灰とダイヤモンド


灰とダイヤモンド【ashes and diamond】


今週、ポーランドに行ってきた。

季節が良かったせいか、新緑が美しく、私が以前もっていた、ポーランドの暗いイメージとは、随分違っていた。

私にとっての、ポーランドは、アンジェイ ワイダ監督の映画の影響が強く、とくに、代表作「灰とダイヤモンド」の印象が強烈に残っている。

もっとも、'50年代の映画で、第二次大戦の終戦を描いた内容だから、当然大昔の話で、現代のポーランドと一緒にするのが、無理なのだが、それほどまでに、この作品は強烈な印象があった。

但し、この映画は、同時に難解でもある。最初に見たときは、話の筋が良く分からなかった。

いまでも、話の細かいところまでは、理解できない。

歴史的な予備知識が、あって、ある程度ポーランドを知っている事が前提につくられた映画なんだろう。

たしか岩波文庫からも、出版されていて、本でも読んだ。

主人公の、暗殺者マチェク ヘミウツキを演じていた、チブルスキーの存在感があって、すごかった。


ポーランドは、歴史的には結構悲惨な目にあっている。

ロシアとドイツという大国に挟まれているが、簡単に占領するには、大きすぎるが故に、ヒトラーとスターリンの密約で、国が消滅しちゃったり、その昔から、ロシアに気を使わなければならない国だった。

いまでは、ロシアに背を向けて、とうとうNATOに加盟してしまったけど、この国は、民族的問題が少なく、現代のポーランドは至って、平和である。

国民の大半は、ポーランド人で、宗教的にもカトリック一色で、民族紛争も、宗教戦争もない。

ロシア方面からの出稼ぎは、ポーランドを通り越して、みんなお金が稼げるドイツに行ってしまうので、移民問題も少ない。

ひとつ驚いたのは、ドイツ系、フランス系の、産業がすごく進出している。

顕著なのが、小売業で、デパートから、郊外のショッピングセンターに至るまで、西欧系のチェーンがすごい数で、進出していたし、品揃えも充実している。

どうせ、インフラの遅れた世界だろうと、思っていたが、映画や小説だけの、先入観だけで、判断してはいけないと、今回は考えを新たにした。

もっとも、ポーランドの女性は、先入観を裏切らず、美人が多かったです。