ワールドカップでオレ、オレ、オレ!の、巻


遂にこの時が来たっぴよーっっっっ!!!
4年に一度の世紀の祭典、スリーテナーズも歌って踊る、史上類稀なる全人類至福の数週間!

そう!

そうっぴよ!!

ワールドカっP〜!!!!


 今回は日本が主催国の一つってんで、当然、イベントとあれば首を突っ込まずにはいられない女神も、城戸コンツェルンを率いて参入、一枚も二枚もがしがし牙剥いて噛んでるらしい。だったら、切符の一枚や二枚、誠実にして忠実な黄金聖闘士の俺様にくれたってよさそうなものなのに・・・どケチ!

 けちんぼ女神は当然、日本贔屓。日本の予選通過を狙って、あのテこのテの暗躍中ってもっぱらのウワサだけど、フーリガン発生の地・アイルランド辺りに巣食うケルト系神とか、ハリウッド映画のヒットなんかで調子に乗って出て来たオリシス、イシスなんて連中もアフリカ悲願の優勝狙ってるし、面倒な事が起きなきゃいいが・・・って、毎度、心配症のサガは頭を痛ませてるらしい。心身症で白髪が増えたら、黒サガになった時、どうやって見分けるだろーっぴね?
 しかし、女神の張り切りようを見てると、W杯の当りに何かが起きるなんて、シャカのお告げモドキも、強ち御都合主義の当てずっぽうでも無いのかも?って気になってくるっぴよ。シャカに、若しもの時の女神救出当番、替ってもらっといてよかった(その8:一輝不幸で、シャカが殺したまんま、冥界から帰ってこないやさぐれトリを現世に連れ戻すのと引き換えに、当番を代わったんだっぴ)

 でも今回は、日本に居る青銅のガキどももお祭り気分で、女神がまた悶着起して、どっかの神んとこに捕まっても、サッカー観戦を放ってまで助けに行くとは限らないっぴね。以前と違って、連中も日本での生活に慣れて、マンモス計算高い、正しい日本のハイティーンになってるっぴからね。でも、どっちにしたって俺様には他人事だっぴ なんかあっても、またシャカが救出に行けばいいっぴ。俺様はイタリア初戦に向けて準備、準備!

 大型TVは感度良好。音響効果は・・・音響効果は・・・振返れば、また、さっき追い出した筈の死仮面達が、居間にウジャウジャ集まって騒々しい。普段は勝手に移動しないよう、小宇宙でもって縫い付けてあるのだが、それでも怨念力で、TVの前に集まってきちまうヤツが後を絶たないのだ。全くこの連中、死人の癖に意志が強くって困る・・・

 中には、いつのまにか自国の旗をフェイス・ペイントしてる死仮面のなんかもいて、見回せば、結構色んな国から集まってるもんだって、感心しちゃうっぴ・・・巨蟹宮って、死仮面国連みたいなもの?俺様ってば、インターナショナルなコスモポリタンだからさ、国籍とか関係無く公平に殺っちゃったんだな。うきゃっぴ

「デスマスク、邪魔するよ。鯰のパニーニと、砂糖菓子焼いてきたからね」
おー!来た、来た!我が同志!
「遅かったぴね。もうキックオフ寸前ぴ。下の方でブラジル牛に、邪魔っぴーでもされたか?」
「そうじゃないよ。なにしろ4年に一度だからね、料理に存外手間がかかっちまったのさ」
(そんなだから、なかなか嫁にも行けないんじゃないっぴか・・・)おー、いい匂い!ま、こっち来て座れよ。その辺のフランス国旗色のデスマスクなっと、ひっ剥がして座布団にしろ」

 俺様の好物持って現れたのは、蛇使い座のシャイナだ。臨場感溢れる音響効果の俺様ん宮に、観戦に来たっつーわけ。ん?俺様ってシャイナといつの間にデキてたかって?まぁまぁ、落ち着きたまえ、お嬢さん方。そりゃ、お嬢さん方が、超絶ハンサムの上、繊細で寛大、心優しいアイドル、俺様の浮いたウワサに一喜一憂なのはわかるけど、心配はご無用。この時期、聖域勢力地図は、がらりと塗り替えられるのだっぴ。南のナポリ出身のシャイナと、北イタリー出身の俺様は、日頃は国内リーグのカタキ同志・・・っつても、ナポリなんて今期はセリエBだし、俺様、鼻にもかけてないけどさ・・・なんだが、W杯の時だけは話は別。同じイタリアの熱い血潮を分け合う者として、赤、白、緑の旗の下に一致団結っぴ!この時ばかりは、愛しのアフロディーテもライバル!でも、おんなじグループじゃなくて良かった(ほっ)

「フランス仮面ね・・・あんたのフランスに対する恨みって一体なんなんだろうね。いいけどさ、別に・・・フランスなんて見当たらないよ。だいたい、カエルどもとは別グループじゃないか。それよか今日の相手はエクアドルだろ。エクアドルのと少し遊んでいいかい?」
「好きにしろ。どっかに隠れてるんじゃないか。その辺、適当に見てまわるんだな」
シャイナは爪をカチカチ言わせながら、その辺りを探っている。もうじきキックオフだっつーに、せわしないオンナだ。 「あ、いたいたこんなところに隠れてやがった。うふ!(ぼか!ばき!さんだーくろうっ!)」

     テンション高ぴーね・・・

 死仮面をひとつ、血祭りにあげて、うーん、いい感じに盛り上がってきたっぴ。南部のオンナは情熱的。シャイナも、死仮面にイタリア語で応援の練習させたりして、ノリノリ・・・・ん??んん???なんだ、辛気臭い声出してるのはどいつだ?
この俺様が、もっぺん地獄に突き落としてくれるわっ!

「しゃいなさ〜ん、しゃ〜いなさぁ〜あん〜」
「あれ?カシオス、あんたも来たのかい?」
「おんどりゃ、俺様に殺されたんでも無い癖に、俺様ん宮に勝手に浮き出てくるとは、行儀の悪い死仮面だぜ!賽の河原で石積ませんぞ!」
「ちょ・・ちょっと、デスマスク、私に免じて許してやっておくれよ。それに、このカシオスだって、元々はイタリア人なんだしさ」
「そうなんすよ〜、カニのだんなぁ〜 TV見せてくださぁぁぁい」
辛気臭いヤツだなぁ・・・そりゃ、華々しく俺様に殺られたらっきーな他の連中に比べりゃ、ドーピング状態のあほレオに殺られたこいつがくら〜くなんのも無理はないわな・・・まぁ、イタリアを一緒に応援するってっぴなら、大目に見てやってもいいかな?でっぴーってば、心が広いから

おーし、プレーボール!っぴ!

いけー!イタリー!!


(その頃、ドルチェの匂いに惹かれて、サッカーには全く興味の無い某乙女座黄金聖闘士が、ペットの牛を連れてふらりと現れ、巨蟹宮でのサッカー観戦は一層のエキサイトメントを増したのだったが、また長引くのでここで一段落・・・日程はまだ長い。頑張れ、でっぴー!)



作者わには、サッカーの事はC翼君まんがで得た知識以外、なんにも知りません。ワールドカップの事もよく解っていません。セリエAなんて、名前を知ってただけでも奇跡です。だから、大笑いな間違いは、哀れなヤツと寛大な気持ちでおおめに見て下さい m(__;)m



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