つまり、単なるエッチが本当のセックスに変わるとき、女性は初めて性愛に目 覚めると言ってもいいかもしれない。

------【歯ブラシ さんからのお便り】----女性：１９歳-----------------------

　　私は、男友達がたくさんいるのですが、なぜかその9割とエッチしてます。お互
い、彼氏彼女が、いたり、いなかったり。時によります。私は、彼氏はいたので
すが、今まで人を好きになった事がないので、一応愛し合ってる。という形式を
とってました。
　そして、男友達とは、２人きりで遊ぶと、必ずといっていいほどエッチにいた
ります。
　私は、都合のいい女ですか？
　でも、実は最近、私も彼らを利用してるのかな。って思ったりします。ってい
うのも、男友達とのエッチは、彼氏とよりも責任？がなく、開放的で、自由な関
係でいられるから好きなんです。それに、友達という関係より少しだけ深まる気
もするし。
　そして、他の理由は、エッチを求めてる男の人ってかなり年上でも、子供っぽ
くて、かわいく感じて。私が焦らしたりすると特に。今回はどんな工程でエッチ
にいたるのかな？っていうのもおもしろいし、バーチャルな関係って好きなんで
す。
　私は、エッチは好きでも嫌いでもありません。どちらかと言うと、めんどうだ
ったりします。してるときはもちろん楽しいのですが。
こういうのってやはり変ですか？ エッチを軽視し過ぎですか？
　今かなり気になっているのは、ほんとうに私は人を好きになれるのかな。って
いう事です。こういうのが一生続くのかな。って思うんです。
　周りの女の子はみんなエッチしたかしないかって重要な事らしく、私の事をよ
く理解してくれてる子も、その子の彼氏とエッチした事あるのを知ってあまりい
い顔しませんでした。でも、私にはそれが理解できません。
こんなばかな私に、誰かアドバイスください。

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　最近、歯ブラシさんぐらいの年齢層の女の子たちで、エッチした相手の数を自 慢し合う子が増えてるそうですけど、歯ブラシさんはそういうんでもないんです よね。
　どちらかというと「好奇心」から？
　歯ブラシさんも言ってるように、エッチそのものにはそれほど思い入れという か、深い感覚はないというのは、まだ十分性感に目覚めてない女性では普通のこ とだと思う。だからこそ、逆にエッチというのをそれほど重要に考えたりしない とか？

　ただ、観念的な性道徳みたいなものや、性にまつわる損得勘定から、たとえば ３回目のデートぐらいでキスして、次にペッティングも許して、それから寝ても いいかな……というふうな計算尽くの行動もちょっと疑問に思う。

　それよりは、ちゃんと相手の男性を「見極める」力を身につけることのほうが ずっとたいせつでしょう。
　はっきり言って、たいていの男性は、そこそこの女の子だったら機会さえあれ ば寝てみたいと思う動物なんだよね。たとえ深く愛してる女性がいても、そうい う思いは潜在的にしろ意識的にしろ常にある。
　ここんとこが、女性と男性の生理の違いで、男性の方が「浮気」しやすいのも そこに原因がある。

　ところが、男性にだって「誠意」がある男と、そうじゃない男とがいる。
　女性にとっては、愛する男性が他の女性と……っていうのは耐えられないよね。 もし＜どうってことないぢゃん＞と思うなら、愛してないだけのことでしょう。 それは男性にだってわかってる。分かってるからこそ、他の女性への欲求があっ てもそう簡単に寝たりはしない。あるいは、たとえ万一そういう機会があったと しても、愛する女性にそのことを知られるようなことはしない。

　歯ブラシさんも、誰かを本気で愛するようになったら、愛が「一人対一人」の 関係だってことに気づくだろうし、またそうでなきゃ！って思うようになるんじ ゃないだろうか。

　たしかに、恋人関係っていうのは或る意味「重い」とこがあるかもしれない。 どこか心理的に縛られてるような感じだとか、いろいろと欲求がましいこと言っ たり言われたりとか。
　お互いフリー感覚で軽いノリの関係ってのも、たとえばパリなんかでは昔から 結構あったみたいだし、日本でも増えてきてる感じだよね。
　ただ、パリのお話で言うと、その裏には徹底的な「孤独」とか「個人意識」っ ていうのがあって、ハンパなノリでセックスだけ楽しんでるってわけじゃないら しい。

　きちんと孤独も自分一人で引き受けていけるという自信があるのなら、錘のつ いてないフリーな性関係を楽しんでいくっていうのもアリかもしれない。だけど、 単なる好奇心とか淋しさや退屈を紛らすためだけに浅くエッチばっかしてると、 だんだん孤独＝淋しさみたいな弱さがつのってくだけっていうことにならないだ ろうか？

　誰かを本気で愛するっていうことは、決して軽いことじゃない。
　楽しかったり快かったりするだけじゃなく、それと同じかそれ以上に苦しかっ たり淋しかったり哀しかったりもする。
　ただ、そのメジャーな面もマイナーな面も含めて、ただ自分一人で充足してる のでは得られないような、どこか現実を超えた世界観や人間観が芽生えてくるの が愛であり恋だと思う。

　そのためには、まず孤独の味わいを知るといいよ。
　孤独から逃げるばかりしてる人は、人との深い愛や恋を知ることは出来ないだ ろう。なぜなら、そういう人間関係は単に空虚という穴を埋めるための慰めでしかないから。。。