喜多郎ミュージック・ガイド
Young Persons' Guide to KITARO Music #3
RISING SUN / 朝の祈り
MORO-RISM / モロリズム
NEW WAVE / 新たなる旅路
COSMIC ENERGY / 宇宙エネルギー
AQUA / 無限水
MOON-LIGHT / 月の光
SHIMMERING HORIZON / 地平線
FRAGRANCE OF THE NATURE / 自然の香り
INNOCENT PEOPLE / 無邪気
OASIS / オアシス
all songs written and arranged by KITARO
アルバム「"TEN KAI" ASTRAL TRIP / 天界」「FROM THE FULL MOON STORY / 大地」とは明らかに音楽性に変化が見える3作目。ほとんどの曲で一曲一曲の中の構成が整理され始めていて、arrangeがシンプルになってきている。同じフレーズや同じメロディが、ほどよく繰り返されていて(特にフレーズがね)、一曲一曲が憶えやすく、親しみやすくなってきた...つまりpopなカンジが出てきたってワケ。モチロン、いつものサイケなカンジはするけど、それでも「"TEN KAI" ASTRAL TRIP / 天界」「FROM THE FULL MOON STORY / 大地」に比べれば、広い意味でのポピュラー音楽(pops、classicなど、全てのカテゴリーを含む)のファンが聴きやすい内容だと思う。それと引き換えに“何でもあり!”的な傾向はいくらか後退してるけど、無くなってしまったワケではない。例えば、"INNOCENT PEOPLE / 無邪気" で聴ける延々と続く3台のsitarによるcadenza(テンポに束縛されずに、自由に演奏する演奏スタイル)。こういうpopsとは無縁の自由奔放さ、“イマジネーションにあるモノは何でも演っちゃうぞっ!”的なノリやスピリットは、まちがいなくKITARO Musicの重要な一部分であり、チャーム・ポイントの一つ。アルバム全体の構成も“KITAROさんらしい流れ”が「FROM THE FULL MOON STORY / 大地」よりも更にハッキリと姿を現わしてきていて、アルバムとしてのまとまりはいい。
"AQUA / 無限水" は1980年代初期のliveではよく演奏された人気曲。ジャケットのアート・ワークは、当時Earth Wind & Fireをはじめとするジャケットを手掛けてpop musicの世界でも一世を風靡してた長岡秀星さんが担当。これ以降、KITAROさんと長岡秀星さんは深く関わっていくことになる。
このアルバムがキッカケでKITAROさんはNHKのTV番組「シルクロード」の音楽を担当することになる。音楽的にも、喜多郎さんの“シルクロード時代”に属するアルバムだけど、ダントツの完成度を誇るアルバム「TUNHUANG / 敦煌」を別格とすれば、このアルバムの出来は“シルクロード時代”のアルバムの中ではカナリ良い。くれぐれも、「TUNHUANG / 敦煌」以外の「シルクロード」関連アルバムよりも後回しにしないように。
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