土産角長牛頭蓋骨的顛末記/ロングホーンの逆襲、の巻その結末 {デ〜ス〜マ〜ス〜クゥ〜!!!!!!!} マントラの欠片だの、天使の羽だのを撒き散らしながら、派手な雷光と共にシャカのテレパシーが飛んできたのは、デスマスクが夕食のパスタを茹でようと、鍋をかけた直後だった。 シャカの怒りの小宇宙で鍋の中の水は一瞬にして沸点に達し、こりゃ都合いいっぴ、グラシア、グラシアとパスタを鍋に入れかけていたデスマスクの脳裏に、直接送り込まれた実況中継テレパシーの画像に、流石のデスマスクも、慌てて箱半分のパスタを床にぶち撒いてしまった(細いパスタが目に刺さった、台所床の死仮面が悲鳴をあげたのは言うまででもない)。なんと処女宮では、なにやら角の長い牡牛が大暴れしていたのである。 「な・・なんだよ、その牛!一体どっから、持ってきたっぴか?」 デスマスクとシャカのテレパシーが飛び交う下、獅子宮の厨房では怒りに震える魔鈴をアイオリアとレオの聖衣が必死に宥め、巨蟹宮ではパスタがぐりぐらぐりぐら煮えるその間も、牛は処女宮の支柱に体当たりをするかと思えば、シャカ自慢の曼寿紗華を食い散らす、を繰り返している。それは紛れも無く、デスマスクが癇癪をおこしてデスクイーン島を破壊してしまった際、とばっちりをくって骨と化した痩せ牛だった。但し、蘇生のついでに精を付けたか、今では立派な筋骨隆々たるブルだったが。 「骨が勝手に牛に戻ったのは、俺様のせいじゃないっぴよ。そんな、文句言ってんなら、さっさと始末すればいいじゃんか」 笑い転げていたデスマスクは、シャカがかっと、その目を見開いている事にも、背中に極彩色のマントラを浮かび上がらせている事にも、全く気が付いてはいなかった。 ・・・・・てんぶ・・・・ 「あじゃぱー!!でっぴー、またまた冥界で、お世話になるっぴかぁ?!?」
南回帰線上を宇宙高く吸い込まれていく竣光は、地球上各地で観察、記録された。そして、「二輝(ニッキー)」と名付けられたロングホーンは、今日ものどかに処女宮の庭で草を食んでいる。巨蟹宮で煮え続けていたパスタが一体どうなったのか、それは作者の知る所ではない。 |