喜多郎ミュージック・ガイド
Young Persons' Guide to KITARO Music #10
released 1983
AQUA / 無限水
THE GOD OF SAND / 砂の神
THEME OF SILKROAD / 絲綢之路
COSMIC LOVE / コズミックラブ(宇宙の愛)
ANGEL QUEEN / 星空のエンジェル・クイーン
CLOUD / 空の雲
PILGRIMAGE / 巡礼の旅
DANCE OF SAND / 神秘なる砂の舞(ローラン)
all songs written and arranged by KITARO
musicians:
Keita Miyahara: keyboards
Shuichi Arisaka: keyboards
Hiroshi Araki: guitars, harp
Yoshitaka Shimada: drums, percussions
Jin Sekiguchi: drums, percussions
これからKITARO Musicを聴いてみようとしてる人が、もしもKITARO Musicに“穏やかさ”とか“癒し系”を求めてたとしたら、その人が例えばこのアルバムを聴いたら一体どういう感想を持つんだろうか?...唸りをあげるelectric guitar...いつまでも続く打楽器の力強いgroove...轟くダイナミックなTウンド...そして、その合間を縫うようにして時々顔を出す“穏やかさ”...。「うっわーーー!KITAROってこんなカッチョよかったっけ?!!!」って思ったなら、きっとシアワセなKITARO Musicファンの日々が待ってると思うよ(笑)。1982年12月6日に日本武道館で行われたliveを収録したこのliveアルバムで聴ける音楽は、symphonic rockにサイケなカンジが加わった“symphonic psychedelic rock”とでも呼びたくなるようなモノで、最近の普段のKITAROさんのliveで感じられるフィーリング(“ノリ”と言ってもいい)に近いモノが既に感じられる(前作のliveアルバムにあたる「IN PERSON / イン・パースン」で聴ける演奏は、最近の普段のKITAROさんのliveで聴ける演奏とは印象がカナリちがう内容だけどね)。そればかりか、"THE GOD OF SAND / 砂の神" で聴けるKITAROさんによるsitar演奏みたいに、近年のliveではもうお目にかかれなくなってしまったモノも、ここにはある。例えば "AQUA / 無限水" を聴いてみよう。「IN PERSON / イン・パースン」ではアルバム「OASIS / オアシス」収録のoriginal versionに近い演奏だったけど、この「BUDOKAN / 武道館」では曲の後半からdistortionのかかった(歪んだ音の)electric guitarのsoloが延々と続くような展開になるし、次の "THE GOD OF SAND / 砂の神" にしたって、後半には力強く歪んだ音色のelectric guitarのimprovisation(即興演奏)が、ノリノリのgrooveとKITAROさんのsitarをバックに繰り広げられる。そして "COSMIC LOVE / コズミックラブ(宇宙の愛)"、"PILGRIMAGE / 巡礼の旅"、"DANCE OF SAND / 神秘なる砂の舞(ローラン)" の変貌ぶりときたら半端じゃあない!みんなoriginal versionより遥かにdramaticに、そしてダイナミックに進化してるのだ!こうやってKITARO Musicは成長していくってワケだね。"ANGEL QUEEN / 星空のエンジェル・クイーン" はinstrumental versionで、アルバム「QUEEN MILLENNIA / 1000年女王」収録の "PUROMESYUME / プロメシュームの想い" や "ANGEL QUEEN / 星空のエンジェル・クイーン" のシングルのB面(ちなみにA面はDara Sedakaが歌う "ANGEL QUEEN / 星空のエンジェル・クイーン" のvocal version)に収録されたinstrumental versionに近い演奏。"CLOUD / 空の雲" は既にこの時点で5年後のアルバム「TEN YEARS / 喜多郎全曲集 THESE 10 YEARS」収録の "THE CLOUDS / 空の雲" に近い演奏になっているのは興味深いね。それにしても、力強くrockする "DANCE OF SAND / 神秘なる砂の舞(ローラン)" は、カッコよすぎる!
このアルバムは、発表当時に日本を除く東アジアの一部の国で発売されただけだから、見つけるのは難しいかもしれない。
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