私儀、本日、東京まで某奨学金の面接を受けにいって来ました。これがけっこう額が大きい癖にプレゼンの時間が4分しかなく、前日まで必死で内容を削って、ようやくまとまったものを喋ったのですが、あまりにかいつまんで話したせいか、中身が通じていない。色々質問を受けたのですが、本質的なこともなくて、まあ、危なげがないと言えるのかも知れないんですが、どうも欲求不満が。だいたいは審査員は「これはユニークですね」と言ってはくれたのですが、帰りの新幹線の中で、ああ、もっとこう言ったらわかりやすかったかも知れない、なんてこった、などと突発的に面接の光景が蘇って来て、「ちっ」とか、結構大きな声で口走ってしまったので、周りの乗客は引いていたと思います。そういえば5年程前、同じ団代の別の奨学金の面接に行った時は、いきなり審査員と喧嘩のようになってしまい、帰りの新幹線ではたいそう落ち込んでいたのですが、帰ってみたらなぜか受かっていたと言う、なんだかよくわからないことがありました。その時よりは100倍ましだったから、多分大丈夫かな、とは思っていたのですが、だんだん不安が増してきて、こういうときはどうするかと言うと、音楽に頼る、ということで行ってきました。
しかし、どうも面接の結果が気にかかって、すぐには没入できない。だいたい30にもなって、やっていることがユニークというのは、一見褒め言葉だけど、要は一人しかやってないって言うことで、分野としての発展性はそろそろやばいのではないか、とか、ちょっと重いことを考えてしまいました。例えば今流れているテクノとか、ちょっと前までは「ロック以外のなにか」というような付加価値がついて、なにか根源的な新しい物がうまれてくるような期待を持たせてくれたのですが、結局民族音楽の一つということに落ち着いてしまっているような気が。時間の流れというのは正直で、結局本来その分野が持っているポテンシャル以上の物は出てこない、ということですかね。私のやっている分野は将来生き残れるだけのポテンシャルを有しているのだろうか、とか、暗いことを考えていましたが、そのうちにでかい音の中に没入していきました。
ひとり目のDJは、auのCMのTシャツにプリントされている人のようなスタイルおよび顔のひと。まあ、そこそこいい音なので安心して聴いていたら、次に四ノ宮氏が出てきて、いきなり曲をスローダウンさせて切ってしまいました。あ、Stones vs. Beatles ならともかく、この手のイベントではずいぶん乱暴な繋ぎ方をするなあ、と思っていたら、急に全然踊れない系統の曲がかかって、(これではつなげないわけだ)後ろの方からショートパンツをはいたお姉さんが台の上にあがって現代舞踊風の踊りを始めました。ううむ、本人はとっても真面目にやっているのでしょうが、先日の探偵ナイトスクープに出ていた沖縄の蝶を見て踊る高校の先生を思い出してしまった。現代美術は一応好きなんですが、ここまでくるとよく分からないなあ、と思っているうちに一曲終わって、そのお姉さんが一礼して去っていったらまた元のダンスモードに戻りました。
次のDJのひとは、ちゃんと日光浴びてる?と言いたくなるようなひょろっとした感じの人で、まあスタンダードにいい音を出しておりました。ただ、たまにここで決めたろうというようなクライマックスの時に音量をあげ過ぎて音が割れていることがあって、いい音が好きというより、盛り上がるのが好きなのかな。四宮氏はたまに機材をいじって小技を繰り出して客を悦ばせていました。そのうちにライブの人が前でごそごそと準備をはじめて、あ、わりと古い型のPowerBookだ、そういえば音を出す程度だったら別にG4なんかじゃなくても十分実用に堪えるんだよなあ、また暇を見つけていろいろプログラムをいじろう、と思っている内にスタート。「大人の音です」と紹介されていましたが、.....なんか、新規性に酔っているような気がする。聴いたことがない音かといえばあまりない音なんですが、別に気持ちいいわけではない。こまったなあ、と思っていたら客席からも「もうええで〜」という冷たい声が。ああ、私だったらとっととケツを捲って逃げるな、どうするんだろう、と思っていたら、きっちり最後までやっておりました。なかなか根性があるので、それを音質の向上の方にも少し向けてもらったらもっとよくなるのではないかと思います。なんか、やっていることの新しさで何となく逃げ切ろうとしてるんではないか、という問いが、自分の研究にもそのまま跳ね返ってきて、見ていてなんか痛かったです。
あとは四宮氏がきっちり盛り上げにかかっていたので、もういいか、ということで帰宅しました。