Diamonds are Forever

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 先日、某学会で、同じ研究室の大学院生がポスター発表をしていたのですが、隣に九州大学のT先生のポスターが。この人、理論生物学の研究室にいるのですが、精神分裂病です。最初に会ったのが数年前の発生生物学会で、普通の発表だったら最低限何をしているかぐらいはわかるのですが、どういうわけか皆目わからなかったので、本人を捕まえて説明してもらった事があります。1時間ぐらい喋っていたのですが、結局良くわかりませんでした。この時は一応生態系の理論モデルの話をしていたのですが、今回は発生生物学の概念で日本刀を鍛えて癌を斬る、という趣旨で、ポスターの説明も科学時点のページをコピーしてマーカーでいろいろ線をひいているだけだし、湯川秀樹の言葉をカードに書き写したものをいくつも貼ってあるし(註:全部同じ言葉)、そもそも全く同じ演題のポスターを2つ貼っているし、随分ヤバい事になっているようでした。九大のその研究室自体は共同研究をしたりして仲がいいので、そこの学生さんに「武田先生、大丈夫?」(あ、名前書いちった)と聞いてみたら、大分悪化していて研究室内でもアンタッチャブルになっている、とのことでした。「今回出しているのって、アメリカ合衆国憲法がどうたら、と言う話ですか?」(註:実験生物学の学会です)とか逆に聞かれたので、どうやら他にもいろいろとファンキーな話を方々でしているらしい。音楽の世界やら芸術の世界だったら分裂病の人と言うのがいて、ジャズが成立する時に重要な役割を演じたりしているのですが、サイエンスではさすがにまずいのでは。おかげで学会会場の中でそこだけ怪しげな空気に包まれ、そちらに人が集ってしまって、うちの大学院生の発表に全然人が来ない。なんてこったい。私も理屈に合わないシュールな話は実は好きなんだけど、仕事とは峻別しないといかんだろ。

 というようなことで、ちょっとガス抜きしたくなって行ってみました。11:30頃入ったらあまり人がいない。たしかショーが12:30頃と2:30頃の2回だから、そろそろ始まるはずなんだけど、大丈夫かな、と思って、取り合えずビールを呷ってスピーカーの前でぼーっと音を聞いていました。まあ、ハウスです。130ぐらいのBPMで、バスドラムとハイハットのかなり定型的なパターンに作者の好きな音をのっけて延々ループしているだけなのに、なんてええ音だ。このドラムのループって、全く同じ音を聞いていると少しづつ頭が適応して聞こえなくなるんだろうか、で、リズムの部分だけ意識から抜けて来て、上にのっかっている音が音量が小さくてもはっきり聞こえるのだろうか、あ、でも、パターンが時間軸にそってあると適応しないかな。などと考えてぼんやりしていたら、たまたま隣にいた女性にどこかの若者がアタックしに来て、なんだか邪魔。ああ、聴覚とか視覚的な快楽以外に性欲で来ている人も多いなあ。とっとと持ち帰ってくれい、とか考えているうちにやっぱりお客さんは結構入って来ました。

 ばたばたしているうちに1回目のショー。最近新しいデジカメを買ったので、面白がって撮りまくってみました。ああ、やっぱり、美しい。フラッシュを焚かないで撮った絵を後で見たらちょっと感動しました。しかし、今回は、上手いとは思ったけど、前回見たような、おお、凄い、と言うような仕掛けがなくて残念。本日一回目は出演者が少なめだったし、まあ、仕方ないか。その後、またハウスでしばらく踊っていたのですが、2回めまで結構間がありそうだったので、しんどくなって帰ってしまいました。ああ、歳だ。