喜多郎ミュージック・ガイド
Young Persons' Guide to KITARO Music #17

HAJIMARI / 太始
SOZO / 創造
KOI / 恋慕
OROCHI / 大蛇
NAGEKI / 嘆
MATSURI / 響宴
REIMEI / 黎明
all songs written and arranged by KITARO
additional musicians:
Kohhachi Itoh: electric bass
Yasuo Ogata: keyboards
Hiroshi Araki: guitar
Syoji Fujii: drums
Hideo Funamoto: timpani
Steven Kindler: violin
Skywalker Symphony Strings
ダイナミズムあふれるarrange、力強いrockのフィーリング、美しくも果敢ない印象的なメロディ、“静”と“動”のコントラスト...こういったKITARO Musicの重要なチャーム・ポイントが、前作「THE LIGHT OF THE SPIRIT」に続いてタップリ味わえるアルバム。全体の緊張感は、KITAROさんの全discographyの中でも5本の指に入るモノで、特にエンディングのスリリングなカンジは全discographyの中でも一番だと思う(同時にカッコよくって感動的)。
タイトル通り、アルバムを通して、あの「古事記」のストーリーが展開されていくワケだけど、このストーリーが“KITAROさんらしいアルバム全体の流れ”の中にわかりやすく溶け込んでるから、実に親しみやすいアルバムになっている(ちなみに、喜多郎さんは「古事記」を、世界のどこにでもある人類創世物語を表す言葉として考えてるらしいよ)。アルバム「GAIA - ONBASHIRA」と同じように、表向きのテーマは地球上のある特定の地域に根差していても、音楽は実にglobal...このあたりはKITAROさんらしくていいね。
発表当時、KITAROさんはコトある毎に、このアルバムは「ROCK SYMPHONY(ロック・シンフォニー)」だって言ってた。もともと普段のliveはsymphonic rock的だけど、それでも、この言葉は確かに的を得てる。Classic音楽で言うところの“symphony”と同じように、収録曲7曲はこの順番で演奏されなくてはイケナイように並んでるし、Skywalker Symphony Strings(モチロン!映画「STAR WARS」に登場するSkywalker家と関係があって、実はこのアルバムの録音とmixingには映画「STAR WARS」の監督George LucasのSkywalker Studioも使われている)によるstring orchestraを「ここぞ!」って要所で起用することによって、普段以上にsymphonicな響きが聴ける。また、一般的なClassic音楽のように、improvisation(即興演奏)のパートが無い(ように聞こえる)けど、これは同時に、KITARO Musicの重要な要素の一つが欠けてるコトを意味するよね。でも、このアルバムに関しては、improvisationが無い分、強力で印象的なメロディが聴けると思っていい。
これからKITARO Musicを聴こうとしてる人が最初に聴くアルバムとしても、いいアルバム。ただし、上記の通り、KITARO Musicの重要な要素であるimprovisationが欠けてるコトは憶えておくこと。このアルバム発表後から今に至るまでのliveで、よく演奏される曲を数多く収録しているので、つまり、KITAROさん自身のお気に入り曲を数多く収録してると思っていいし、それはそのまんま重要なレパートリーだと思っていい。
前作「THE LIGHT OF THE SPIRIT」を「アメリカでの評価を決定づけたアルバム!」と呼ぶなら、「KOJIKI / 古事記」は「世界での評価を決定づけたアルバム!」ってところ。代表作。
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