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ルクセンブルグの駅
初めてルクセンブルグへ辿り着いたのは気紛れの故だった。ブリュッセルの駅でアムステルダム行きを捕まえようとしたところ、丁度2分前に出てしまい、次の列車が1時間後だと判った時、隣りのホームで2分後の発車を待っていたルクセンブルグ行きに飛び乗ったのだった。そうしてやって来てはみたが、アムステルダムからの帰国の飛行機が気になり、ルクセンブルグをゆっくり見学する暇も無いまま立ち去った…
それ以来立ち寄る機会を逸していたが、様々な資料を見る都度、「何時かは…」という思いを募らせていた。1999年、フランス南西部のアルビから、帰国の飛行機に乗るベルリンの方向-北東-へ少し進もうとTGVで移動していた時、ビュッフェで買った珈琲を飲んでいて、ふとルクセンブルグという言葉が頭を過ぎった。「列車が到着するパリにそんなような名前の公園があるらしい…いや、待て…パリで列車を乗り換えれば夜までにルクセンブルグだ!北東に近付くじゃないか!」乗客も少なく、終着まで停車しないので仕事も無くがら空きの客席に陣取って新聞を読んでいた車掌が、咥えていたジタンを消しつつ面倒そうに伸びをして立ち上がった。私は棚から荷物を下ろして帽子を被った。
すっかり暗くなる頃、私はルクセンブルグの駅に着いた。小さな大公国の立派な駅に迎えられ、駅前に宿を決めると、冷えた空気の中を徘徊した。そして翌朝のルクセンブルグ見学への期待を膨らませ、列車に揺られた身体を休めた。
翌朝、私は朝食時に外を見て計画を変更してしまった。凄まじい勢いで冷たい雨が降り注いでいた。「今日は少し東へ移動することにしよう…これでは外は歩けない…」膝まで雨水が跳ね上がるような状況の中、私は駅まで走った…たった3分程でよれよれに濡れてしまった…
結局私のルクセンブルグは、この駅周辺に終始してしまっている…何とかしたいものだ…


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