喜多郎ミュージック・ガイド
Young Persons' Guide to KITARO Music #8



KI


released 1981

REVELATION / 知(ち)
STREAM OF BEING / 流(る)
KALEIDOSCOPE / 万華鏡
OASIS / オアシス
SUN / 陽(ひ)
AQUA / 無限水
TREE / 樹(き)
CLOUD / 空の雲

all songs written and arranged by KITARO

またまたNHKのTV番組(!)「喜多郎&秀星」のオリジナル・サウンドトラック盤。音楽的には前作「TUNHUANG / 敦煌」の路線に近くって、親しみやすいメロディやフレーズも多い。だけど、“アルバム全体の流れ”の強さや、個々の曲の繊細さや表現の豊かさという点では「TUNHUANG / 敦煌」の方が明らかに上。また、「TUNHUANG / 敦煌」以前のどのアルバムでも聴くことができたworld music的な要素(“何でもあり!”的な要素の一部)が、このアルバムではほとんど表れていない。

"OASIS / オアシス" と "AQUA / 無限水" は両曲とも、先に発表されてるアルバム「OASIS / オアシス」にも収録されてる曲だけど、この「KI / 氣」で聴けるversionはアルバム「OASIS / オアシス」のversionと同じversionのように聴こえる。しかも両曲ともアルバム「OASIS / オアシス」で聴けるモノよりも演奏時間が1分くらい短い(早くfade outしちゃう)。きっと番組「喜多郎&秀星」との絡みでこの2曲がこのアルバムに収録されることになったんだとは思う。だけど、その番組「喜多郎&秀星」を見る機会がない人にとっては、すでに発表済みの曲が、こんな中途半端な状態で収録されてても、歓迎できるハズがない。(もしも "OASIS / オアシス" と "AQUA / 無限水" が聴きたいなら、アルバム「OASIS / オアシス」を聴けばいい。)“アルバムを一つの作品として創る”というKITAROさんの活動スタイルを考えても、この2曲が収録されてるコトは、このアルバム「KI / 氣」の印象を落としてる。まあ、何かよっぽどの事情があったんだとは思うけどね。

というワケで、これからKITARO Musicを聴こうとしてる人が最初に聴くべきアルバムじゃあない。KITARO Musicが気に入ってきても、急いでこのアルバムを聴く必要はない。

"CLOUD / 空の雲" は翌年のliveアルバム「BUDOKAN / 武道館」や3年後のliveアルバム「ASIA / 亜細亜」でも聴けるので、当時のKITAROさんのお気に入りナンバーだったんでしょう。ただし、アルバム「BUDOKAN / 武道館」と「ASIA / 亜細亜」で聴ける演奏は、この「KI / 氣」で聴ける演奏よりも、アルバム「TEN YEARS / 喜多郎全曲集 THESE 10 YEARS」収録の "THE CLOUDS / 空の雲" に近いよ。




「英題がちがう」と思ったらKITARO Music 英題“同じ曲”表


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