口語表現
Jan.13.99

口語表現 【こうごひょうげん】


ドイツ語、という題で、訳しにくい外国語表現、を少し書いたが、またいろいろ思い付いたので、忘れないうちに、書き留めておこう。

英国に、くるたびに、耳障りなほどに、よく聞く表現がある。
最初、慣れないうちは、違和感があったのだが、特に女性がよく使う表現に、"lovely"ってのがある。

私は、子どもなんかが、可愛らしい時に、使う表現だと思っていたが、なんでもかんでも、ラブリーなのです。

The Beatlesの曲で、"Lovely Rita"ってのがありますが、(▼やす▲さんは、当然ご存知ですね、最近の若い人は、知らないかもしれない)誉め言葉は、なんでもこれを使う

新車を見せびらかすやつが、いれば、What a lovely car!と誉めそやし、天気もラブリー、いい仕事をしても、ラブリー。
買い物をして、お釣が出ないように、支払いをすると、レジのオネェさんが、発する言葉が、やっぱりラブリーなのです。
この感覚が、日本語には、非常に訳しにくい。


同じ感覚で、使われるのに、ドイツ語だと、"schoen"ってのが、あります。(本当は、oeの部分は、oの上に点々がついている、ウムラウトなのだが、日本語フォントだと、文字化けしてしまうので、敢えて oe表記にする。

これも、なんでもかんでも、誉めるときに使われる。直訳すると、「美しい」という意味で、昔のバンカラ学生の言葉で、(旧制中学では、ドイツ語を学ぶのが、当たり前だったから)美人のことを、「シャン」と呼んでいたが、語源はこのschoenである。
ちなみに、女の子を「メッチェン」と呼ぶのも、ドイツ語のMaedchenから、留年する事を、「ドッペる」というのも、Doppelから、来ている。


さて、その次には、オランダ語でも、同じような使い方をされる、形容詞がある。
"lekker"という形容詞は、「美味しい」という意味なのだが、やはりなんでもかんでも、可愛い子どもから、美人、良い天気、気分がいいときにまで、連発するのが、lekkerだ。


"lovely"、"schoen"、"lekker"この三つは、私がいつも困惑する口語表現だ。