欧州の路上で
Dec.29.98

欧州の路上で【おうしゅうのろじょうで】

戸田光太郎 署、98年10月初版、アルク出版

MTV Europe社でマーケティングをやっている、戸田さんが書いたエッセイ。


今日、デュッセルドルフに、買物に出掛けた。

デュッセルドルフは、日本人の生活インフラ天国だ。
ロッテルダムの郊外で、日本人なんか見たこと無い小都市で、「外国暮し」していると、町で見かける、日本食材店や、本屋は、まばゆいばかりで、吸い寄せられていってしまう。
ふと、店を出て気がつくと、財布が軽くなり、手に漬物や、本を握り締めている。

今日は、「文芸春秋」の最新号でもないかな?と思って、Immermann strasseのジャパンブックセンターに、入ったが、あいにく品切れだった。
なぜ、「文芸春秋」がいいかと言うと、頁数が多く、写真が少ないので、沢山読める割安感がある。ようするに、長持ちするのだ。
普通の、写真週刊誌とかだと、一時間で読み終わってしまうけど、「文芸春秋」は、枕元に置いて、寝る前に、ナイトキャップ代りに、読んでいると、一週間くらい持つ。

話が、それたが、何か他の本はないかな、と探していて見付けたのが、この本。
欧州に在住している、日本人の方なら、この著者の名前に、見覚えがあるでしょう。

そう、週刊「ニュースダイジェスト」に連載している、同名のエッセイが、単行本になったのです。


実は、私はこの著者を、良く知っているし、一緒にプールで泳いだり(別に深い意味は、ないよ)、何度も酒を飲んだりした仲である。
戸田さんとは、4年来の付き合いで、仕事を通じて知り合った。
彼は、昔、アムステルダムにいたが、今は、ロンドンに在住。トレンドの最先端、MTV Europe社で、マーケティングをやっていて、ヨーロッパ中を飛び回っている。

はたから見れば、世界を股にかける、業界のビジネスエリートだが、大変気さくな人柄を持っている。

私は、ヨーロッパ好きを自称しているが、戸田さんは、それ以上に、ヨーロッパにどっぷり浸かっていて、文化面のアプローチが非常に、深い。
その一方で、「俺は日本人だぞぉー」という自己主張に、こだわりの美学をお持ちで、ヨーロッパかぶれの日本人に、ありがちな、とっつきにくさがない、非常に魅力ある中年です。

本を出版するくらいだから、文筆に長けている(印税が入るんだろうな、いいないいな、私がHPに幾ら、文章を書きなぐっても、一銭の足しにもならない)。
そして、話も面白い。呑みにいく度に、笑わせてくれるし、本に書けなかった裏話なんかも、聞かせてくれる。


戸田さんが、ロッテルダムの私の職場に、出張で来られた折り、夜、歓楽街のストリップショーを見せる、ナイトクラブに、案内した。
ご本人の、名誉の為に付け加えると、戸田さんは、上品に何杯か、飲んで、さっと帰りました。

「欧州の路上で」の中でも、綴っていらっしゃるが、戸田さんは、その手のお色気は、あまりお好きでなく、「カサブランカ」のボギーが、バーで吐く台詞を、人生の教科書にして、男の美学を追求する人です。
後日、この時の、ストリップショーの、「感想文」なるものを、戸田さんが、私にファックスしてきてくれました。

この、「感想文」が、抱腹絶倒ものでして、ここで公開したいのですが、何しろ今では、プロのエッセイストになられ、著作権も関係しそうなので、残念ながら、掲載できません。


戸田さんの、面白い文章を読みたい方は、
「欧州の路上で」-異文化を知る旅
アルク出版 ISBN4-87234-918-0
880円で、お求めになれます。
(別に、私は紹介してと、本人から頼まれた訳ではありません、念のため)