☆1983年生まれのみんなの同盟☆

「「「村を去る」」」


昔二人で見た小川の小石 キラキラ光る水面揺れる
小さい魚の幾匹かが 流れに逆らい泳いでく

自転車で抜ける田んぼ道 春は一面レンゲ畑で
ヒラヒラを舞っている蝶々と 冠を作る女の子

去る
僕はこの村にはもう戻らない
沈む夕日と群れるカラスを見上げ追い越す電車


遊び疲れたら二人で寝てた 神社の木の下で足止める
セミ鳴く木陰があの時よりも 心なしか小さく見えた

行く
僕はこの村にはもう戻らない
駆ける子供とご飯の匂い混じらせ昇る煙


梅の季節は過ぎタンポポ咲いて 野良猫陽だまりで丸くなる
ポカポカした静かな陽気の中で 二人の子供が遊んでる


山に囲まれて赤く沈む陽に
心打たれて君が去る前の日々を思い出す


タンポポの綿毛フッっと吹いて 小さな未来達を広げる
昔よりも遠くの方へ 山の向こうへと飛ばしてく

ああ
僕はあの頃にはもう戻れない
揺れる稲穂と赤い光を浴びて飛び交うトンボ


あの頃約束した空き地 来ると願いあの子を待ってみる
何年も前にした約束だから 覚えているはずもないのに

もう
僕はこの村に思い出だけ残し
荷物まとめて夜行列車にまさに乗り込む時間


村を去り都市の中に居ても きっとあの村と君を想う
紅色に染まる夕日が山に ゆっくり沈むのを見るたび

去る
僕はあの村にはもう戻らない
切れた絆と街へ去る君の姿探すために


いつの日か再び会って一緒に夕日とか見たいね・・・


by.【No.78】ぶるげ  ('00,12/7 up!)