でっぴーの出張、の巻


はっろ~、れいでぃーず!はぁうあ~ゆ~??

今日は俺様、ちょっといつもと違うって?ちっちっち!(指振り振り)俺様、実は重要任務の真っ最中なんだっぴ。思い起こせば、あれは、先週の金曜午後4時55分。
「よぉ、きょーこー!今、帰るとこ?あれ?なんだ?定時までまだ少し時間があるっぴよ。いくらハナキンだからって早退はいかんなぁ」
「・・・わたしは、まだ就業中なのだ、デスマスクよ」
サガは顔は笑顔だが、髪の毛の先が黒くなってる。正直な男っぴ。
「今日はお前に命を下すために、ここに立ち寄ったのだ。あの一輝が己の師を討取り暗黒聖闘士を屈服させて、鳳凰座の聖衣を我物として以来、デスクイーン島では聖闘士訓練が行われていない事は、お前も承知だな」
知らんかったけど、一応頷くっぴ。あんなにウジャウジャとデスクイーン島に巣食ってた暗黒聖闘士って、そういやみんな冥界だっけ?そりゃ、ハーデスのおっさんもいじけたくなるっぴね。あんな悪がきどもが、あの世で悪さばっかりしてんだから。
「だが、その苛酷な自然環境と外部から隔離された立地条件は、聖闘士の訓練には正に打ってつけ。うち捨てておくには余りにも惜しい場所」
お買得物権ってヤツ?
「そこでだ、デスマスク。お前にデスクイーン島の様子を探ってきて欲しいのだ。知っての通り、聖域には新たな血が続々と参入し、若い聖闘士候補生が聖域周辺に溢れている状態。次の世代の聖闘士の訓練を即刻進めねばならぬというのに、この様な状態では訓練もままならぬぬ。最早、猶予は許されぬ状況にあるのだ」
世間は不況だってのに、聖闘士業界は人手不足なんだなぁ。この間シルバーも、まとめておっ死んだままだし・・・なんて物思いに耽っていたら、5時の鐘が鳴り始めた。
「それではデスマスクよ、来週早々に出るのだ。よいな」
そう言い残すと、サガはとっとと出て行った。素早いっぴ・・・・
で、俺様、遠路はるばる、北米大陸南端に近い、リオ・グランデに浮かぶデスクイーン島、通称DQ島(赤毛のアンの島、プリンスエドワード島がPE島なのと同じっぴね。かわピーvv)にやってきたわけだ。島っつっても、ここは実は大河に浮かぶ中州みたいなもん。日中には気温が体温を飛び越えて蒸焼き状態、砂漠なもんで夜はいきなり氷点下。乾季には何ヶ月も雨が一滴も降らず、雨季には濁流に飲まれる、なんでわざわざこういうトコに住まなきゃなんないの?的、環境なんだっぴ。見渡せば乾いてひび割れた土の上に所々サボテンが生えているだけの殺風景を、時折、ロングホーンって種類の、角の長い痩せ牛がフラフラと通り過ぎて行く。

ん?あっちから聞こえてくるスペイン語は?
「ビザを約束するって言うから来たのに、小麦粉3袋の借金のカタに奴隷労働なんて、サギだぜ、アミ~ゴ~」
「だから、グリンゴなんて信用できないって言ったんだ、アミ~ゴ~」
「ぬわんだとぉ?!国境越えてアメリカに行けば、一攫千金、アメリカン・ドリーム。一気にリッチなんて言ったのはテメエだ、アミ~ゴ~!!」
「そいつにホイホイのったのは、てめえだ、アミ~ゴ~!!」
おー!これが、DQ島名物、お値段、小麦粉3袋の奴隷奉公メキシコ不法移民!!噂には聞いてたけど、実物を見るのは初めてッぴ!!カメラ、カメラ・・・

連中のラジオからは、カントリー・ミュージックが大音響で島中に響き渡っている。この辺りでは、ラジオは全局カントリー・ミュージックしか流さないって本当なんだろうか?だとしたら思った以上に苛酷な環境だよな。

俺は孤独なカウボーイ、砂漠に浮かぶあの星を君も見上げているだろうか
俺は孤独なカウボーイ、あの星だけが俺と君とが共有できるもの、ららら~
あの星に祈るよ、俺の事は忘れて、幸せになってくれ~、じゃじゃじゃん(ギターの音)

・・・クサい・・・うちの歌好き死仮面達でも鼻で笑うっぴよ・・・こんなのずーっと聴いてたから、あのシャカが気に入ってるトリは、ああゆう何か浪花節な性格になっちまったんだろうな。納得、なっとく。

「へ~い、あみーごぉ!この辺じゃ見かけない顔だけど、国境越えたばっかりかぁ?」

し、し、し・・失礼なっっっっ!!!!!!

俺様のどこが不法移民に見えるっぴ!?!黄泉比良坂に突き落としたろか!
「あ、コスモォ!父ちゃん、馬鹿だなぁ。聖闘士だよ」
おお!なかなか出来のいいガキだっぴ。
「でも、なんか、おじちゃんの聖衣ヘン。キンピカ~」
あほー!!!!誰がおじちゃんだと????
「本当だな。金めっきのバッタもん聖衣じゃないか?」
「そうかもな、父ちゃん!わははははは!」

でっぴー、怒り爆発!燃え上がれ、俺様の小宇宙!真紅の青年伝説ぅ!!


どっかーん!!!


まずい・・・・やりすぎた・・・DQ島は、粉々の破片になって川底にぶくぶく沈んでしまった。俺様の足元を
「アミ~ゴ~!このまんま、流れてメキシコまで帰るぞ~」
「かあチャン、今帰るかんな~」
などと言いながら、さっきの不法移民が流れていく。
「おじちゃん、島を砕いちゃ駄目じゃないか~!」
また、おじちゃん言うなー!!
「こら!黙れ」
オヤジががきの頭をポカリとやった。へーんだ、いいきみ!と思っていると、がきと親父もどんどん下流へ流れていった。しかし・・・・お買得物権デスクイーン島を破壊してしまいました、なんつったら、教皇に怒られるかも・・・・教皇にお土産でも持ってかえって機嫌取った方がいいかも・・・っつても、こんな所に土産物屋なんてないし・・・(あったとしても、さっきのでリオ・グランデに沈んでメキシコ湾に流れていったっぴね・・・くっすん)
マンモス・しょげピーのうなだれた俺様の目の前を、どうやら直撃食らったらしい、さっきの元痩せ牛が骨だけになってぷかぷか流れていく・・・痩せ牛も骨だけ見てりゃ立派なモンだっぴ・・・・





「・・・・・それで・・・この角長牛の頭蓋骨を私にどうしろと言うのかな、デスマスクよ?」
「アミーゴ教皇、遠慮しなくってもいいっぴよ~。その玉座の後ろなんかに飾っちゃたらブエノじゃーん。ムイ・ビエ~ン!教皇の間が一気にウェスタン風味にへんしーん!っぴよ。そいじゃ、アディオ~ス!」
「待てぃコワッパ、デスマスクゥゥゥゥゥ!!」
あじゃぱー!髪の毛真っ黒け!デッピー、ぴんちかも~???

「アナザーディメンジョンっ!!!!!」


あじゃぱー!!!!!!!

でっぴー、暫く冥界でお世話になります ――――――――っぴ!!!!



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