喜多郎ミュージック・ガイド
Young Persons' Guide to KITARO Music #23
released 1995
MANDALA / マンダラ
PLANET / プラネット
DANCE OF SARASVATI / ダンス・オブ・サラスバティ
SILK ROAD / シルクロード
CHANT FROM THE HEART / チャント・フロム・ザ・ハート
SPIRIT OF TAIKO
KOKORO / ココロ
HEAVEN AND EARTH
all songs written and arranged by KITARO
musicians:
Angus Clark: guitar
Diana Dentino: keyboard
Keith Heffner: keyboard
Nawang Khechog: flute, percussion, chanting, tibetan long horn, didgeridoo
Jeff McElroy: bass
Lorenza Ponce: violin
Yoshi Shimada: drums
Derek Zimmerman: percussion
「MANDALA / マンダラ」という会心のアルバムを引っさげて行われたKITAROさんのワールド・ツアーは、現時点までのKITAROさんのliveツアーの中で、一番wildでチャレンジ精神あふれる演奏が聴けたツアーだったと思う(いつもそうなんだけど、この時は「特に」ね)。そのワールド・ツアーをアメリカ(多分California州のSan Rafaelでの公演)で収録したのがこのliveアルバム。
当時の最新アルバム「MANDALA / マンダラ」からの曲が多く収録されてるけど、どの曲もアルバム「MANDALA / マンダラ」に収録されたoriginal versionよりも、ダイナミズム、“静”と“動”のコントラスト、“ノリ”のよさ、は3割増しになってる。"DANCE OF SARASVATI / ダンス・オブ・サラスバティ" と "KOKORO / ココロ" は演奏時間がoriginal versionよりも明らかに長いけど、その分listenerをグイグイ引きずり込んでいくimprovisation(即興演奏)が長くなってる。Liveアルバムとしての前作「LIVE IN AMERICA」と同じように、各曲のoriginal versionでのstring orchestraのパートはkeyboardによって演奏されてるけど、テクノロジーのお陰もあってか、演奏の豊かさや音のブ厚さなど、聴き劣りはゼンゼンしないのでご安心を。
このアルバムのハイライトは、ハッキシ言って全部の曲(マジで)。"SILK ROAD / シルクロード" にしたって、録音されて聴くことができるモノの中では一番dramaticな演奏が聴けるし、KITAROさんのお気に入りで今に至るまでliveで演奏され続けている "HEAVEN AND EARTH" が奏でる壮大な叙情詩はマジ圧巻(アルバム「HEAVEN & EARTH / 天と地」収録の "HEAVEN AND EARTH (LAND THEME) / 天と地〜ランド・テーマ" と "END TITLE / エンド・タイトル" をベースに、"ARVN / ヴェトナム共和国陸軍"、"VILLAGE ATTACK/THE ARREST / 襲撃/ 拘禁" あたりに出てくるフレーズを織りまぜたような演奏になっている)。そんなこのアルバムの中で特筆しておきたいのは "SPIRIT OF TAIKO"。KITARO liveではいつも、KITAROさんが叩く和太鼓を中心とした打楽器群による地鳴りのような強烈なアンサンブルがliveのハイライトになってるわけだけど、録音されて聴くことができるモノとしては唯一この "SPIRIT OF TAIKO" でそれが聴けるというワケ(liveアルバム「ASIA / 亜細亜」収録の "JAPANESE DRUMS / 和太鼓" も、liveアルバム「DAYLIGHT, MOONLIGHT - LIVE IN YAKUSHIJI / デイライト・ムーンライト ライブ・イン・薬師寺」収録の "WATER OF MYSTERY" の後半も、鳴ってる打楽器の数が少ないから、普段のKITARO liveで聴けるモノとは、ちがい過ぎる)。でも実は、実際の響き(地鳴り)はこんなモンじゃあないからね。多分CDとかっていう器(ウツワ)では収録し切れないんだと思うから、これが気に入ったなら、ぜひ! 次はKITAROさんのliveを観に行ってほしい。
KITAROさんのliveでシビレた人は絶対に聴くべき一枚。
この「AN ENCHANTED EVENING / 天空への響き」にはvideo versionもある。でもvideo versionは少なくとも2種類以上あって、それぞれ内容がちがうよ。その中には、ツアーで演奏されながらアルバムには未収録の "CARAVANSARY / キャラバンサライ"、"COSMIC LOVE / コズミック・ラブ"、"FIRE / 炎の舞"、"WINDS OF YOUTH / ウィンズ・オブ・ユース" といった曲も収録されてるモノもあるから(しかも "COSMIC LOVE / コズミック・ラブ"、"FIRE / 炎の舞"、"WINDS OF YOUTH / ウィンズ・オブ・ユース" は、どれも10分以上にわたる強力な演奏が聴ける!)、そのversionが見つかるなら、アルバムよりもそのvideo versionの方がいい(くれぐれも、videoを探し続けたために、結果的に何も聴かずに歳月だけが過ぎて行くようなコトのないようにね)。他にも、"WINDS OF YOUTH / ウィンズ・オブ・ユース" だけがアルバムよりも多く収録されてるversionもあるし、"SILK ROAD / シルクロード" が収録されてないversionもある。Video veriosnのパッケージには "SPIRIT OF TAIKO" が記載されてないモノもあるけど、"CHANT FROM THE HEART / チャント・フロム・ザ・ハート" と "KOKORO / ココロ" が並んで収録されてれば、まちがいなく "SPIRIT OF TAIKO" も収録されてるから、安心してね。また、"MANDALA / マンダラ" に関しては、多分どの種類のvideoでも、アルバムで聴けるversionよりも演奏時間が5分以上長い。アルバムに収録されてる方は、KITAROさんとNawang Khechogによる冒頭のimprovisation(即興演奏)が丸々カットされてて、video versionではそれも収録されてるからだよ。
"MANDALA / マンダラ" と、アルバム「TUNHUANG / 敦煌」に収録された "MANDALA / 曼陀羅" は、英題は同じだけど別の曲。
ちなみに、このアルバムの日本盤の初回発売盤には、曲名に日本語表記がなかった。これは制作側の意図だと思われるので、ここでもそれを尊重して、このアルバムに初収録された曲に関しては日本語表記をしてません。ただし、すでに発表済みの曲に関しては、邦題があれば表記してます。
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