レーニン【Vladimir Iliich Lenin】
レーニン没後75年になる。
レーニンの遺体は、防腐処理を施して、ダークスーツを着せたまま、レーニン廟に保存、公開されてきた。
レーニンは、もともとソ連邦の創始者で、ソ連がなくなった、現在、そろそろ、埋葬してしまいたいのが、エリツィン大統領。
ソ連のころは、もっと暮らしぶりが良かった
→共産党に復活してもらえば世の中良くなるかもしれない
→レーニン主義を見直して、共産党のジュガノフに頑張ってもらおう。
となる事を、警戒しているんだろう。
ロシア正教会のアレクシー二世総主教が、レーニンを埋葬しようと言い出した。
スターリンがぶっ壊した、モスクワの大聖堂を再建設したりして、ソ連時代に抑圧されてきた宗教活動が、ロシアですこしずつ力をつけている。
教会側としても、神や聖人でもない政治家を、神格化してしまうのは、望ましくないということだろう。
モスクワのクレムリン宮殿の前の、赤の広場の真ん中あたりに、廟が立っていて、真っ暗な場所に、機関銃を持った衛兵が無表情で突っ立っている。
足元がかろうじて照らされている、内部でそろそろと階段を下ると、硝子ケースに入って、防腐処理を施されたレーニンの遺体が、目をつぶって横たわっている。
体の部分は、スーツを着ているが、不自然にぺちゃんこになっていた。
立ち止まって見る事は、(当然写真撮影などもっての外)許されていないので、ゆっくり歩きながら通り過ぎるのだが、たしかに、不思議なオーラを放っていた。