喜多郎ミュージック・ガイド
Young Persons' Guide to KITARO Music #13
released 1984
EARTH BORN / 地球創成
CARAVANSARY / キャラバンサライ
FIRE / 炎の舞 (*1)
THEME OF SILK ROAD / シルクロードのテーマ
COSMIC LOVE / コズミック・ラブ
CLOUD / 空の雲
JAPANESE DRUMS / 和太鼓
RETURN TO RUSSIA / ロシアへの想い
STRAIGHT' A WAY TO ORION / オリオン
SONG OF CHINA / 中国の詩 (*1) (*2)
DAWN IN MALAYSIA (GETARAN JIWA) / マレーの星 (*2)
(*1) はcomplete version(完全版)のみに収録
all songs written and arranged by KITARO except (*2)
musicians:
Shoji Fujii: drums, percussion
Satoru Nakata: drums, percussion
Hiroshi Araki: guitars
Tomoyuki Hayashi: keyboards
Masaji Watanabe: keyboards
1984年のアジア・ツアーから上海、Kuala Lumpur、Kota Kinabalでの公演を収録したliveアルバムで、「これぞKITARO live!」って言えるような演奏を聴くことができる。普段のKITAROさんのliveで聴けるようなemotionalなsymphonic rockがシッカリ収められてる。(ただし、いくつかの曲は演奏の途中でfade outしてっちゃうワケだけど、普段のKITAROさんのliveでは、こんなコトはないからね。事実上、LPやカセットに収録できる時間は限られてるから、fade outせずに収録曲数を減らすコトを選ばずに、fade outしてでも収録曲数を増やすコトを選んだんだと思うよ。)
力強くrockするリズム・セクション、唸りをあげるelectric guitar、symphonicでリリカルなkeyboard群、これらが一体となってダイナミズムにあふれるギンギンの演奏を繰り広げて、そして時折、美しいメロディのballadでホロッと泣かせてくれる...なんともカッコよくも心ニクイ音楽である(笑)。Liveアルバムとしての前作「BUDOKAN / 武道館」と比べるとサイケ色が薄れてるカンジはするけど、KITARO liveの醍醐味と言える“静”と“動”のコントラスト、そして繊細さがシッカリ聴けるから、liveに行って「気に入った!」っていう人には、お気に入りの一枚になるよ。
このアルバムには、収録内容がちがう2種類のversionがある(Young Persons' Guide to KITARO Musicでは、収録曲が多い方を「complete version」、もう一つの方を「通常版」と呼ぶからね)。"FIRE / 炎の舞" と "SONG OF CHINA / 中国の詩" はcomplete versionだけに収録されてる。その他のちがいは、"THEME OF SILK ROAD / シルクロードのテーマ"、"RETURN TO RUSSIA / ロシアへの想い"、"DAWN IN MALAYSIA (GETARAN JIWA) / マレーの星" 以外の全部の曲の演奏時間で、どれもcomplete versionの方が長い。"COSMIC LOVE / コズミック・ラブ"、"CLOUD / 空の雲"、"STRAIGHT' A WAY TO ORION / オリオン" の3曲に至っては、complete versionの方は約2倍の長さがある(これらの曲は、通常版では早めにfade outしていたり、編集されてたりする)。もしも目の前に両方のversionがあるのなら、迷わずcomplete versionを手にとること。ただし、complete versionは初回発売時にカセット・テープのみで発売されたみたいで、今となってはcomplete versionを見つけるのはホントに難しいと思う。くれぐれも、「complete versionが見つかるまで待つぞっ!」って意地はって、結果的に「ASIA / 亜細亜」を楽しめずに歳月だけが過ぎてくなんてコトのないようにね。ちなみに、GEFFEN RECORDSから再発売されたカセット・テープには、パッケージの収録曲を見るとcomplete versionなんだけど実際の中身は通常版、というモノもあるので気を付けてね。
このアルバムで聴ける "CARAVANSARY / キャラバンサライ" と "THEME OF SILK ROAD / シルクロードのテーマ" は、他のどのアルバムで聴ける同曲の演奏よりもrockっぽいarrangeになってる。"THEME OF SILK ROAD / シルクロードのテーマ" は、liveではいつもの通り、アルバム「SILK ROAD VOLUME 1 / 絲綢之路」収録の "SILK ROAD / 絲綢之路" よりも、アルバム「SILK ROAD VOLUME 2 / 絲綢之路 II」収録の "SILVER MOON / 絲綢之路〜黒水城の幻想(SILVER MOON)" の前半に近い演奏になってる(曲名が "SILK ROAD / 絲綢之路" ではなく "THEME OF SILK ROAD / シルクロードのテーマ" になってるのは、それが理由なのかもね)。"JAPANESE DRUMS / 和太鼓" は和太鼓によるimprovisation(即興演奏)。"SONG OF CHINA / 中国の詩" と "DAWN IN MALAYSIA (GETARAN JIWA) / マレーの星" の2曲は、このアルバムのみで聴ける曲。このアルバムを収録したアジア・ツアーでは、この2曲のように、KITAROさんは御当地songを演奏するってコトをやってたらしい。 "DAWN IN MALAYSIA (GETARAN JIWA) / マレーの星" はマレーシアの王様が創った有名な曲だそうで、だからKITAROさんがメロディを弾き始めた途端にワーッって拍手が湧き起こるんだね。
ほぼ全ての曲が、スタジオ録音アルバムに収録されたoriginal versionからカナリ進化してる。KITAROさんにとっては“いつものコト”。リスナーにとっては“楽しいしコト”。好感が持てるね。
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