SAMPLE






 いくつかのイベントのメインDJを呼んできて、一気に全部聞かせてしまおうと言う、なかなか豪勢なイベントです。ついでになんかよく知らないドイツ人も来るらしく、2000円でこれだったらまあお得かなと。22:30頃入ってみたらどうやらヒップホップの人が回しているらしい。しかし、あんまり典型的な感じではなく、私のようにスタイルとかで盛り上がらない私のようなタイプのリスナーでもスムーズに聴けました。まあバスドラムはこの手の音の命だからいいのは当然として、上にのって修飾している音もなかなか工夫されていて、ええのおと思いつつふらふら踊っていました。しかし、なんかひとり半裸で踊っている兄ちゃんがいて、結構暴力的でおっかなかった。しかし、この季節に半裸でよく寒くないな。

 で、次のDJは...多分breakbeatの人だけど、いまいち盛り上がらない。なんというのか、音自体はそんなに悪くないのだが、一曲を引っ張り過ぎ、実もふたもない言い方をすると、くどい。この手の曲って、一曲全部通して聴かせるようにできているのか?なんかだれてしまい、ぼんやりしていたら、ゲストのドイツ人が前でごそごそと準備を始める。何だあのテレコは?そうしているうちに前述のちょっとだるいDJが終わって、ライブ。

 ドイツっちゅうことは、メロディアスなテクノか何かかな、と思ったら、ノイズでした。テレコをいったいなんに使うのかと思ったら、中に雑音を入れたテープが入っているようで、再生ボタンを使って楽器みたいな使い方をしていました。望月峯太郎の「バイクメ〜ン」で、本木パパと北国君との間で「車とヒップする方法とその依存性?」「あ...それ、車のエキゾースト・ノイズとか、ヴァイブレーションとかが視覚とか聴覚とかに刺激をおこす ある種の信号が隠れていて 体内にはほんの少量あるアルカロイドの分泌を促すっていうんです。」「?」「つまり一種の麻薬で運転手をハイにしたり催眠作用をおこす...心の奥にある快感を引き起こしてくれる...」というようなやり取りがあるのですが、彼が出すデタラメに近いようなノイズが実はわりと気持ちいい。これは遺伝的になんか脳内の信号に似ているために起きる物なのか、それとも車やバイクで走るスピード感などの快感から生得的なものなのか、動物実験でもしてみたいもんですが、それはまあともかく、最初のうち前の方の人が呆然として聴いているような感じだったんですが、そのうちにリズムをきちんと取り出してからは踊り出す人も出て、そこそこ盛り上がって終了。めでたし。

 次がSoulmenの小太りの人。この人は基本的に音質の人だから、ノイズからメリハリを利かせて音を変えたらさぞ気持ちよかろう、と思ったら、前の人を受けて最初のうちわりとガサガサした音を流していました。いかんな。この人の本質はもう少しスムーズな音にあるような気がするんですが、そのうちに本来の音に戻ってきました。おお、Dee Lite だ。B-52'sの Love Shack のリミックスだ。(しかし、これはいまいち。原曲の方がよい。)やはりフロアも大盛り上がり。で、そのうちに後ろの方でライブの準備を初めて終了。

 で、次のライブは、メトロのスタッフによるサイケ風のバンドなんですが、フロントの子(確か、最近入った人だな)が全裸になったのですが、その服を脱ぐ速度が早い!!!1秒かかっていなかったんじゃないでしょうか。某内門さんだの松尾雄治だのチェルシーのエルビスだの、全裸でパフォーマンスをする人はわりと多いんですけど、その中でも画期的な早さです。彼は何かパッと見で憎めないところがあって、演奏技術だのはなにもないけれど、フロントマンとしての才能はわりとあるように思います。

 結局、ラグビーのワールドカップの決勝を見るためにこのライブが終わったところで帰ったのですが、帰りしな例の Soulmen の小太りの人に挨拶をされて恐縮しました。おかしいな、隅っこで目立たないようにしているはずなのに。ということで、顔見知りになってしまって「小太りの人」はあんまりなので、以後TAROさんときちんと芸名で呼ぶことにします。