Club 80's

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 私儀、先月結婚しまして、築70年とかいう新居に移り住んでばたばたと生活しておるのですが、落ち着いて夜遊びから足を洗って、夜はオリンピックの再放送でも見て過ごすかといったらそうはいかん。今回はかみさんと行って来ました。夜11:30頃丸太町を南下していっていたら、いきなりアングロサクソン系の外人の集団に「左京区ってのはどこだ」と道を聞かれました。範囲が広すぎるので何かと思いましたが、彼等の持っている紙片を見たら、どうやら彼等もメトロに行くらしい。ということで連れ立って入場。

 彼女は初めて連れていったのですが、わたくしと違って彼女の方は人間に対して関心のある方で、見るところがだいぶ違うようです。たとえばわたくし、いくら常連でも客の顔はほとんど覚えておらず、DJの顔でさえいい音か悪い音かぐらいしか興味がなく、CDのジャケットぐらいにしか思っていないところがあるのですが、彼女の方は、さっき声をかけて来た外人は北欧系だろうかアングロサクソンだろうか、しかしやはり外人、選曲が妙なのでカウンターで呆然としているな、とか、あそこにいる人はたまに近くの定食屋で見かけるが、どうも特徴がある顔だし、西域辺りの人ではないだろうかとか、あそこでベストをを着て踊っている中年のおっさんは京大病院でよく見かけるから多分医者だとか、後ろのスピーカーの前で延々ストイックに踊っている女の子は一体何者だろうかとか、とりあえず合間にそんな話ばかりしておりました。ちなみに、DJ 陣では深水さん(韓国のエロ本の人、と記憶されていた)とあちゃぴん君が「たぶんまともな職業の人」で、その他はどうも自由業臭い、といっておりました。ううむ、人を見る目があるのかないのか。

 酒を買ったついでにしばらくフロアで踊っていたのですが、そこで急に隣にいたインド人らしき人がかみさんの方に話し掛けて来ました。おお、いきなりつかまっとる、と思いながら観察していたら、彼、ちょっと話してすぐに後ろの方に去っていきました。何かなと思ってあとで彼女に尋ねたら、「ぼくはイランから来た留学生で、*京都大学*で仏教の勉強をしてるんだぜ、きみは何をしているんだい?」と聞かれたので、「京都大学の医学部の大学院で博士過程の3年」と答えたら急に切り上げて後ろの女の子にターゲットを移したらしい。はっはっは。「まずい、バレる」と思ったんだろうなあ。学歴をひけらかして女の子に手を出そうとする手口で、うちの教室に今居座っている不良イラン人を思い出してしまいました。彼が喧嘩した後おとなしくしているかというとそんな事はなく絶好調で、つい先日は実験に来ている学生さんをナンパしかけたのですが、その手口がまた、「僕は純粋なイタリア人で、イランには数回しか行った事がない」(じゃあ、その横に書いているペルシャ語のノートは何だ?)「ローマ大学の医学部を出ているんだ」(イランの大学の*看護学科*じゃないのか?)「おたがい一人暮らし同士、協力しないと」(お兄さんと二人で住んでるって言ってなかったか?)「僕は寂しいんだ、土曜日に遊びに行かないか?」(深夜に研究室に「僕の研究室だよ」といって女の子を連れ込んで来ているのを3回目撃されてなかったか?しかも全部違う女の子だったぞ)と、ちょっと考えたら1分でバレるような嘘だらけで、阿呆らしくて相手にする気も起きなかった、そうです。しかし世の中にはこんなのにころっと騙される人たちが存在するらしく、彼、先日、研究室の電話で延々と女の子とデートの約束をしていました。ついでに、そのフロアにいたインド人風イラン人も、すぐ後ろにいた女の子に同じように話し掛けて、どうやら成功していました。嗚呼、日本の未来は暗い。

 で、音の方は、スピーカーが新しくなっていて嬉しかった。ああ、いい音〜。Pet Shop Boys の "What have I done to deserve this?" が妙に心に染みたので、あとでCDを買ってこよう、と思ったぐらい。しかし、なかなかCDも買っている暇がない。で、かみさんも一応気に入ったらしいので、まだしばらく夜遊びは続けられそうです。