注:これはフィクションです。 実在の人物、地名などとは一切関係ありません。 特に漫画家とか。 「――くそ野郎!」 尾田はのどの奥からうめき、迷った後、体を茂みから引き上げて、水希が倒れた小屋の方へ走った。 古びたトラクターが一台きり収まった小屋から、足だけ出すような感じで水希が横たわっていた。 コスプレセーラーの胸元から金色の細い鎖が床の方に垂れ下がり、 その先で小さなガラスの小瓶が血の池の中の小さな島のように見えた。 なんとかいう人気漫画の男性キャラが艶めかしく笑っていた。 尾田は、ぶるぶる震えていた。震えながら、水希のそばに膝をついた。 ――ああ――なんてこった。この子はもう――漫画キャラのやおい話ができないのだ。 コミケにいくことができないのだ。 河下水希 打ち切り 戻る |