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 とりあえず"Electro Funk"とか書いてあって、エレクトロ...Erasureみたいなもんかい、と勝手に思い込んで、ホモの二人組が密室でしこしこ打ち込んだ曲でLittle Respect〜♪などと煽って踊り狂う、という光景を想像して行ったのですが、実はふつうの重量感のないBreakbeatsでした。で、取りあえずどういう音楽なのか、しばらく聴いてみた結果、正弦波もしくは矩形波を主旋律に使っている音楽らしい、と言う結論に達しました。しかし、あんまりお客さんがいない。「となりのやまだ君」なみにお客さんがいない。あれはひどい、23億使って実験映画はなかろう。60越えて、世間に受けていることを全て捨て去って新しいことに挑むココロザシは尊敬するが、消費者としてはもう少しエンターテイメントの要素を入れてもらわないと。それに、時代の感覚からもずれているし、いまさら月光仮面とはどういうこったい、と、全然関係ないことを考えてしまいましたが、取りあえずお客さんがいない。この場合、知名度に比べて割高感があったんでしょうか。

 しかし、この、ぼーとかぽーとかいう、正弦波を聴いて気持ちいいと感じるのは、一体なんなんでしょうか。我々の周りにこの種類の音は割とたくさんあって、電話の発信音、大昔のゲーム、家電のアラームなど、こういうものが想起させる感情が何か関係しているのか、ということは、こういうのがないパプアニューギニアとかの人に聞かせても何も感じないのか。それとも、なにか脳生理的に脳内麻薬を分泌するようになっているのか。そういえば、ギターのノイズとかバイクのエクゾーストなんかが気持ちいいのも、あれは学習したものか、生理的なものなのか。PET か MR で解析したら面白いように思うのですが、レコード会社かなんかから金を引き出して研究できないかな。

 ところで、VJがついていたのですが、ジャッキーチェンの「プロジェクトA」のNGシーンなぞ流していました。この正弦波自体は、私には運動が全然ダメそうな人が好みそうな音に思えたのですが、この音に肉感を感じる人もいるのでしょうか。そういえば、二人組のお姉ちゃんがこの音でラテン風のエッチ臭いダンスをしていて、この人たちの頭の中ではこの音はどのように響いているのだろうか、私の場合、テクノで踊っている時とロックで踊っている時は頭で使っている部分が違うような気がするけど、具体的にはテクノの方が新皮質寄りのような気がするけど、この人たちは一緒なのでは、でもとりあえず目の保養になったしいいか。

 今回、DJだけじゃなくライブが入っていて、yabemilkという人がシンセをいじってピコピコ音を出していたのですが、音楽家としては私と同レベルぐらいではないかと感じまして、とても親近感を感じて真面目に聴いていたのですが、周囲の人はそれ程寛容ではないようで、フロアから貧血のごとくさーっと引いていって周囲で固まってしまいました。そのうちに私も座り込んで眠ってしまい、目がさめたら終わっていました。個人的な感想ですが、Breakbeats風の音にピコピコをのせてしまうと、音が軽くなってしまってあんまり気持ちよくないように思われます。ミニマルテクノみたいのにのせた方が私としては嬉しい。

 ほとんど知っている曲はなかったんですが、一曲Art of Noiseがかかっていて、みなさん盛り上がっていました。若いのによう知っとる。あと、Julian Copeらしきのがかかっていまして、ちょっと嬉しかった。2:00頃帰還しましたが、評価としては、1000円ぐらいだったらもう一回行くけど...と言った感じでした。音でいけなかったのがちょっと痛い。