夏時間【Daylight saving time/Summertime】
先週末から、夏時間に切り替わった。
日本でも、夏時間の導入論議がこのところ、盛んになっている。
一時、戦後のGHQの占領下で、導入された事はあったそうだが、結局定着しなかったというから、日本ではあまり意味のない、制度かもしれない。
なぜなら、日本は緯度が低いからである。
世界地図で比較すると、日本の緯度は、ヨーロッパの地中海から南、中近東アフリカの北端に近い。
緯度の高い地域にくると、季節による日照時間が極端に違う。
北欧は当然、オランダあたりでも、冬と夏では、日没時刻が、5時間くらいは差がつく。
もともとは、英国で提唱された制度らしい、エネルギーの節約のために、夏に時計を一時間早めれば、夜になっても、明るいので、ランプの油の消費を押さえる事ができる筈だ、という、至極単純な発想だった。
Daylight Saving Timeという呼び方が、使われているのは、こうした由来であろう。
もっとも、Daylight Saving Timeは、米国で使われる表現で、英国では、結構Summer timeで通じる。
家中の時計や、オフィスの時計を一斉に、調整するのが、新しい季節を呼ぶ儀式のようになっているが、翌月曜日には、まだ結構街には、調整を忘れている時計があったりする。
この一年に、二回とはいえ、国中の時計を全部そうやって、調整するのは大変な労力であるから、最近は、自動調整機能付きの、時計も売っている。
Windowsも、スタートすると、自動調整のメッセージが出ますね。
ヨーロッパの人達は、これが子供のころからずっとやっている、習慣だから、それほどの混乱もなく、やっている。
前日には、TVや新聞の一面に、注意喚起のニュースも出るのだが、在住日本人みたいに、地元のメディアを殆ど見ない場合は、結構この調整に気が付かずに、月曜日に遅刻したり、やたら早く来ていまう人がいる。
特に着任して、半年未満の駐在員は格好の、カモです。
私も、11年前、初めてドイツに来て、冬時間を迎えたときには、早朝誰もいないオフィスに来て、「仕事熱心だね」とからかわれました。
つまり、夏時間に切り替わって、初めての平日。
前日に、家中の時計を早めて、「絶対間違えてはいけない。一時間早く起きないと、飛行機に乗り遅れる」と念じて、就寝。
翌日、ちゃんと飛行機に搭乗して、ヒースロー空港に着陸。
空港について、施設の時計を見ると、みんな一時間遅れている。
「あぁ、結構みんないい加減だな、空港みたいな公共施設くらいは、混乱しないように、ちゃんとあわせなきゃいかんじゃないか」と思いました。
さて、朝10時のミーティングに出たら、誰も来ていない。
「あれ?おかしいなぁ」と思いつつ、初めて英国との一時間の時差を、調整するのを忘れている自分に気付きました。