同窓会U
Feb.1.99

同窓会U【どうそうかいパート2】

12月に、同窓会という題で、書いた続編。
前回は、S女史が出席できなかったが、今回は、アムステルダムで、銀行員をやっている、Kと一緒に、ロッテルダムにて三人が再会した。

それぞれが、いろいろ多忙の身だったので、それぞれは会っていたのだが、三人が一堂に会えるのは、初めて、つまり14年ぶりだった。

14年の月日は、長い。非常に楽しく過ごした。
香港に長く住んでいた、S女史の好みにあわせ、本格的広東料理の店にいって、遅めの午後に、初めて、ひたすら食べ、呑んだ。

あいつは、何してるのかなぁ、というお決まりの話題もあるが、今回は、結構お互いの、近況を語り合った。

学生時代は、この三人で会うというパターンは、なかったが、14年を経てこうやって、遠い異国に、それぞれの人生を辿って、なんの縁だか再び会えるのも、非常に不思議だ。

我々の学んだ、大学のドイツ語学科は、日本の大学らしくなく、非常に課程が厳しく、出欠や宿題はかなりシビアだった。
いまでも、私は、テキストの文例を沢山覚えていて、暗唱してみせた。

「今になって、それだけすらすらと、出てくるのに、どうして学生時代は、劣等生だったの?」と、S女史にばっさり、斬られた。

料理を食べおわってから、二次会へ移動した。ディスコバーだ。やはり、昔の仲間に会うと、若返った錯覚を起こしてしまう。普段は、そんなにディスコに行こうという気には、ならぬのだが。。。

S女史が、「私達が、大学に入学したのが、18歳だったと考えると、もうすでにその倍の年齢に達してしまったのね」と、現実に引き戻した。

「確かになぁ、年をとった自覚は、あまりなく、いまでもなんとなく、20歳代の気持ちでいるんだけど、周りはそう見てくれないのは、悲しい現実だよなぁ」と私が、答えると、

S女史は、「そうやって、いつまでたっても、自分だけで、若いと、思い込んじゃって、年老いていくのよね」と冷たい現実を語る。

でも、彼女は、我々男二人に比べて、なんとなく若々しいエネルギーが、あるのをずっと私は、感じ取っていた。

離婚が成立して、再び独り身になった、彼女は、新しい恋をしている。
胸が苦しくなるような、ときめく想いらしい。
Kと私は、とっくにそんな感覚を忘れてしまったので、聞いていると、本当に羨ましくなってくる。

再会を約束して、夜遅く、分かれて、私は中央駅に向かって歩きながら、ようやく気がついた。

やはり、これだ!人を若く保つもの。こそが、その秘訣だと。