欧州連合
Mar.17.99

欧州連合【European Union】


EC(欧州共同体)が、発展して出来た連合。
ローマ条約を、憲法とし、その後、マーストリヒト条約、アムステルダム条約を経て、現在に至る。

国家の利害を越えて、西ヨーロッパの共通の発展のための、政治経済の組織となった。

本部は、ベルギーのブラッセルにある。


オスカー ラフォンテーヌについて、「ホロコースト」のタイトルで、文章を書いた。

彼が、突然今週ドイツの蔵相を、辞任した。

全く突然の発表で、SPD(社会民主党)本部も、コメントに苦慮していたようだが、もともと閣僚の中でも、浮きまくっていたし、首相シュレーダーとの仲は、もともと良くは無かった。

左寄りの政策を取っていた、SPDの中で、彼は左派の代表。

一方、シュレーダーは、当初から中道路線を強調し、保守層の支持も取り付けつつ、政策運営をしたかった。

ラフォンテーヌが、スタンドプレーを連発するのを、みて面白くなかったのは、当然だ。

英国の、大衆新聞は、ラフォンテーヌを「欧州で、最も危険な政治家」とこきおろしていた。

金融政策に、口出しをしすぎた彼は、独立性を重んじる、欧州中銀からの受けも、最悪だった。

どこにいっても、嫌われるようになって、彼もいい加減、嫌気がさして、辞表を叩き付けたのかなと、思っていた。
少なくとも、昨日までは私もそう、思っていた。


今日になって、突然、EUの閣僚が、11人総辞職すると、サンター代表が発表した。

一連の、会計不正疑惑などの、スキャンダルや、マネジメント能力の欠如を指摘されて、総辞職した格好だ。

勿論、こんな事は、EU始まって以来の、出来事だ。

ラフォンテーヌの蔵相辞任を、好感してEUROは、一旦値を上げたものの、お陰で今度は、政治の不安定を材料に、外為市場で売られてしまった。

この時点で、私の考えは、変わった。

まだ、ジャーナリズムもここまで、書いていないが、敢えて私見を述べさせてもらおう。

ラフォンテーヌは、EUの委員長、すくなくとも閣僚入りを狙っている

だからこそ、彼はこの時期に突然、蔵相を辞任して、体を開けたのだ、と思う。

税制改革の不評の、責任をとったとかいう噂は、後付けの理由に過ぎない、と私は見ている。

もし、当たったら、私はこれから、この蘭学大全シリーズを、もっと政治評論に傾倒させよう。

すでに、去年秋の、SPDの政権奪取、組閣の時点から、シュレーダーと、ラフォンテーヌの相性には、疑問の声があった。

シュレーダーも、雑誌 "Der Spiegel"あたりから、傀儡首相と、風刺されてしまい、連立政権の首相としての、威厳を保つためには、ラフォンテーヌという、やかましいおやじを、厄介払いする必要があった。

その時に、まことしやかに、流れた噂が、「ラフォンテーヌ次期EU委員長立候補説」だった。

ラフォンテーヌは、本当はドイツ首相になりたかったが、個人的には人気がないことは、自分もわかってたから、敢えてシュレーダーを、首相候補に最初から、指名した。

しかし、蔵相というポストは、彼にとっては不服だった。

現に、シュレーダーが、米国でクリントンにあっている留守中に、自分の権限がためを、どんどんやっていた事を見ても、彼の権力欲は、まだ充分満たされていなかった事は、明らかだった。

そこで、シュレーダーとしても、この際、ラフォンテーヌが辞めて、EUに専念してくれれば、議会の調整は楽になる。

ラフォンテーヌにとっても、EUの委員長なら、ポストとして不服はない。

現在、フランス、イタリア、英国などの主要加盟国では、左派政権が主流だけに、ラフォンテーヌは、すでに人的コネもあるし、可能性としては、彼が出てくる可能性は高い。

しかし、この男に、EUの実権を渡すべきでないと、思う。

もし、本当に、彼がEU入りを発表したら、なぜ彼が適任でないかを、解説しよう。