音楽など いろいろといいたいこともあるが,とりあえず今回は流しておく.

時折分岐のようなものもあるが,さして意味はない.
セーブ機能もないが,好きな場面から始められるんで,全く問題ない. この場面名がまた笑えるのだが.


この世の果てで恋を唄う少女YU-NO, SP disk elf adventure S:S:S:S
俺はこのゲームの構造を理解した瞬間,鳥肌が立った.
マルチエンドのストーリーならツリー構造になるのは当たり前だが, これを任意の時空間に移動できるパラレルワールドとし, さらに,それこそを話の一番大きなギミックとして働かせている.
ここまでシステムとストーリーを融合させきったものなどかつてなかったのだ.

YU-NOをデザインしたのは剣乃ゆきひろさん(現,菅野ひろゆきさん).
C's wareの人だったがElfに引き抜かれ,この一作のみ残して, 独立されている.
で,この方,どこかで読んだのだが,もともとゲームをコンピュータ上で やる必然性のあるものとしてデザインしようとしていたらしい.
もちろんそのこと自体は,前進しようという気概のあるゲームデザイナなら誰でも 考えると思うがしかし,非アクション系のゲームシステムでそれを 実現することはかなり難しいのだ.
のところでも書いたが, 普通のアドベンチャーがゲームとしては完全に形骸化してしまい, 単なる小説に過ぎなくなっているのは,そういう理由でもある.
RPGにしても,突き詰めれば,あらかじめ書かれたストーリーをなぞるだけのもの がほとんどだ.
例外はシミュレーションぐらい.
剣乃さんが今まで作ってきたものをみると,そのことをどうにかするため だいぶ前からいろいろ試していたことがわかる.

視点を複数用意することにより,話を多方向からみるというDesireの作りは, 実質的にこの考え方で生み出した最初のものだろう.
ただ,こういう構造には前例がある.
私の知っているかぎり,小説ではあるが,高千穂遙氏の"ダーティペアの大乱戦"と "クラッシャージョー・ドルロイの嵐"がそれだ.
もっともこちらは個々の話できっちりとけりが付いているわけで, 両方読まなければ話が見えないというレベルでない.

Eveではさらに一段練り込まれている.
二人の主人公の視点でプレイするというところは同じだが, それを同時に進め,時にサイレントパートナーとして協力し合わないと いけないというシステムは,もう他のメディアではどうにもならない.
この時点でコンピュータでしか表現できないものになったといえる.

YU-NOに到っては,発散するストーリーによって謎が解けていく構造はもちろん, 宝玉の存在がコンピュータの積極活用を要求しているため, より依存度が高まっている.
特に,この宝玉というものをシナリオの必然で導入してることがすばらしい (考えた順番は逆だろうが).

むろんよくできているのはシステム的な部分だけではない.
平行宇宙の中にちらちらと見え隠れする親父の影を追いかけるシナリオも, さすがに大手だなと思わせるきっちり細部まで描き込まれた絵も, やっぱりC'sから移籍された梅田竜さん(現?島田竜さん)の透明感ある音楽も, どれを取ってみても,およそ98で考えうるかぎり完成されたものだ.
こういうゲームとしては珍しくオープニングもちゃんと作ってある.
だいたい,タイムパラドクスをまともにあつかえているものなど,小説以外では 初めてみたような気がするな.

あと,これだけ凝ったシステムとシナリオを使っておきながら,破綻した部分が 見あたらず,きっちりまとめあげているその手腕はちょっとすごいものがある.
規模が巨大になればなるほどそれを使いこなすのは難しく,ともすればシステムに 引きずられかねないのに,まるでそれを感じさせない.

多少不満があるとすれば,いわゆる異世界編におけるものぐらいだ.
ルートが一本になるのはともかく,インタフェイスがメニュ形式になるのは ちょっといただけない
それと,向こうの世界での濡れ場はセーレスがらみのものだけで十分で, あとは蛇足だ.
俺としては,この2点が惜しかったな.

ゲームを進める上での指針をちょっと.
ある時系列で詰まってしまったら,とりあえずあきらめ,別のルートへ行くこと.
その場で必要なアイテムが別の時空間でしかとれない場合が多い.

余談になるが,俺の初回100%達成時間は35時間程度. 長くても40時間程度らしい.
それぐらいを目安にするといいだろう.
あと2ndプレイ用に,チャートを置いておく.
ネタバレどころかほぼ総てのことが書いてあるため,クリアしてない場合は 見ないこと.面白くなくなる.
ついでにその補足.


Leaf adventure S:S:S:S
あちこちで見かけるし,こういうところに来ておいてやってないということも なかろうが,それでも置く.
語りたいことが多すぎるのだ.

言うまでもないことだが,雫は筋肉少女帯のvocalist 大槻ケンジ氏の小説'新興宗教オモイデ教'のリトールド(焼き直し)である.
内側にこもるコンプレックスと他者の自分に対する関心の薄さへのいらだちで 他人への深刻な嫌悪を持つ少年と,心を壊してしまった少女との話は ねじれて痛く,どこか甘い.
こういう感覚を一度でも感じたことのある人達には自虐的に惹かれてしまう.
むろん逆に言うと,常にポジティブでこんな考え方したこともないような人には キチガイばかり出てくる気持ちの悪くなるようなものでしかないだろうが.

ただこの小説,惜しむらくは全体を通しての構成がうまく取れていなかった.
どうも最初に書き始めたときとは違う形で話を進めてしまったらしい.
それをきっちりとまとめたのだが雫だと思う.

むろんそれだけで終わっているわけではない.こちらの方にしかない要素もある.
一番大きいと思うわれるのが,快活明朗な沙織がルーティンワークな日常に祐介と 同じような感情を持っていたこと.
考えてもみなかったことを突きつけられるのは,ちょっと気持ちいい.

ゲームとしては,サウンドノベルとかヴィジュアルノベルと呼ぶ形式を取っている.
俺はコンシューマのことは全く興味がなかったため,直接の元となったであろう 'かまいたちの夜'のことはよくしらない.
しかしこれは,アドベンチャーゲームとして最も完成された形なのではないかと 思う.

現在ADVというジャンルは,ほとんどのものが一本道のストーリーで 選択肢がその意味をなしていない.
何を選んだところでたどり着くところが同じだからだ.
一見ゲームっぽく見せるためだけの要素など無駄だし,話に絡む分岐点のみに 選択肢を置くことで本質のみが残り,話をクリアに楽しめる.
これがプレイヤーが参加できる小説たるアドベンチャーゲームというものに 求められるものじゃないだろうか (今後別の形を取るかもしれないが,これが消えることはあるまい).

またADVは,絵が情景描写の助けでしかなく,文章こそが主体なのだ ということを強く思い出させる.
むろん俺自身が活字中毒で,テキストアドベンチャーがベストだと思ってる せいだということもあるが,深みを出すのに文字以上のものはあるまい.
そういう意味ではアリスソフトの'Dr.Stop'も近いものがあったが.
雫のシナリオは,起点から,誰をパートナーにするかで話が別の方向へと発散する.
分岐してしまえば,それぞれに関連はない.
痕が一本のストーリーにからみつくように展開していくのにくらべると この形をまだ使いこなしきってないなという感じはする.
あちらは謎がじわりとほどけていくさまを楽しむためにああいう形になっている のだろう.
雫では,単に連れていける女の子を増やすため以上の意味はないかもしれない.

ゲームを進める上で重要なポイントは2カ所.
おじさんから話を聞いた後に瑠璃子さんと指切りをすることと夕方に 体育館を調べること.
あとはくまなく選択肢をチェックすることだ.


プロスチューデントG Alice Soft adventure A:A:C:B
aliceのゲームにはどこか笑える要素というのがあるものがほとんどだが, これと'ファニーBee'はただ笑ってもらうことを目的としてるようだ.
特に後半,野郎二人のむさい展開がなんともいい.
シナリオライターが煩悩を爆発させたなという感じだ(たしか女性だったはず).

オリジナルは西遊記. ほとんど原形をとどめてないが,対比しながら遊ぶのも楽しい.
シナリオの規模もちょうどよく,うまいなと感じる良品だ.


ぷよぷよ Compile action -:A:B:B
強力に有名なアクションパズルだ. 細かいルールなど必要なかろう.
このジャンルに対戦要素を入れたことが画期的であった.

実のところ,ぷよはかなり苦手なゲームだ.
もともと頭の回転の遅さと反射神経の鈍い俺にアクションパズルは 荷が重すぎるようだ.
そのうえ,それをカバーするほどもやり込んでるわけでもない.
ただこのゲームは曲が好きなのだ.
'Sticker of〜'なんて,のほほんとしたこの世界に似合わないほど 気持ちいい.


Jack -背徳の女神- Silky's adventure B:B:D:C
ここまでストレートにハードボイルドな話はひさびさだ.
主人公は軍人崩れのアル中だし.
もう少し文章量を増やして,さらに乾いた文体にすれば完璧だったかもしれん.
ただ私としては,どうせハードボイルドにするなら,SF風味にするより ちゃんとしたミステリにして欲しかった.

ちなみに絵は富士三號さん.
あまり好きなタイプの絵じゃないが,解像度が低いのが幸い, くどさが消えたおかげでゲーム上の絵は結構気に入った.

ゲームとしては分岐点がかなりあるため,結構難しいかもしれない.
もっとも主人公の性格を把握しておけば何とかなると思うが.
基本的に重要な選択肢では上を選んでいくといい. それと1日目の最後,レニィに無理に襲いかからないこと.


花の記憶 Foster adventure D:C:D:B
お馬鹿なほど何も考えてないシナリオ.やるだけゲーム.しかし潔い.
幾分の分岐が存在し,どこからでもリプレイできる. お好きなシーンでどうぞ;)ということだろう.
評価は低めにしたが,駄目ゲーというわけではない.
単に特徴がないというだけのことだ.

5人の女の子の話が一応独立してあるのだが,前の話の主人公が次の話に かかわってくるところがちょっと面白いな.


old ones.