ナルシーとねこ


なぎさ 水帆 作





 ナルシーとねこは(夫婦でした)一緒にくらしていました

 くる日もくる日も同じ顔をつきあわせていました。

 それでも二人は仲よしでした

 ところで シャムネコは料理が大の得意でした。

  「おまえのいちじくパイ(タルト)はなんておいしいんだろう」

 ムシャ ムシャ 

 ナルシーは上機嫌でたいらげました。 二皿も


 ある日、シャムネコは大事な(大切な)お皿をわりました。 二皿も

 その日、シャムネコはどうかしていました

 ミルクはこぼすし、おしおきに床の掃除をさせられました

 「おまえはなんてダメなネコだ! こんなことも出来ないなんて  どうしたシャムネコ」

 シャムネコは一目散に家を飛び出しました(書置きものこさずに)

 どうせ すぐにもどってくるさ(シャムネコなんだから)

 ところがジャムネコはすぐにはもどってきませんでした

 何日も何日も  雨がふる日も 雷が鳴る日も  シャムネコは帰ってはきませんでした

 ナルシーはついに病気になりました

 頭はガンガンするし 動悸はするし 胸はムカムカして 吐き気さえしました

 「オレはダメだ…オレはどうにかしている  シャムネコが数日もどってこないだけで…」

 ナルシーがベットに倒れこんだ その時―――

 チャイムが鳴りました!

 出てみると 泥だらけになって灰色になったシャムネコがこごえながら 立っていました。

 帰ってきたシャムネコとナルシーはそれから一日もはなれませんでした。

                                      おわり




渚 水帆写メール作



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