正しくないことだって知ってる。醜いことだってことも知ってる。
「それ」を見ると「虫唾が走るような気持ち」。
できれば生きている間、「それ」から目を逸らして逸らして逸らして、
目を逸らしてる自分からも目を逸らして、でも目を逸らしてる
自分にまた虫唾が走るような嫌悪感。
運命は「それ」から目を逸らそうとすると目を逸らすなとばかりに「それ」を近づけてくる。
気がつけば毎日のように「それ」を見なければいけない生活になってた。
以前は「それ」になりたいと思ったこともあったけど。
できれば「それ」が跡形もなく消えて、そんなものがあったことすら消えて、
「それ」を必要とするものもなくなったらいいのに。
「それ」を見ると虫唾が走って、吐き気がして、そんな自分が嫌で嫌で、
そんな自分がいっそのこと跡形もなく消えて、生きていたことすら消えて、
世の中は何事もなく回っていればいいのに。
毎日毎日そんなことばかりが頭の中を回って、それでも時間は経って、
また夜が明けて日が沈んで、そんな毎日が続く。
誰かがそんな循環から解き放ってくれるかもしれない。
誰かがそんな循環から解放される方法を知っているかもしれない。
そんな期待が沸いてきて、でもそんなこと考えてること話していいものかどうか迷って、
躊躇って、話せないままそれでも時間は経って、結局話せなくて、
それでもどうにかしてこの循環から解放されたいと願って祈って、
少しでもほんの一時でも解放されたいと願って、たくさん他の気持ちを頭に送り込んでみたけど、
「それ」を見た途端そんな努力も水の泡。
「それ」を見ないで済む生活にすれば、どんどん薄れて遠くなっていくかもしれない。
でもそんな「逃げ」は自分が許さなくて、また夜が更けて眠りについて
目覚めるとまたそんな気持ちが頭の中を回りだして、相変わらずの一日が始まる。
それでも循環から解放される方法をまた逃げずに何度でも力尽きるまで探す。
そんな気持ちを見失わないように。