お札
Feb.8.99

お札【Banknote】


あちこちの国に、行く都合上、財布の中には、結構いろいろな国の紙幣が入ってる。

何も、いつも持ち歩かずに、必要な時だけ持っていけばいいじゃないか、と思うでしょうが、そうしていると、肝心な時にいつも忘れてしまう。

かくして、私は常にいろんな国のお金を持ち歩いている

これは、お札に限らず、小銭もです。むしろ、肝心なのは、小銭。ホテルや、レストランみたいな、大き目の支払いは、クレジットカードで事足りる。

街中に行けば、キャッシュディスペンサーで、その国の現金を引き出しできる。

しかし、ちょっと、パーキングメーターに、とか、バスに乗るときに、すぐ必要になる小銭も結構貴重です。

結局、写真のフィルムケースに、通貨毎にストックして、車のケースの中に、ごろごろ転がしている。


今日、財布の中に入っている紙幣を、取り出してならべて見た。

新通貨ユーロ誕生といっても、現金の流通は、2002年まで待たねばならず、それまでは隣国の通貨も、持っておく必要がある。

オランダギルダーは、勿論、ドイツマルク、フランスフラン、ベルギーフラン、イギリスポンド、ロシアルーブル(おいおい、持ち出し禁止だろうが)米ドルが入っている。

個人的に好きなのは、フランスの50フラン札。
作家であり、飛行家であった、Antoine de Saint-Exupery(1900-1944)の肖像と共に、彼の名作「星の王子さま」が立っているデザイン。
透かしの部分には、特殊インクで、物語の最初に出てくる、「象を呑み込んだ蛇」の絵。
裏側には、王子さまと、彼の愛機が描かれている。

いろいろ、見比べていて、一つ気付いたことがある。

イギリスポンドは、(たまたま手許にあるのは、20と5ポンド)エリザベス女王の肖像が、でーんとプリントされ、
"I PROMISE TO PAY THE BEARER ON DEMAND THE SUM OF ....POUNDS"の支払い確約が入っている。

一人称で語り掛けるのは、誰だ?
エリザベス女王が、いくら金持ちだとは、言っても、発行済みの、流通ポンド紙幣をバッキンガム宮殿前に積み上げて、「さぁ、耳そろえて、払ってもらおうじゃないか」と言われたら困るだろう。

多分、この"I"たる、一人称は、Bank of EnglandのChief Cashierなのだろう。

さて、ユーロの誕生で、基軸通貨としての立場が弱くなりつつある、とは言え、世界最強の通貨、米ドルは、如何でしょうか?

財布に入っていたのは、ハミルトン、ジャクソン、グラントの三氏。ワシントンとリンカーンは持ち合わせが無かった。

"THIS NOTE IS LEGAL TENDER FOR ALL DEBTS, PUBLIC AND PRIVATEと、支払い確約に近い文句が、矢張り入っている。
裏側には、ご丁寧に "IN GOD WE TRUST"と大仰な、お言葉までついている。

因みに、他の欧州紙幣には、そのような文句は入っていない。とすると、わざわざ支払い確約をする辺りは、猜疑心の強いアングロサクソン特有の、性質なんだろうか?と、意地悪な解釈をした。

ゲルマンとラテンのお札は、(といっても、上に列挙した通貨だけだから、結論づけるのは無茶ですが)その辺は、おおらかなんでしょうかね?

日本の円にも、そんな言葉は、入っていなかったよね?(今、手許にない)

但し、フランスフランと、オランダギルダーには、「偽札つくると、後ろに手がまわります」という、脅し文句が書いてある。
(実は、蘭学者はフランス語は、話せないけど、読むくらいは出来るのだ。今後の習得課題と位置づけています。)

ベルギーフランは、旧紙幣には同様の、脅しが入っていたが、新札には入っていない。偽札づくりの検挙を諦めたのだろうか?

かつて、世界史上でもまれにみる、超インフレ最悪通貨と言われた、ドイツのマルクも、今や、欧州最強の通貨として、ユーロにバトンタッチした。

クララ シューマンがやさしく微笑み、裏側には、ピアノ。文言は、なにもない。
つおい通貨の風格みたいなもんが、漂う。


さて、最後に残った、ロシアルーブルだが、、、ゴメン。ロシア語で何か書いてあるけど、わかんない。

たとえ何が書いてあっても、誰も信用しないよね。

エリツィンの署名で、「俺が絶対支払いについては、責任もったる」と書いてあっても、IMFが、きっとトイレットペーパーにするだけでしょう。