中央日報 2004.11.29 19:52
【取材日記】安保理付託されず、安心?
26日午後4時、オーストリア・ウィーンの国際原子力機関(IAEA)本部・4階の大会議室を出た韓国代表団は、安どの胸をなで下ろした。祭りの日のように喜色満面だった。この3カ月間にわたって続いていた核関連実験事態が一段落したからだ。当初、懸念していた「国連安保理行き」を防ぎ、議長総括にとどまった。ある韓国政府当局者は「すべて終わった。運悪く、大したものでもないのに、ここまで至った」と話した。
しかし、果たしてすべて終わったのだろうか。残念ながらも、現地の雰囲気はそうではない。フレミング・IAEA副スポークスマンは「報告書が指摘した『深刻に懸念される事項』は、額面通りに受け取らなければならない」と話した。フレミング副スポークスマンは「万が一、追加査察の過程でもう一つの深刻な申告漏れが確認される場合、次回の理事会で再び協議することもあり得る」と付け加えた。
エルバラダイ・IAEA事務局長が理事会の開幕報告で「IAEA専門家の評価で、核拡散が懸念されたり隠ぺいがある、との判断が下される場合は、理事会に報告される」としたのも、同じ脈絡から考えられる。事実上、韓国政府当局にとって、悔しく思える側面もなくはない。実験に使われた核物質も微量で、その大半が約20年前に行われたものだ。イラン・リビア・北朝鮮など「ならず者国家」が行った明白な「核兵器開発意図」のものとは異なる実験だ。
しかし、国際社会の視線は冷たい。もちろん、一部外信と特定の国家が、疑惑を膨らませたのも事実だ。だが、韓国政府の最初の対応も未熟だった、との点を見過ごしてはならない。政府当局者が「なんでもない」、「知らない」と、いい加減な説明を繰り返し、疑惑が雪だるまのように膨らんだからだ。今回の事態は「実際、何でもないことでも、誤った対応をすれば、このようなことになり得る」という厳しい教訓を与えている。
核不拡散をめぐる国際社会の管理体制が非常に厳しくなった、との点も肝に銘じなければならない。「われわれは堂々としている」、「悔しい」などの感情的な対応だけでは、IAEA査察団を納得させることができない。IAEAは12月に、査察団を韓国に再び派遣するなど監視の度をゆるめずにいる。すべての問題がきちんと整理されていない、とのことである。油断は禁物だ。
柳権夏(ユ・クォンハ)ベルリン特派員 < khyou@joongang.co.kr >
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