本能 の変

May.22.99

本能 の変【animals kill own babies】


本能とは、生れつき持っている性能。動物が外囲の変化に対して行う、生得的でその種に特有な反応形式。
と広辞苑に書いてある。

今日のニュースに、胸が痛む記事があった。

NATOの空爆が始まった、4月から、ベオグラード中央動物園で、異変が発生しているという。

園内の、トラ、オオカミなどの、動物が、生まれたばかりの、自分の子供を、噛み殺す異常行動を始めた。

攻撃的な行動は、それだけでなく、自虐的になって、自分の足を噛み続けて、血まみれで倒れたライオンもいるという。

平常時に、自殺をする動物は、霊長類ヒト科だけだが、異常行動として、こういう現象はあるらしい(ネズミの集団自殺とか)。

空爆が始まってから、この現象が始まったというから、当然因果関係は明白だろう。

動物も、恐怖心のあまり、ストレスの発散をしているのか、あるいは、「もうこんな世の中に生まれてきては、不幸なだけだ」と悟り、自らの子供の命を絶つのか。


いずれにせよ、動物で起る現象は、人間にだって当てはまる。

人間が、短絡的にそうならないのは、精神的な自制力をもっているからだろうが、その状況が続いたとき、人間の取る行動にも、同様の事がないとは、言い切れないだろう。

イギリスと、NATOのソラーナ事務総長は、残虐性を増してきた。

空爆だけでは、満ち足らず、地上戦まで始めようとしている。

もっとも、まだ自制力の働く国も残っていて、NATO加盟国の中でも、地上軍派遣を反対している国は、多い。

私の言った通りだ、結局、勝者のいない戦争になりつつある。

勝者がいない戦争は、終わりがない。