戸田光太郎 署、98年10月初版、アルク出版
MTV Europe社でマーケティングをやっている、戸田さんが書いたエッセイ。
デュッセルドルフは、日本人の生活インフラ天国だ。
ロッテルダムの郊外で、日本人なんか見たこと無い小都市で、「外国暮し」していると、町で見かける、日本食材店や、本屋は、まばゆいばかりで、吸い寄せられていってしまう。
ふと、店を出て気がつくと、財布が軽くなり、手に漬物や、本を握り締めている。
今日は、「文芸春秋」の最新号でもないかな?と思って、Immermann strasseのジャパンブックセンターに、入ったが、あいにく品切れだった。
なぜ、「文芸春秋」がいいかと言うと、頁数が多く、写真が少ないので、沢山読める割安感がある。ようするに、長持ちするのだ。
普通の、写真週刊誌とかだと、一時間で読み終わってしまうけど、「文芸春秋」は、枕元に置いて、寝る前に、ナイトキャップ代りに、読んでいると、一週間くらい持つ。
話が、それたが、何か他の本はないかな、と探していて見付けたのが、この本。
欧州に在住している、日本人の方なら、この著者の名前に、見覚えがあるでしょう。
そう、週刊「ニュースダイジェスト」に連載している、同名のエッセイが、単行本になったのです。
はたから見れば、世界を股にかける、業界のビジネスエリートだが、大変気さくな人柄を持っている。
私は、ヨーロッパ好きを自称しているが、戸田さんは、それ以上に、ヨーロッパにどっぷり浸かっていて、文化面のアプローチが非常に、深い。
その一方で、「俺は日本人だぞぉー」という自己主張に、こだわりの美学をお持ちで、ヨーロッパかぶれの日本人に、ありがちな、とっつきにくさがない、非常に魅力ある中年です。
本を出版するくらいだから、文筆に長けている(印税が入るんだろうな、いいないいな、私がHPに幾ら、文章を書きなぐっても、一銭の足しにもならない)。
そして、話も面白い。呑みにいく度に、笑わせてくれるし、本に書けなかった裏話なんかも、聞かせてくれる。
「欧州の路上で」の中でも、綴っていらっしゃるが、戸田さんは、その手のお色気は、あまりお好きでなく、「カサブランカ」のボギーが、バーで吐く台詞を、人生の教科書にして、男の美学を追求する人です。
後日、この時の、ストリップショーの、「感想文」なるものを、戸田さんが、私にファックスしてきてくれました。
この、「感想文」が、抱腹絶倒ものでして、ここで公開したいのですが、何しろ今では、プロのエッセイストになられ、著作権も関係しそうなので、残念ながら、掲載できません。