注:これはフィクションです。 実在の人物、地名などとは一切関係ありません。 特に漫画家とか。 鳥嶋はどこからかカードダスの機械を取り出した。 「みんなの漫画のカードダスがここに入っていまーす。一番の人はこれで選んでその人から後は、アンケート順でーす。 ちょっと待ってなー」 鳥嶋はポケットから糸のついたコインを取り出し、気取った手つきで機械に入れるとガチャガチャと回し始めた。 その時、冨樫義博が声を上げた。これまた藤崎と同じく平静な、しかしこちらは冷たい感じの籠もった声だった。 「いつ始まるんだ、このゲームは」 みんなが冨樫のいる最後列の席を振り返った。 (荒木だけが振り向かなかった。荒木はなぜか先刻呑んだブランデーを反芻していた) 鳥嶋が手を動かしながら答えた。 「ここを出たらすぐだよ。だから、とりあえずみんな、身を隠してそれぞれ作戦を練った方がいいかも知れないなー。 今ちょうど夜だし、ようやく頭冴えてきた頃なんじゃないかー?」 冨樫は特に返事をしなかったが、それでようやく、尾田は今が真夜中、午前一時――いや、既に一時半近くなのだとわかった。 いつもならこの時間くらいから筆が乗りはじめるのだが。 鳥嶋がハンドルを回し終わり、中からカードを引っぱり出した。ほ、というように口を丸くすぼめると、 「これは剣心ですね。一番、和月くん」と言った。 戻る |