ゴルバチョフ
Dec.21.98

毎年、この時機になると思い出すのが、この人。ソ連邦を改革し、自ら息の根を止めた(本人は不本意だったかもしれないが、結果的にはそうなった)。
年末に、みずからTVの臨時放送で、ソ連の終焉を告げた。

諸外国では、非常に人気が高いが、ロシア国内では、めちゃくちゃ評判が悪いのが、この人。
皇帝エリツィンが、いくら不人気でも、ゴルバチョフよりはマシ、という声が高い。
要するに、ロシア国民にとっては、米ソとならび称された、超大国をただの、極貧国家に陥れた張本人こそ、ゴルバチョフだと言う。
世界の為に働いたかもしれないが、ロシア人の為には何もしなかったよ、とロシア人なら、誰もが言う。

今どうしているんだろうか?どこかでコンサルタントみたいな事をしていると聞いたが、さっぱり表舞台には出てこない。
エリツィンがそろそろ、降板の可能性が高くなってきた今でも、候補に名前があがるのは、モスクワ市長のルツコフ、軍人あがりのレベジ、共産党のジュガノフあたりばかりで、お呼びでないらしい。

ソ連の元首は、ブレジネフ書記長以来、ブレジネフドクトリンを、忠実に継承してきた。アンドロポフ、チェルネンコ、そして、共産党のエリートとして登場した、彼は、なぜリスクを伴う、改革路線を目指したのか。
私は、彼は、今日のロシアの事態を、予見していたのではないかと思っている。
嘘で固めた外貨準備高と、金の準備高で、コメコンの経済体制が、維持できないと判断して、軟着陸を目指したが、途中で失脚し、自らの意図しない程のスピードで、市場経済の導入が、行われた。体制がついてゆけなくなるリスクを感じとっていたのは、彼自身ではなかったか、と思う。