King Brothers




 またチェルシー見に行ってしまった。ほとんど変化がないのは分かっているんですが、どうも私、一度ファンになったら結構しぶとく行ってしまう癖があるようです。本来はKing Brothers というバンドのレコード&ビデオ販売記念ライブということらしいのですが、まあ、知らないし、そっちはまあいいかという感じでいきました。

 で、前についてみると、いつになく危なそうな人々が前の路上でうろうろしているので、ちょっとびびりつつ中へ。2番目の「ガソリン」というバンドが演奏している最中でした。かなり人が入っていて、全然前が見えないのでちょっと高い所に移動。おお、前が見えた。ボーカルのにいちゃんは極めて性格のよさそうな顔をしているではないか。ギターの人はルーリードのボックス版のジャケットみたい。しかし、音にはあんまり特徴がないなあ。ぼんやりしているうちに終わってしまいました。

 二本目チェルシー。相変わらずえらい人気です。最初に出てきたエルビスがかなり目つきが怪し気になってました。この人はやはりボーカルの人よりかなり危険。ボーカルの彼は、メイク同じで、で、肉体をビルドアップする気も特にないらしく、相変わらず春一番みたいでした。で、演奏はだいぶまとまってきてるんですが、ステージングは相変わらずサービス満点でした。エルビスは取りあえずダイブしてお客さんの波の上で逆立ちしてギターを弾くという新ネタをしていましたし、春一番の方のアクションも何か切れがあってよかったっす。ああ、エルビスまた全裸になってました。

 この人達、なんで人気あるのかなとつらつら考えていたのですが、とりあえず本業の音楽以外のところだろうな、と思います。いわゆる高付加価値商品と言うやつでしょうか。周りを見ていると の3種類ぐらいに分かれるのですが、最初のグループは要はビジュアル目当てで、前書いたからいいとして、二番目の人らって、ビジュアル見たり音を聴くより、取りあえず密集の中で暴れることが快感のようです。だから、とりあえずリズムだけとれていれば音は何でもよさそう。私、実は昔ラグビーをやっていたのですが、モールとかラックの中に巻き込まれてじたばたするのって、多少痛いけど実は割と気持ちいい。同性、異性をとわず他の個体とじゃれあう快感というのが生理的にあって、それが合法的にばんばんできる、というのも売りになっているように思います。あ、このあの春一番が全然ビルドアップしないのも、ダイブした時にお客さんが痛いといかんから、というような営業上の理由かも知れないな。エルビスもダイブする時はきちんと靴脱いでるし。女の子のお客さんもぽんぽんステージに上がってはダイブしておりました。三番目の人らは、まあ、後ろの方でビジュアルも見えないし、音自体はささくれだっていていまいち分からんし、と言うことで困っている人達でしょう。とりあえず、もうちょい前に来てみたらいいのでは。

 ところで、昔大阪でBad Religion というバンドのライブを見たことがあるんですが、これは音楽の種類としては非常にこの人達と似ているんですが、取りあえずめちゃめちゃうまい。で、ビジュアルは全く気にせずに、Tシャツに短パンといういでたちで、ひたすら真面目にパンクに取り組んでいる。ああ、この型式も何となく分野として確立されてしまったのかな、町田康はこのバンド知ってるんだろうか、というのは今思い付いた感想ですが、そのときはなんか関西大震災で神戸講演の人達も無理矢理詰め込んだせいで、アウシュビッツ並に人間が詰め込まれておりました。で、頑張って最前列に行って観ていたのですが、私が頭一つばかり身長が低いため、私のところを足場にして人がどんどんステージに飛んでいく。まあその会場は最前列とステージの間に1mぐらいのみぞがあって、大体ダイブしたお客さんはその中に墜落して、屈強な警備員に引きずられてどこかに消えていく、という仕掛けになっていたのですが、あまりに体重をかけられ過ぎたため、終わって帰る時には肋骨を何本か骨折していて、しばらくは痛くてお笑い番組等を見れなくなってしまいました。それ以降、あまりフロアには出なくなってしまった。

三本目はKing Brothers。あ、この人ら知ってるわ。巨大なアフロヘアのドラマーがむちゃくちゃうまかったはず。ということで期待していたのですが...ステージングに力をいれ過ぎて、音が普通になってしまったような気がします。そのステージアクションもなんか前の二つのバンドとよく似てたし。もうちょい良くなるんじゃないかな、と思いました。12:30頃終了。ロックの人って、夜が早いですね。