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                                  ◎ Weekly ヨータ ◎
                                           第18号
             September 13th 1998発行
                       Yota Serizawa in Austin, Texas, USA
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日本は大雨で大変な被害が出たそうですが、無事にお過ごしでしょうか?
こっちはようやく暑さも和らいできて、日に日に涼しくなってきています。
といっても昼間の日差しの強さは相変わらずで、秋だなあって感じはあん
まり・・・けど、聞くところによるとこちらでも紅葉らしきものがあるらしく、
そろそろ木々に黄色味がさしてくるそうで、自然の多いここAustinでは
日本のような雰囲気も味わえそうです。

〜今週のトピック〜
・ひょんなことから国境越え・・・その1

<ひょんなことから国境越え・・・その1>
先週末は月曜日が Labor dayという祝日でした。週末が近づいてもとくに
予定もなく、いつもどおりにのほほーんとしていたのですが、やっぱりここ
はアメリカです。週末が近づくにつれ周囲のアメリカ人たちが「このウィーク
エンドはどうするんだ?」なんて事をいつものように聞いてくるわけです。
とくに今回は3連休だったこともあって「どっかいかないのか?」なんてこと
を執拗に聞いてくるわけです。

当初の予定では、週明けの火曜日からオレゴンに2週間ほど出張が入っ
ていたため、誘われていたLas Vegasへの旅行も断って準備をしようと思
っていたのですが、突然のキャンセルだったためにラスベガス行きも復活
できず、途方にくれていたのです。そんな感じで週末の予定もない金曜日
の晩に、前の週に車をスピンさせたTさんと同期のKの3人で夕飯を食べ
にいくことになったのです。

そこで出た話題は大雨の中での事故の話しと共に、(きっと二人とも散々
聞かれたのでしょう)この週末の過ごし方についてです。3人とも独身で、
しかも週末にとくにやることもなかったために「せっかくの3連休だから、
どこかに行こう!」ということで話しが盛り上がったのです。そして出たの
が、前々からKと僕の二人で冗談っぽく話していた「メキシコまで行って
本場のメキシコ料理を食おう!!」という案です。この話はかなりいいか
げんで、せっかくメキシコの隣の州に住んでいるのだから、車でひとっ
走りして、ただ国境を越えてパスポートにスタンプを押してもらって帰って
こようというものなのです。そして、ただ行くのもなんだから本場でメキ
シコ料理でも食べてこようという非常に安直なプランだったのです。
でも安直だとは言いながらも、実は車でメキシコまで行こうと思うと、
ハイウェイを7,8時間ぶっ通しで走らなくてはならず、かなり無茶なプラン
だったことも付け加えておきます。

こんな無茶なプランにもかかわらず、日ごろのうっぷんがたまっていた
のでしょうか、「行っとくか!!」と意外なほど単純に週末の予定が決ま
ってしまったのです。飯を食っていた中華レストランを出た3人は、駐車
場で地図を囲み改めて自分たちが行こうとしている場所を確認したの
ですが、やっぱりというか当然のようにメキシコへの道のりは遠く、ちょっ
としりごみしてしてしまったのですが、Kと僕はなんとかなるだろうという
相変わらずの言い加減さ。ところが何事もはっきりしていないといやな
Tさんは地図を見ながらああでもないといろんな案を出してくるのです。
そして最終的にTさんが話を聞いたことがあり、メキシコとの国境沿いに
あるBIG BEND国立公園に行くことになったのです。国立公園といっても
日本のものとはスケールが違い、日本ならどこかの市ほどもあるデカさ。
一体何があるのかわからないけど、とにかく景色のいいところだという
Tさんの得た情報をもとに行き先が決まったわけです。

土曜日の夜12時。僕のアパートに集合した3人は一路南へ向けて
出発したのです。車はK所有のアメリカンサイズのトラック。昼間、会社
に行っていたTさんは後部座席で仮眠の体制。Kが運転、僕が助手席
で暗く、対向車も居ない道をひたすら走っていったわけです。途中の
道のりはやはり田舎ということもあって、何マイルかおきに小さな町が
あるといった感じ。そんな風だからガソリンスタンドを見つけたら、そこに
立ち寄ってガソリンを入れられるときに入れておくという作戦を立てて
ひたすら向かっていったわけです。

1回目の給油後、出発してから1時間半ぐらいたったころでしょうか、
真っ暗な田舎道を走っていると、突然Kが「お、おーっ!」とタダならぬ
様子。次の瞬間1週間前の悪夢が僕の頭をよぎりました。「なんだ
なんだ!?」と一瞬戸惑うと、すぐに原因がわかりました。後方から
赤と青の回転灯をまわしたポリスが我々の車にパッシングをしている
のです。どうしていいかわからずに大騒ぎしているKと僕の声で目を
覚ましたTさんが「車を止めろ!!」と言うと、我に返って道路脇に
停車させ、警官がこっちに来るのを待ちました。その間は、一体どう
なるんだ???車から降ろされて地面に腹ばいにさせられるのか??
といろんなことを考えました。なんせ、55マイル規制の道を80マイル
以上でかっ飛ばしていたのです。警官が車の横まで来て、車内を懐中
電灯で照らすと、アジア人が3人乗っているのを見て一瞬驚いた様子。
「どこに行くんだ?」という問いに「Big Bendまで。」と言うと更に怪しん
でいる感じ。その後、僕たちはいくつかの問いにひたすら下手に出て
答えると、スピードチケットを一枚渡し、去っていったのです。大事には
ならなかったものの、それまでの妙な盛り上がりからすっかり意気消沈
したKから僕に運転を交代して車は再び走り出した・・・各々一抹の不安を
覚えながら・・・

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ちなみにこのメールは転送大歓迎です。読みたい人は名前とメールアド
レスを書いて僕宛にメールをください。メーリングリストに加えさせていた
だきます。
アドレス; yotas@msn.com
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今週はここまででいったん区切ります。先月のネタ切れ状態と比べると
今はかなり潤っています。かといって一気にネタを使いきるようなことを
せず、大事にこの話を使いたいと思います。なんせそれだけの体験を
してきたからね。

それじゃ続きをお楽しみに!!

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    Yota Serizawa   芹澤 洋太
      Austin, Texas, USA
    e-mail ; yotas@msn.com
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