20th Century Trax

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 私儀、この4月から某大学のスタッフ(助手)として就職が決定しました。ということは来月からほぼ収入のことは考えなくて良くなるのですが、これまで気軽な立場から上のスタッフに向かって10年も居て論文を出せないのは無能きわまりないとか、学生に指導できないのは助教授として失格だとか、アメリカ行ってもアホはアホとか、とにかく悪口を言いまくっていたのが全部自分に返って来ることに気が付いて戦々兢々としている今日この頃です。しかし、内定したとたんに年度末の雑用がどばっと入ってきて、博士号をとってちょっとひと休み、とおもったら全然暇がない。今週、日付けが変わらないうちに帰れたのは一日しかない。書類仕事をしつつ、夜遊びするのもいつまで続けられるだろうか、などと思っていましたが急に腹が立ってきて、研究室に篭っているだけでおもろい事が考えられるかい、と、しんどいところを無理矢理飛び出して遊びに来ました。

 何か久しぶりだったような気がするんですが、しかし入り口でProdigyが流れていたから、ああ、ベタだ。はいってみたらおおう、全然人が居ない。回していたのはストーンズ担当のスタッフの人で、ヒット曲ばかり流しているので客がいなくても当人は非常に幸せそうでありました。知り合いのDJが奥さんを連れて前の方で踊っていたのですが、どうも侘びしい。ああ、どんどん老いて行く、と思いつつやけくそになってビールをのみまくっていたら何だか良くわからなくなってきました。

 そのうちにライブ。Stoned Soul Picnic という、FPMの田中知之さんのお勧めバンドだそうでどんなんかなと思っていたら、ホーン隊とキーボードとギターで、楽曲の骨組みはあらかじめ作ってある物を流して、その上のサビの部分だけ生音をかぶせる、というやり方をしていました。その昔、Carter USM というパンクバンドがおったことを思い出しました(USM = unstoppable sex machine)。その人たちは二人組でギター二本持って、基本的に音楽の部分は機械に任せて置いて、当人はひたすら暴力的にギターを掻き鳴らして暴れる、というフォーマットで、今では珍しくも何ともないんですが、当時は実際に大坂まで見に行っておお、合理的、などと感心した記憶があります。で、ライブでギターの弦が切れてしまったので、途中から「ばっばっばばっば〜」などと口真似で一曲やってしまったり、修練の末に演奏技術を取得して次のレベルに上がる、という音楽の階層社会的な部分を無視し去った態度は非常にパンク的でよろしかった。で、この人たちに関しては、基本的にサビしか弾かないから、そこだけ集中的に練習したらトータルの労力が少なくてもそこそこいい音に聞こえるんですわ。多分。バックトラックも多分耳のいい人が居るのか、非常によく出来ている。しかしそれは所詮録音だから、音の質にかけてはどうしても生音に劣るところがある。そこだけ要領よくちょこっと付け足した、というような感じでしょうか。なかなか楽しませていただきました。

 しかし、これって、カラオケだな。昔は私は邦楽はさっぱり知らないので、仲間内でカラオケに連れてこられると非常に苦痛だったのですが、最近はLou Reed の「ワイルドサイドを歩け」(音痴でも目立たない)とかRolling Stones の "She's a Rainbow" (取りあえずタイミングをあわせて叫んでおけば形になる)とかでゴマかしています。しかし最近のカラオケ、洋楽は増えるし、音質もよくなるしで、クラブに行くのと楽しみ方があまり変わらなくなってきたりする。で、この人ら、声のかわりに楽器を使っているようなものですな。いっその事、ライブのステージにカラオケの機械を持ち込んで、それに向かって一人で歌う、もしくはあわせてギターをぎゃんぎゃん鳴らして盛り上がる、とか、佐伯誠之助あたりがやってくれないかな。

 その後、ミドルテンポでつなぐ良く知らないDJ が回しだしたところで、飲み過ぎて何だか良くわからなくなり、気が付いたら自宅で寝ていました。終わり。ああ、某全裸DJとか見のがしたわ。