ラマダン
Dec.19.98

イスラム歴の第9月といわれても、ピンと来ないが、確かイスラム歴は太陰暦なので、春頃に新年を迎える。
個人的に、イスラムの知人で親しい人はいないので、どのようなものか、判らないが、ラマダンは、イスラム教徒にとって、非常に大切な儀礼である。
よく、断食月と呼ばれるので、禁欲的な暗いものを想像していたが、かつてイラン、イラクに勤務していた、同僚が言うには、むしろ明るいお祭りらしい。

確かに、日の出前から日没までの断食と限定しているから日没になってしまえば、たらふく食べていいらしい。あえて、日が短いこの季節を選らんだのか?と不謹慎な想像をしたが、考えてみれば、大半のイスラム国は、緯度の低い位置にあるから、あまり関係ないだろう。

この時機に、米国が、英国と連合軍を組み、イラクへの空爆をしている事は、信仰ある教徒には耐え難い侮辱であろう。
生憎、クリントン大統領も、ブレア首相も、信仰よりも、侵攻にしか関心がなさそうだ。 以前、エッセイの項目で書いたが、一般市民を巻き添えにする空爆に、私は大反対であるから、今回の攻撃は全く支持していない。もっとも、イラクのフセイン政権も支持していないし、早く転覆して欲しいとおもっているから、イラクに対し制裁を与える事は必要だと思う。
しかしながら、冷戦が終了した今、国連決議を得られない攻撃は、世界中に恐怖感を与え、ひいては敵にまわす効果しか生まない事を、アメリカは学ぶべきだろう。