Club 80's

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Boogie nights

 去年に引き続いて、彼女と大文字焼きを見に行ったのですが、私の働いている医学部構内の隣の建物の屋上に登って、人ごみの中で山の一部が燃焼しているのを見物したんですが、なんだ、去年とかわんないじゃん(というか、変わったら困るんですが)。そういえば、私、3-4年前にマウンテンバイクにはまっておりまして、大文字山の山頂から南禅寺の裏手に下るコースをよく突っ走っていたんですが、あるとき自転車を押しつつ山道を登っていると、大文字山保存会の面々が下って来て、マウンテンバイクを見るなり「こういうのに乗られると道が壊れて困るんだよ、乗らずに押して下ってくれよ」などと説教を食らいまして、全く御高説おっしゃるとおりです、と拝聴する振りをしつつ、ジジイ10人で山道を歩いたほうがよっぽど道を破壊してるわ、だいたい何を考えて山道を竹ぼうきではいて掃除しているのか、サハラ砂漠のレレレのおじさんじゃあるまいし、と、もちろん帰りの下りはマウンテンバイクをぶっ飛ばして下りたのですが、このような嫌な思い出が蘇って来て、登って1分ぐらいで「じゃ、見えたし、帰るか」と撤収してしまいました。あの手のイベントは、一回見たらあとはあまり意味がないですな。ずいぶんたくさん人出があったのですが、あんまりみなさんこういう疑問は抱かないものなのでしょうか。

 で、その後、またもや去年と一緒の浴衣を着て入場。ああ、久しぶりであります。ビールを呷りつつぼんやりでかい音を聞いておったのですが、独身時代はこれで最後か、と、前の彼女を連れて来た時の事を思い出したりして最初のうち不穏だったのですが、そのうちに、そういえば結婚式の最後に挨拶をしないといかんな、とりあえず挨拶をしてから自分の仕事と彼女の特長の関係の話と近況の話をして、とかふらふらと踊りながら考えていたら、疲れました。ああ、やっぱり下駄というのはあんまり機能的な履物ではないですね。黒船に負けるわけだ。

 あいかわらずスピーカーの前で音ばかり聞いて酔っていたわけですが、ちょっとVJの映像を見たらカラフルな星形の線が動いている画像で、あ、Boogie nights の色だ、と、急にあの映画のシーンが蘇って来ました。この映画、一言でまとめると70年代のポルノ映画の男優の栄光と挫折の話なんですが、主演が New Kids on the Block の人というのも80年代風だし、映画の後半の挫折の部分が、ああ、アメリカでは80年代というのは不景気をもろに食らった澱んだ年代だったんだな、というのが嗅覚レベルで感じられて、非常に秀逸な映画でありました。この映画のクライマックスで、没落した男優がいま売れているロック歌手と麻薬の取り引きでかなり強引なインチキをして騙そうと企画して、結局ばれてそのロック歌手に銃でばんばん撃たれて追われるシーンというのがあるのですが、なんか、布団かなんかを打ち抜いて羽毛が飛び散っている中でぶち切れたロック歌手が追い掛けて来るストップモーションのバックで流れている曲が「99 Luftballons 」で、このシーンの映像と音楽の美しさに、映画館で見ている最中は脊髄が麻痺するような感じになったんですが、ああ、ここでこの曲流れないかなあ、と思っていたんですが、流れませんでした。最近みなさんDJ技が上手くなって、こういうつなぎにくい曲は敬遠されるんでありましょうか。

 で、このあいだのles plus の時に「見知らぬ女性」とか書いてしまったんですが、その人がここでも浴衣を着てやって来ていて、良く考えたらこのひと4-5年前から当クラブで会っている女性でありました。ごめんなさい。酒で頭がやられて、人の顔とか名前が全然覚えられなくなってるみたいです。ちょこちょこ話をして、体力を温存しつつ結局最後の4時までおりました。ああ、すっきりした。