SOIL

GOA/TRANCEのイベントです。実はよく知らんのですが、TB303というびよびよというシンセを前面に出した音に、なんかインド風のファッションが引っ付いたもの、というよう捉えております(違ったら誰か訂正してね)。何か昔、「H」だかで篠原ともえがこのへんの文化圏の人達に「インドにコンピューターってあるんですかあ?」とナイスな突っ込みをしていました。しかし、実は世界で一番プログラマー人口が多いのはインドだぞ(確か)。それと、ネットサーフィンしてる時に、九州かどっかのクラバー風のねえちゃんが作ったホームページに「嫌いなもの:ゴアトランス」と書いてあって、気の弱い私にはとても再現できないようなきつい悪口が山盛り書いてありました。どうもテクノ周りの人って、理屈が多い割に排他的な印象があって、なんだかおっかないです。音はいいのになあ。世間のポップスとそんなに対立しているかなあ?
で、実際入ってきいてみると、内装が相変わらずきれいです(上図)。蛍光塗料を塗ったイラストが壁にはってあって、紫外線を当てているみたいなんですが、なんか、うまい人がいるみたいです。昔の曼陀羅もなかなかよかったなあ。しかし、むかし紫外線灯の下で一晩踊っていたら、次の日日焼けしていたぞ。お客さんのファッションも、絞り染めのTシャツとか、蛍光塗料をうまく使った、独特の雰囲気のものが多くて見ていて楽しめます。で、音はというと...フツーのブレークビーツ風の音が流れていてちょっと拍子抜けしました。あれま。なんだかお客さんも少ないぞ、大丈夫か!しかし、夜がふけるにつれて徐々にびよびよ感が増してきて、人も増えてきたし、めでたしめでたし。やっぱ、このシンセの音は脊髄に直接入り込んでくるみたいで気持ちいいです。なんか、アニメのTシャツを着た外人がプレイを始めた辺りでしんどくなってきて帰りました。なんか、一曲だけCDをつかってましたが、やっぱこの方が断然音がいいと思うんだけどなあ。有機的な感じを出すためにレコードを使っているのかも知れないんですが、ナンパもせず、ひたすら音を追っている私としては、もっと音質を!もっと音質を!もっと音質を!!!と切実に思ってしまいます。
ところで、私はファッションについては全然分からないんだけれど、この人らがかもし出そうとしている「インド風」って、一昔前の欧米人から見たインド、という感じで、なんか私の感じるインドとちょっと違いますね。それはそれできれいなんですが。去年の夏頃だったか、初めてこのイベントに来て一番吃驚したのが、トップレスのお姉さんが乳首に蛍光塗料を塗ってぶんぶん振り回しながら踊っていて、「日本女性は少し恥じらいというものを知らないとイケナイ」とおもっていたら、隣で踊っていたあんちゃんと一緒にトイレの中に消えていきました。いくらインド人とは言え、あんまりそういうことはしないと思うぞ。私が知っているインド人というと、卒業旅行でいったフィジーにたくさんいました。イギリスの植民地時代に、プランテーション農業のために矢鱈とつれてこられたそうです(現知人は怠け者で全然働かない)。で、ホテルで一緒になった建設業のインド人としばらく話をしたんですが、我々には基本的人権がない、と切々と訴えられて、フィジーの現地人との対立の構造が垣間見えてなんだか休暇気分がさめてしまいました。あとは、カナダに行った時に留学していたおばさんがいたな。この人は地元では王女様らしく、めちゃめちゃ態度がでかかったです。カナダに移住してきた当時、お手伝いさんが一人もいなかったので何もできず、教授の奥さんに便所の掃除の仕方やらバスの乗り方やら全部教わったそうな。なんか、インド本国以外で見かけるインド人って、実はとんでもない貴族が多いですね。
ところで、最近インドの話で笑ったのが、カシミール紛争です。パキスタンの民兵がインドの山岳地帯に進出してきて、インドの正規軍と小競り合いをしている、という話なんですが、それが「民兵側が標高4700メートルの高地を制圧し...」とか、うわ、富士山より1000メートルも高いところで戦争してるぜ、という感じです。登るだけでもしんどいのに、よう戦争なんぞするなあ。そんな高地、今取り合ったところで冬になったらどちらも降りないといけないんじゃないのかなあ。高地の戦略的重要性って、見晴しがいい、というのがあるんだけど、あれじゃあ雲の上だし下界が見えないんじゃないか?さすがインド人、やっぱり何を考えているのかよく分かりません。