偽証
Dec.22.98

偽証の疑いをかけられた、USAの大統領が苦戦している。「砂漠のキツネ作戦」も非難轟々で、国際社会からソッポを向かれ、右から左からガツーンと二発くらって、クリちゃんは、大ピンチである。
記者会見の後も、「カメラさん撮ってちょうだい」と言わんばかりに、ヒラリー夫人と手をつないで、歩いたりしている。
それでも、「僕辞めないもんね」とけろりとしているあたりは、たいしたもんである。
一連のスキャンダルを見ていると、残念でならない
嘘をついたことのない、人間なんていやしない。大統領だって、嘘つく事ある。
選挙公約を全く守らない、日本のセンセー方も、ウソツキだ。でも、今回の嘘は、議会での証言だから、罪を問われる事になった。

これが、大統領でなくて、アーカンソー州在住の、州議会議員のままだったら、CNNやABCが全国放映もしない。
田舎議会の、Mr.Bill Clinton議員もペロっと「はい、私は職員に、いたずらしました。研修生とも遊んじゃいました」と喋っていたかもしれない。
あとで、かーちゃんに、「馬鹿たれ、脇が甘いのよ、アンタ」と怒られ、娘には、「パパ、サイテー」と言われ、地元プレスから、「セクハラおじさん、スキモノ議員」と書かれる程度で、職務を追われる程の、大騒ぎには、ならないだろう(次回選挙で、落選するかもしれんが)。

今回の、イラク空爆の動機として、弾劾までの時間稼ぎと内外から、疑念を向けられていることにたいし、断固と大統領側は、否定しているが、因果関係がないとは、思えない。
ユーゴスラビアは、空爆を直前で停止したが、事前に関係諸国に諮っていた。また、NATOの活動として、一応の事前通告を行ってきた。
スーダンのミサイル攻撃と、今回のイラクは、それに比べてあまりに、早急に、しかも関係各国との調整もないまま、フライングしている。
「弾劾」さわぎまで、追い込まれなければ、クリントンも事を急がなかったかもしれない。

上で残念でならない、と書いたのは、大統領の昔のお遊び、という国政に関係ないような事件が、間接的に戦争突入という、重大な大統領権限を行使するまで追いつめてしまった事。
極論すれば、大統領の下半身ネタの犠牲になって、イラクで命を落としてしまった、一般市民がいる。
USAという、意外な所ではピューリタン的な、倫理観が厳しい文化では重大な、資格問題なのかもしれない。
でも、もうすこしおおらかに考えれば、軽く解決しただろうに。

ドイツの新首相シュレーダーを見なさいよ。 「もう私はバツ3だけど、まだまだ元気だよ、4人目のかぁちゃんのドリスなんて35歳だぜー、いいだろう」ってな乗りで、絶倫であるし、全く、本人も臆していない。

フランスの、故ミッテラン大統領だって、「え?妻意外の女性との間に、隠し子がいることをつかんだ? いや、別に隠してないから、隠し子じゃないよ、れっきとした私の子供。で、ご要件は?」ってくらい図々しくやんなきゃ、国務の遂行なんてできませんわよ。