自動車泥棒
Dec.29.98

自動車泥棒【じどうしゃどろぼう】

今日は、ドイツの自動車泥棒の話。

日本では、あまり自動車が盗まれる事は、ないが、陸続きのヨーロッパでは、頻繁に起こる。
知人でも被害に会った人は、いるし、確かに、国境を越えて、ナンバープレートを偽造すれば、そう簡単に警察も 捕まえられるものではない。

車体の製造番号くらいが手がかりだが、いちいちボンネットをあけて、検問する訳でもないので、事実上、一旦盗まれたら、諦める方が良いと言われている。
この自動車の盗難保険も、頻繁に起こる大都市や、国境近くの街だと、高くなったりするというから、かなり大掛かりな、犯罪組織が背後にあるらしい。


今日のお話は、純粋に車を盗む快感を楽しむ、犯人について。 クリスマス中は、新聞も休刊だった。
今日たまたま、売店で、デュッセルドルフの地方紙"Rheinische Post"を買ってきた。
昔、デュッセルドルフに住んでいた頃は、結構この新聞を愛読していた。
インターネットでも、HPがあり、日本語情報も少しのっている。

今日の、12月29日号の、地方版の頁に、天才自動車泥棒少年の、話が同時に、二つ載っていた。重複部分があるので、二つを、以下要約してみる。



「両親、教師、少年院、カウンセラーの、
誰も Daniel(13)にブレーキをかけられない」

(Monheim/Duesseldorf発)

モンハイム市の、13歳の少年、Daniel君は、自動車窃盗事件を連続して起こしている。
このDaniel君の、過去最大の"仕事"は、トラックを盗んで、国境を越え、フランスまでドライブし、Biarritzで逮捕された。
その後も、懲りずに犯行を重ね、12月には、とうとうDuesseldorfの少年院送りとなった。
ところが、このDaniel君、お金持ちが高級車をぶんぶんと、飛ばすこの街(蘭学者註;Duesseldorfというのは、ドイツ人の間で、鼻持ちならない、成金趣味の俗物が、高級車を手にいれて、自慢しながら走る街という、イメージが定着している)で、また腕がうずいたらしい。
今度は、時価80,000マルク相当の、Mercedes Benzのタクシーを、クリスマス前の、23日に失敬して、逃走した。
25日のクリスマス当日に、Duesseldorf市内で、車の中で眠っている所を一旦発見されたが、目を覚ますなり、再び車を発進して、逃走。今日時点では、まだ手がかりがつかめていないという。


これ以上詳しい事は、書かれていない。
クリスマス中も、盗難車の中で、眠り逃走を続ける少年の姿は、なんだか映画になりそうな話で、なんとなく興味を持った。

13歳から、盗みの道を極め、やがてはロナルド ビッグスのような、大物になるかもしれぬ。