私が学生の時分(って、今も一応学生か)ワールド・ミュージックなる物が流行ったことがありました。民族音楽を目新しいものとして有り難がる風潮ですが、高級感をこよなく嫌う私はとっとと廃れやがれボケカスアホンダラ、と思っていたのですが、まあマニアックなジャンルとして落ち着いたような感じです。しかし、かわりに聴きまくっていたテクノとかが実は白人の民族音楽だし、毛嫌いしていてもよくないか、と思って行ってみました。
入ってみたら既にライブが始まってました。でもまあ、一曲目らしい。「ルンバ・ロック」と自称していて、基本的にアフリカが入っていて、なんか、ピロピロという安っぽいギターの音色とパーカッション(でっかいボンゴを使っていた)が良く合っていて、なんかどこかで聴いたことがあるな、ああ、Paul Simon の "Graceland" だ。英米のロック/ポップスとかテクノよりも格段にリズムセクションが複雑で、なかなか気持ちよろしい。ちょっとボーカルの声量が足りないのと、パーカッションの音量が小さいのが残念ですが、なかなか楽しめました。
隣にいた娘さんたちが楽しげに談笑していましたが、何を言っているのかさっぱりわかりませんでした。ああ、最近の若い人の語彙にはついていけない、と嘆いていたのですが、良く聞いたら実は中国語でした。なるほど、エスノだ。そんなに外人密度が高いようには思われないのですが、中国、韓国辺りが大分混じっているのかも。まあ、私はナンパはしないから全然関係ないけど。
次がベリーダンス。訳して腹踊り、だけど、忘年会の宴会芸ではなく、トルコ辺りの伝統芸能で、この踊り子さんは国内ではかなり尊敬されている、と言うような話をBSで見たことがありますが、これはかなりうまい。3人でやっていましたが、真中の人はこれだけで金がとれるんではないかと言うぐらい完成度が高い踊りをしていました。バックの音楽も中東風の特徴のあるメロディで、ちょっと踊りにくいのですが耳新しくて良かった。でも、これって太古の昔からやってるんだよな。中島らもが「音楽はちょっと寝かした物を流行らせたら儲かる」という趣旨の話を書いていたことがあるのですが、何かこういう物の流行りと言うのは周期を描きますね。こういう流行のモデルとして、人間が会館を感じる音楽のフォーマットが全部でn個あるとして、それぞれのフォーマットの間の差を0〜1の間の数値で表して、ある「流行っているフォーマット」から次のフォーマットに遷移する法則を「一番離れたフォーマット」(これはいろいろと作れるが)としてやると、nよりもかなり少ない数で元の軌道に戻って周期を描く、と言うのを数学的に何か言えないかな、とか考えながら踊っておりました。
合間の音楽も一応民族音楽をどこかに入れたような物を流していたのですが、ふんふんいいながら聴いていて、結局4つ打ちのハウスで盛り上がってしまうのが悲しいですね。先ほどのバンドがもう一度出てきて、Cindy Lauper の "Time after Time" のアフリカ版をやったりしてなかなか頑張っておりました。